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2021/03/13

 「二十歳の原点」(ラピュタ阿佐ヶ谷)

 高校時代、昼休みは学校の図書館に入り浸っていた。毎週、週刊朝日を後ろから開き山藤章二「ブラックアングル」にニヤニヤしていた。ほかにも週刊誌はチェックしていたと思う。
 小林信彦「われわれはなぜ映画館にいるのか」の頁を開き、「進め! ジャガーズ敵全上陸」成り立ちの章を何度も読んだ。文藝春秋社の「松本清張選集」があって、特に短編、中編集に夢中になった。「黒い画集」の衝撃!
 ある日、高野悦子「二十歳の原点」を見つけて読んだ。借りたときはどんな内容なのか知らなかった。いや、少しは知っていたか。映画になったことも。数年後に迎える二十歳、その原点とは何のことか? そんな思いがあって読んだと記憶している。

 「二十歳の原点」は、立命館大学の学生だった高野悦子の鉄道自殺するまでの日記である。学生運動や恋愛について考え、悩み、結局死んでしまうのだ。
 20歳になって、文庫を購入して再読した。大学生になったことで、高校時代のときより、彼女の考えや悩みが身近に感じられた。疎外感、焦燥感等々。

 映画「二十歳の原点」には別の観点からも興味があった。主演の角ゆり子だ。「日本沈没」に、島田正吾演じる謎の老人(政界フィクサー)の秘書役で出演していて、タイプだった! 
 丹波哲郎の首相がこの老人に沈没する日本について伺いをたてると「何もせんほうがいい」と答え、涙目になるシーンがあった。映画の名シーン。日本とともに死ぬことを決意した老人が秘書に「見せてくれるか」と言うと秘書は老人の目の前で全裸になる!。
 思い出した、角ゆり子という女優を認識して、「二十歳の原点」がデビュー作であることがインプットされたのだ。その原作を学校の図書館で見つけた、というわけ。

 僕にとって幻の映画をやっと観ることができた。
 最終日、大雨の中出かけた。予定が狂ってこの日しか機会がなくて。この天候だから客は少ないと予想していたらとんでもない。ほぼ満席ではなかったか。
 1973年(昭和48年)の東宝作品。
 やはり東京映画だった。漠然とそうではないかと思っていた。
 70年代、東宝は子会社が制作した映画を配給していた。東宝映画、東宝映像、東京映画、芸苑社、青灯社の5社。キネマ旬報を愛読するようになって知ったのだが。特撮の東宝映像、文芸の芸苑社、その他の東京映画というようなイメージがある。ショーケンの「青春の蹉跌」もそうだったし。

 映画は現代(昭和48年)の京都の街並み、立命館大学の風景から始まる。そこから女子大生の自殺ニュースの新聞記事(昭和44年某日)を見せ、時代が4年遡るつくり。

 映画は失敗作だろう。
 映画を観る限り、主人公がなぜ自殺したのかわからない。
 70年安保に向けての学生運動、学園闘争の中で、主人公が運動を無視できず、とはいえのめりこめない焦燥、アルバイト先の年上の男性に心惹かれ、反発する姿、京大生との打算的なセックスの嫌気、等々が描かれてはいるものの、こちらに迫ってこない。
 ラスト、どこか山の中の湖に入る主人公の顔のアップ。なぜか、全裸なんだろうなと思った。続くカットで裸身で歩いていた。失笑。おいおい! 自殺前の最後の日記を映画的に具現化した映像なのだろう。日記では彼女の孤独感、挫折感が行間から伝わってきたというのに……
 湖に若い女性の裸体というと、熊井啓監督、関根恵子主演の「朝焼けの詩」を思い出す。ラッシュで関根恵子のヘアが見えて撮り直したとかいう記事を読んで地元映画館にやってきたとき観にいって、観光のための自然破壊の是非がテーマの社会派映画に考えさせられた。自分のスケベ心を恥じたものだ。
 まあとにかく、湖と女性の裸体、どちらが先の発想だったのだろう。調べた。この映画も1973年公開なのか。えっ、同時上映! 地元映画館には半年遅れでやってくるが、「二十歳の原点」は上映されなかった。

 スナックで、上司だったか、京大生だったかに、主人公が詩を書きたいと詩を朗誦するシーンがある。
 日記にも引用されていた宮田隆の「いつわりの季節」。実際に言葉で聞いてグッときた。
 この詩の思い出話はこちらに書いている。
 久しぶりにスクリーンで拝見する角ゆり子は木村文乃に似ていた。
 立命館大学の闘争のリーダーは大門正明、主人公の父親が鈴木瑞穂、弟は丹波義隆、アルバイト先の上司は地井武男。時代だなあ。

 監督は大森健治郎、脚本は重森孝子と森谷司郎。




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2021/02/04

 「ミセス・ノイズィ」(TOHOシネマズ日比谷)

 ノーマークの映画だった。00年代に自主映画で知り合ったSさん(僕の大学時代の未完性映画の素材を再編集してMVとして完成させてくれた恩人)の、年末のSNSでタイトルを知った。そんな映画が上映されていること、というか、そういう映画があることすら知らず。タイトルを目にしたときは洋画だと思っていたほど。

 今年になって調べたら日本映画、すいぶん前、ワイドショーを騒がせた奈良の〈騒音おばさん〉をモチーフにした物語だった。ノイズィはノイズのことか! 隣人の騒音おばさんに悩まされるヒロイン(小説家)を演じるのは、「相棒19」で捜査一課のレギュラーメンバーになった篠原ゆき子。映画は騒音おばさんと小説家の騒音をめぐる攻防戦が描かれる。俄然興味がでてきた。
 映画は、もちろん、実際の事件を扱っているわけではない。あくまでもフィクションである。

 スランプに陥っている小説家の家族(ミュージシャンの夫、5歳の娘あり)がとあるアパートに越してくる。隣人は早朝から干している布団を叩くちょっと変わった中年女性(夫あり)。この二人の騒音をめぐるトラブルをコミカルに描いていくものと思ったら、同じ事象を中年女性側から描くことによって様相は一変する。

 中年女性の部屋がいつも整理整頓されていてとてもきれいなので、単に〈おかしな〉女性とは思えなかったが、精神的な病をもつ夫、そうなってしまった家庭内の不幸な事故があり、早朝の布団叩きにはそれなりの意味があったなんて。
 観客として、早いうちから小説家=被害者、隣人=加害者という構図が瓦解してしまうのだが、小説家はそんなことは知らず、SNSに被害状況の映像をUP、「ミセス・ノイズィ」なる小説を連載して、世間の注目を集め有頂天になっている。そうこうするうちに中年女性の夫が病を悪化させベランダから飛び降り……  

 考えらせられる映画だった。キャンスティングが出色。どこにでもいそうな人を配役していることでリアリティを醸し出していた。特に中年女性役の大高洋子。 
 映画を教えてくれたSさんに感謝。




2021/02/04

 「ミセス・ノイズィ」(TOHOシネマズ日比谷)

 別項にて


2021/02/07

 「猟人日記」(神保町シアター)

 神保町シアターの1月末から始まった特集は「生誕百三十五年 谷崎潤一郎 谷崎・三島・荷風―― 耽美と背徳の文芸映画」。
 1964年日活作品。原作は、戸川昌子の同名ミステリ。
 中平康監督の映画は初めてではないか。

 スタイリッシュなオープニングだ。
 構成は「サイコ」のようだ。
 夜ごと行きずりの女性と関係し、「猟人日記」なる記録をつける男(仲谷昇)が、その女性たちの殺人事件に巻き込まれ犯人として逮捕。その後、弁護士の北村和夫と助手の十朱幸代が男の無実を証明するために奔走する。
 精液を使って殺人を男の仕業にする話は昔考えたことがある。
 映画の中で語られる血液型確定法とか現在ではもう通用しないだろう。

 北村和夫の口跡が心地よい。
 仲谷昇の外人ぶりが上手い。
 原作者自ら出演している。それもカメオとかでなく、重要人物として。これには驚いた。
 

2021/02/11

 「砂の上の植物群」(神保町シアター)

 「猟人日記」と同じく、64年の中平康監督作品。
 原作は吉行淳之介。書名だけは知っている。

 パートカラー作品というものを初めて観た。で、わかったのだが、モノクロの白&黒はカラーのそれと色が違う!
 どこがカラーになるのかと思ったら、劇中にインサートされる絵に色がつくのである。
 冒頭のメインタイトル。絵を長写ししていたので、同時のタイトルが長い、長い。
 スタイリッシュとダサさが混在したカメラワークだった。
 呑みのショットが実にうまそうで、「猟人日記」もそうだった。
 クライマックス、「トッカータとフーガニ短調」に耳を傾けた。


2021/02/18

 「鍵」(神保町シアター)


2021/02/18

 「ガメラ2 レギオン襲来」(丸の内ピカデリー Dolby Cinema)




2021/02/18

 「ガメラ2 レギオン襲来」(丸の内ピカデリー Dolby Cinema)

 予想どおり、「ガメラ2 レギオン襲来」4K版がDolby Cinemaで上映されることになった。第一弾となった「ガメラ 大怪獣空中決戦」4K版の集客がよかったのだろう。
 「鍵」鑑賞後、神保町から有楽町へ駆けつけた。

 上映開始までまだ時間があるからか、いい席がとれた。真ん中あたりの列、その中央。チケット売場で訊いてみた。「『ガメラ3』、やりますか?」、売場のお兄さん「確定はいていませんが、やるんじゃないんでしょうかね」 ですよね。

 近くのカフェで時間をつぶし、開映20分前に劇場へ。前回はほぼ満席状態だったが、平日なのでそれほどでもない。空席が目立った。これなら、一席空けで鑑賞できるなと喜んでいた。が、ぬかよろこびだった。まず右隣が埋まった。しばらくして左席も。結局、この列ほとんど埋まった。空席はいっぱいあるのに、だ。コロナ禍なんだからソーシャルディスタンスを考えた方がいいだろうに。マニアはコロナ禍は関係ないのか。

 さて、映画、前作鑑賞時、特に感じなかったが、今回、やけに音がいい。大谷幸の音楽の良さを再認識させてくれた。
 オープニングの隕石墜落から札幌の街でガメラが草体を撃退するまでが怒涛の展開、海中からガメラが出現し、回転ジェットで札幌に向かうシーン、もうとにかくカッコいい!
 出演者が若い。当たり前だけど。
 地方都市(足利)の田舎道を走る戦車に興奮。
 レギオンの赤いムチ光線、もしかしたら「サンダ対ガメラ」のガイラがメーサー殺獣光線車で攻撃されるシーンを意識しているとか?
 ガメラが表情で演技している。まるでマカロニウエスタンの主人公ではないか!




2021/02/18

 「鍵」(神保町シアター)

 1959年の大映作品。昭和だと34年、僕が生まれた年。
 市川崑監督の傑作と喧伝されていて、とても興味があって、一度、ビデオで観ている。もうずいぶん前、まだビデオレンタル時代のこと。そのときは特に思うことがなかった気がする。この時期、ビデオで「野火」「おとうと」「私は二歳」と観ているがどれも感銘なりなんなりある種のインパクトを感じたものだが、「鍵」にはそういうものを感じなかったので。

 スクリーンで再見して本当に良かった!
 京都の街の切り取り方、カメラワーク、その映像美。
 まるで市川崑の「怪奇大作戦/京都買います」のようだ。
 山口百恵の引退記念映画「古都」に市川崑監督が起用された。カメラワークが金田一シリーズで複雑な気持ちだったが、その20年も前から実践していたというわけか。なぜ、ビデオのとき気がつかなかったのだろう?
 凝った映像と古都は相性がいい。

 主人公の老人(中村鴈治郎)は古美術の鑑定家。
 この老人が病気持ちで病院での診察を受ける様とか古美術を見る眼とか、職人フェチを刺激されてたまらない。
 挿入されるくすぐりも笑える。
 ヒロインの京マチ子は登場時のメーキャップが異様(特に目のあたり)で、受け入れがたいものがあったが、入浴シーンあたりから慣れた。当時、衝撃だったんだろうな。今なら何でもないが。
 鑑定家の女中を演じる北林谷栄、リアルタイムで観ているとき(10~20年後)と印象が全然変わらない。

 思えば、60年代大映時代の崑監督は前述のとおり、名作、傑作、佳作を連発していた。奥さんの和田夏十(脚本家)を相棒に、果敢に文藝ものに挑戦、結果をだしていたのだ。脂が乗っていたということか。日本映画の黄金時代でもあった。




2021/01/29

 「オレンジロード急行」(神保町シアター)

 前日、@ワンダー(BC二十世紀を経営する古書店)の女性スタッフKさんからCメールがあった。神保町シアターの招待券(本日が期限)があるので観たけれど取りに来てください。@ワンダーとBC二十世紀では、神保町シアターとラピュタ阿佐ヶ谷のチラシを置いていて、その謝礼が招待券。BC二十世紀で働いていたときはよく利用させてもらった。ちなみに新文芸坐の待合コーナーで販売している映画関連古書は@ワンダーが卸しています。

 金曜日は部屋でウダウダしていたいので興味ある映画を上映していなければ断ろうと思っていた。調べると「オレンジロード急行」があった。
 「オレンジロード急行」は城戸賞を受賞したシナリオを受賞者本人(大森一樹)が監督するというので話題になった(ように思う)。まだ一度も観たことがなかった。いい機会だから招待券を受け取りに行った。

 開場を待っている間、トイレに行くとIさんに会った。BC二十世紀の常連さんで、某出版社のオーナーで邦画ポスター収集家、俳優でもある。「戦場のメリークリスマス」の海外のDVDジャケットではデヴィッド・ボウイの隣にいるのは坂本龍一でもビートたけしでもなくIさんなのである。@ワンダーでポスターを購入してBC二十世紀で一服というのがいつものコースで、よく映画の話をしたものだった。
 神保町シアターで会うのは初めてのこと。照れながら「ちょっと出演しているんでね。この映画、ビデオにもDVDにもなっていないもので」。
 だから観る機会がなかったのか。

 なるほど、当時の邦画にあってはオシャレな新しい映画だったのだろう。カメラワークがもっとドライだったら良かったのに。もっと無国籍風にしないと。そうすると日系二世の哀しみがでないか。
 感慨深いものがあった。現在、自分の年齢は、主演の若者組(森本レオ、小倉一郎、中島ゆたか)より老人カップルの嵐寛寿郎と岡田嘉子の方に近いのだ。

 原田芳雄演じる刑事は銭形警部を意識しているのだろう。
 ラストは「八月の濡れた砂」へのオマージュか?
 ああ、だから、警官の一人が広瀬昌助だったのか!

 Iさんはタクシードライバーで出演していました。今とそれほど変わらない容姿!
 ソフト化されないのは、様々な洋楽を使っているからだろうか?




 まだ昨年の分で書いていない映画もあるが、今年の分を書き進めることにする。

     ◇

2021/01/02

 「新感染半島 ファイナル・ステージ」(MOVIX川口)

 感想はこちらに
 母親役を演じたイ・ジョンヒンに既視感があった。
 小、中学校が一緒だった女友だちOに似ているのだ。目元が特に。ただそれだけのことだが。
 それにしても、この邦題、無理がある。


2021/01/08

 「ワンダーウーマン1984」(TOHOシネマズ日比谷)

 3度めの正直でやっと鑑賞。
 結局、料金を支払って観ることになった。
 原題は「WW84」。
 前作「ワンダーウーマン」を観ているはずなのに、ブログを検索してもでてこない。観たことすら書いていないなんてことがあるのか? 公開が17年、「新感染」と同じ年だ。どこまでリンクするのか。

 敵役の俳優、マーロン・ブランドに似ていないのか? トランプ大統領にも。
 WWの黄金色の衣装の造形に注目。鋼鉄風なのに動きやすい。昔、キング・ジョーとかメカゴジラ等々、巨大ロボットの設定は鋼鉄なのに、着ぐるみだから材質はウレタン、それっぽく見えなかった。技術の進歩の賜物なのだろう
 敵役の女優が、あか抜けない見た目から徐々にスポーティーな美女に変化していく過程にも注目。
 

2021/01/14

 「スタントウーマン」(TOHOシネマズシャンテ)

 公開を心待ちにしていたドキュメンタリー。
 かつて一世を風靡した人気ドラマや映画で活躍した〈レジェンド〉及び現代のスタントウーマンを取材している。海外のドキュメンタリーではオーソドックスになっているインタビュー中心。もっとアクション、映画のビハインドシーンを楽しみたかった。
 「チャーリーズ・エンジェル」のタイトルを、スーパーインポーズでは原題のまま。そこらへんは日本タイトルにしてくれないと。
 女性アクション監督(スタントウーマンから転身)の撮影現場に見応えあり。


 「この世界に残されて」(シネスイッチ銀座)

 ハンガリー映画。ハンガリー映画、これまで観たことがあるのか。
 ホロコーストで心に深い傷を負ったユダヤ人の男女(父と娘ほどの年齢差がある)が寄り添いながら生きていく姿を描いている。
 たたずまいに品がある。
 登場時、共にみすぼらしい主人公とヒロインが物語が進行していくうちに表情にハリがでて見た目も素敵になっていく。
 クライマックスの静かなサスペンス!


2021/01/21

 「エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット」(新宿シネマカリテ)

 年末、予告編を見て気になっていた。
 菅谷晋一が何者か知らなかったが、こちらの職人フェチを刺激してくれるドキュメンタリーなのではないかと。
 予想したとおり、モノ作りの工程は興味津々。ペンをカリカリさせてイラストを描く。昔、小学生の高学年のとき、TVで堺正章主演のドラマで漫画家に扮するものがあった。原稿を描くカット(アップの手はさいとうプロの誰か)に身を乗り出していたことを思い出した。


2021/01/29

 「オレンジロード急行」(神保町シアター)

 別項にて





 もう一週間経ってしまったが、20日(土)に「午後のぶらり寄席」開催した。

 BC二十世紀のツイートは桜をテーマにした3本。

     ▽

【ブックカフェ二十世紀 3月のイベント】
先月の中旬のこと、帰宅途中に春を感じました。暖かさではないんです。匂い、ですかねぇ。季節を感じたときはなぜか嬉しいものです。スキップしながら帰りました。嘘です。3月のぶらり寄席は20日(土)です! もう春全開ですよね。桜も咲いているかも。

【ブックカフェ二十世紀 3月のイベント】
11日(木)、広島で開花宣言が出ました。来週は各地で開花するみたいですね。実は文京区の神田川沿いでも蕾がほころんでいるとか。コロナ禍でも春はやってくるんです。3月のぶらり寄席は20日(土)。桜の歩き見のついでに覗いてみてはいかがでしょうか?

【ブックカフェ二十世紀 3月のイベント】
明日20日(土)です、緊急事態宣言下最後のぶらり寄席! 日本各地で令和最初の桜が開花しています。おかげさまで今回予約だけで10名超えました。感謝いたします。もちろん、予約なしでも大丈夫ですよ。桜満開の気分で寸志さんの高座を楽しみましょう。

     △

 今回、予約だけでつばなれ(10名超え)した。ほんと感謝感激です。当日参加の方は1名。計12名だった。
 コロナ禍下の開催になってから3密を避けるため、お客さんを10名前後と想定、15席用意している。予約が少ないとフリーのお客さんが増えて、予約が多いと当日参加が少なくなって、どちらにしても10名プラスアルファになるという不思議。

 それにしても寸志さん、売れっ子だよなぁ。前座デビューのころは、収入に関しては奥さんにおんぶにだっこだったが、今は人並になったらしい。もしかするとアルバイト生活の僕の月収、時給(日給×一ヶ月の出勤日数)=月給を超えているかも。
 自身の企画による落語会のほか、さまざまな会に出演している。この日もぶらり寄席のあと高円寺の会があるため懇親会は中止、先月もかけもちだった。コロナ禍でこの忙しさなんだからすごい。他流派の噺家との共演が多いところに注目したい。一歩一歩真打昇進に向けて精進している様子がうかがえる。稽古もしているんだろうな。映画なんて観ている暇はないのだろう。
 何より寸志さんの落語を聴きたいファンがいるということである。そして寸志さんの高座はそんなファンを裏切らない。
 演目は「武助馬」&「景清」。

 終演後、寸志は次の仕事場へ大慌てで出かけて行った。
 常連さんと懇親会の・ようなもの。
 話題は寸志さんの落語、某落語家さん、東京オリンピック、ももクロ、歌謡曲、ビートルズ、映画「シン・エヴァンゲリオン」エトセトラ、エトセトラ。
 かなり揺れた地震があってお開きとなった次第。



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秋葉原から神保町に向かう途中でちょっと花見

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恒例の開演前のチラシ配付
この日、若いカップル(夫婦?)が通り過ぎたとか
寸志さんから少し離れてから
男「知っている?」
女「……知らない」

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ネタで泣くことはないはないという寸志さん
でも、「景清」にはくるものがあるという


神保町日曜寄席チラシ202104-06
4~6月のチラシができました!
ビー・ジーズ「若葉のころ」をBGMにしてご覧ください






 今週から個人的な定休日が木曜、金曜から金曜、土曜に変更になった。金曜の朝のスタッフが少ないため。
 これは嬉しい。金曜の夜、土曜終日がフリーになるのだ。土曜終日のフリーがありがたい。今はコロナ禍だから意味ないが、終息したら友人とのつきあいが復活できる。「午後のぶらり寄席」のため仕事を休まなくてもいいし、シネりんのイベントその他、打ち合わせ等にも参加できる。深夜シフトになってからほとんど参加できなくなっていたので。

 これまでは木曜が〈映画の日〉だった。あくまでも個人的なことだが。
 先週は「DAU. ナターシャ」(シアター・イメージフォーラム)を観た。先々週は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」をTOHOシネマズ日比谷で。この週は「MISS ミス・フランスになりたい」(シネスイッチ銀座)、「ステージ・マザー」(TOHOシネマズシャンテ)、「二十歳の原点」(ラピュタ阿佐ヶ谷)も鑑賞し、まさに〈映画の週〉だった。とんでもなく疲れたが。
 その前の週は地元シネコンで「スカイライン -逆襲-」。

 今週から金曜が〈映画の日〉となる。新作でもと考えていたが、新文芸坐で市川崑監督作品を特集していることを思い出した。調べると〈市川崑 初期ライト・コメディの誘惑〉なるもの。この名画座は日替わりで、金曜は「愛人」&「プーサン」。ラピュタ阿佐ヶ谷や神保町シアターみたいに週代わり、ならできるだけ押さえたいところだが仕方ない。
 「愛人」は3年前に神保町シアターで鑑賞済み。「プーサン」もずいぶん前(10年以上前だ)に観る機会があった。ビデオだったのかTV放映だったのかはっきりしない。夜遅くTVの前で楽しみにしていたが、いつのまにか寝てしまい気がついたらラストシーンということがあった。ビデオなら翌日観直せばいいし、返却期限がきているのならまた借り直せばいいので、TV放映だったのかもしれない。
 「プーサン」は崑監督の初期の代表作、傑作の一つでもある。
 
 9時に仕事を終えて久しぶりの池袋へ。後楽園から池袋は近い、近すぎる。
 9時30分には新文芸坐に着いた。1階のパチンコ店では長蛇の列、劇場入口はシャッターが降りていた。近くの公園で時間をつぶす。10時少し前、様子を見に行くとシャッターがない。3階まで歩く。開場は未だ。すでに待っている人が一人いた。開場は上映30分前と看板に張り紙があった。待つこと20分弱。

 開場となって自動販売機でチケット購入。モギリの女性にチケットを提出すると半券をくれない。たぶんコロナ禍のせいだろう。現在、ラピュタ阿佐ヶ谷や神保町シアターでは入場時自分でチケットをモギって半券をモギリ担当が手に持つ箱に入れている。TOHOシネマズやピカデリーでは入場時にチケットをモギることがない。チケットを見せるだけ。新文芸坐も同じシステムにすればいいのに。モギることに意味があるのか。上映作品は相変わらず日替わりだしさ。

 「愛人」
 前回鑑賞のとき気がついていたのかいないのか、スタッフ、キャストのクレジットの字体が名前によって違うのだ。レタリング文字と活字が併用されている。肩書と名前で違うとかではなく。
 それはともかく、この映画はおしゃれで愉快だ。会話が楽しい。そのやりとりに笑ってしまう。シナリオ(和田夏十、井出俊郎)が巧いということだろう。屋外のシーンもあるが、室内という限定された空間がほとんどだから舞台劇にすればいいのにと思ったが、原作の森本薫「華々しき一族」は戯曲だとのこと。
 映画化タイトルがなぜ「愛人」なのだろう?
 クライマックスの、越路吹雪の一言のあとのストップモーション。崑タッチここにあり!
 若い三国連太郎が佐藤浩市に似ているのは当然か。佐藤浩市に北村一輝を足したような。インチキ(?)プロデューサー役の伊藤雄之助、出番は少ないものの出てきてしゃべると画面が賑やかに。この怪優を知ったのは「太陽を盗んだ男」だった。

 「プーサン」
 「愛人」は東宝作品でプロデューサーは藤本真澄。この作品もそう。助監督が古澤憲吾でちょっと驚き。
 原作は横山泰三のマンガ。映画では「ミス・ガンコ」も使われている。といってもストーリーは映画オリジナルなのではないか?
 主演は伊藤雄之助と越路吹雪だが、脇が藤原釡足、木村功、加藤大介、おまけに撮影が中井朝一だからまるで黒澤組ではないか。その他、小泉博、山本簾、平田昭彦も出てくるから東宝特撮!の趣きもある。
 コメディだと思って観ているとけっこう重い。シニカルな一編というべきか。メーデーのデモ隊と機動隊の衝突は実際の記録フィルムも使用されているのではないか?
 ガンコが親に結婚を反対されて自殺未遂をはかるが、性格を考えると信じられない。このシークエンスだけ浮いていたような。
 ラストシーンは哀愁漂って秀逸。


 【追記】
 「華々しき一族」、このタイトル、なんとなく記憶にあるなと、ブログを検索すると、芝居を観てました! 09年に。どんな話だったかすっかり忘れているが。




 「まぐまPB12 アニメのエターナル・ビジョン」が3月末に完成します。
 例年、年末に完成、コミケで販売、翌1月発売なのですが、コロナ禍で遅れていました。
 発売を記念して、BC二十世紀で写真展「帰ってきたウルトラマンを演った男 きくち英一コレクション」(仮)を開催する予定。
 どうぞお楽しみに!



magumaPB12




プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)

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