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「まぐまPB13 マンガ・スタディーズ・アウトサイド」4月下旬発売されます!

「まぐまPB」は以下の書店で直販されています。

 ・タコシェ(中野) 
 ・模索舎(新宿) 
 ・夢野書店(神保町)
 ・ブックカフェ二十世紀(神保町)
 ・ネオ書房(阿佐ヶ谷)

通販も行っております。
  蒼天社通販

目次:
マンガスタディーズ・アウトサイドーマンガ研究〈ブックレビュー〉22冊
・赤田祐一・ばるぼら『定本 消されたマンガ』(三津木浩之)
・足立加勇『日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象』(坂口将史)
・池上賢『“彼ら”がマンガを語るとき』(松浦優)
・石岡良治『「超」批評視覚文化×マンガ』(小池隆太)
・茨木正治『メディアのなかのマンガ:新聞1コママンガの世界』(池上賢)
・大塚英志『戦後まんがの表現空間:記号的身体の呪縛』(松浦優)
・片寄みつぐ『戦後漫画思想史』(小山昌宏)
・稀見理都『エロマンガ表現史』(三好悠太)
・小山昌宏『戦後「日本マンガ」論争史』(三好悠太)
・ジャクリーヌ・ベルント編『マン美研』(小池隆太)
・白石さや『グローバル化した日本のマンガとアニメ』(坂口将史)
・杉本省吾『岡崎京子論 少女マンガ・都市・メディア』(三津木浩之)
・鈴木雅雄編『マンガを「見る」という体験』(坂口将史)
・鈴木雅雄 中田健太郎編『マンガ視覚文化論見る、聞く、語る』(坂口将史)
・副田義也『マンガ文化』(池上賢)
・高橋明彦『楳図かずお論:マンガ表現と想像力の恐怖』(小山昌宏)
・成瀬正祐『護美之山』『護美之砦』『護美之園』(高橋明彦)
・日本諷刺画史学会清水勲編『保存版諷刺画研究』(小山昌宏)
・ニール・コーン著、中澤潤訳『マンガの認知科学:ビジュアル言語で読み解くその世界』(池上賢)
・古永真一『BD第九の芸術』(三津木浩之)
・溝口彰子『BL進化論』(小池隆太)
・山森宙史『「コミックス」のメディア史モノとしての戦後マンガとその行方』(小山昌宏)

北朝鮮アニメーション史―世界最強のポリコレ・アニメ北朝鮮アニメ創作60年の“苦難の行軍” 大江・留・丈二

グローイングアップ映画祭/鶴川ショートムービーコンテスト2021上原正三脚本作品特集上映上映会&トークショー 小中和哉・田口成光・切通理作・白石雅彦

マンガメディアにおける形態学的描線論から生態学的描画論への転換に関する考察(前後編)―「マンガ原論」から「基礎マンガ学」への絵画論的基礎の試み 小山昌宏

追悼 飯島敏宏監督とブックカフェ二十世紀トークイベント 新井啓介

編集後記

表紙・本中イラスト/向さすけ

まぐまPB13
A5判・定価 本体500円+税
制作:STUDIO ZERO/発行:蒼天社/発売:汎工房
ISBN:9784909821126

【既刊】

magumaPB12
「まぐまPB12 アニメのエターナル・ビジョン」

9784909821041
まぐまPB11 アニメのアニメのメディア・ポリティクス

まぐまPB10 表紙
まぐまPB10 アニメと特撮のあいだに

まぐまPB9 表紙
まぐまPB9 アニメの声と音と音楽と

まぐまPB8 表紙
まぐまPB8  戦後『特撮怪獣』60年史




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 BC二十世紀ツイッターからの転載です。

     ◇

 【ブックカフェ二十世紀 8月のイベント】
 昨年、緊急事態宣言発出のため延期していた「きくち英一前夜祭 さらば! M78星雲」。
 昨年の8月に時を戻して20日(土)に開催いたします。
 ファンなら、なぜ昨年の8月に開催しようとしたのか、わかりますよね? わからなくてもご参加お待ちしてますよ!

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 昨年大好評だった「きくち英一コレクション」も開催します!

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 突然ですが、ブックカフェ二十世紀で1年ぶりの特撮関連イベントを開催します。

 白石雅彦さんが6月29日『「ウルトラマンA」の葛藤』を上梓されます。そこで出版を記念して7月3日(日)14時~18時、トークイベントを開催することになりました。

 実は今年1月あたりに遅ればせながら『「帰ってきたウルトラマン」の復活』刊行記念トークを開催しようと画策してました。ところが今年になってオミクロン株の感染が激しくなって断念したという経緯があります。
 今回は絶対開催しますよ~!

 トークのお相手は山際永三監督。沖田・山中隊員・駿一さんもかけつけてくれます。
 書籍の即売会&サイン会も実施しますよ。
 どうぞお楽しみに。


 20220703





2021/02/22

 「真夏の雷菅」(佐々木譲/角川春樹事務所)

 うたう警察シリーズ(本当は道警シリーズ)第8弾。
 1作めの「うたう警察」がそうだったように本作も職人フェチを刺激される。
 後半は一気に読んだ。
 そのために地元駅前のガストに籠る。


2021/02/23

 「昭和歌謡は終わらない」(近藤勝重/幻冬舎)

 今さらながら歌謡曲とは何だったのか、を学ぼうとしている者にとって最適なテキストだ。
 著者はまったく知らない人。毎日新聞の記者で、サンデー毎日の編集長もつとめたジャーナリスト。歌謡曲に造詣があり、某ラジオ番組では昭和歌謡のコーナーを担当し、大人気なんだとか。

 ところで、昭和歌謡というと、僕は昭和30年代までの、作詞家、作曲家がレコード会社専属だった時代の歌謡曲をイメージしてしまう。小学生のときに見た「思い出のメロディー」の印象だろう。GSブーム以降(フリーの作詞家、作曲家が活躍、自作自演)、僕がよく聞くようになる歌謡曲はまた別のニュアンスがある。あくまでも個人的な思いによるものだけど。

2021/02/25

 「その男、佐藤允」(佐藤闘介/河出書房新社)

 気になっている本を図書館で見つけた。
 書店でページをめくったとき、佐藤允へのインタビューを染谷(勝樹)さんが行っていることを知った。
 東宝映画大好き人間、染谷さんが佐藤允の本を企画して実施したのだろうか。
 企画がポシャって眠っていたインタビュー原稿が本書で蘇った、のでは?
 あくまでも憶測だけど。

 そのほか、東宝で同時期に活躍した夏木陽介&川島一平、江原達怡(たつよしと読むんですね)、水野久美、岡本みね子(岡本喜八監督の奥さん)へのインタビューは息子さんの著者自身で行っている。

 フィルモグラフィーが読み応えあり。
 息子目線のレビューが楽しい。




2021/01/31

 「KAWADEムック 文藝別冊 三島由紀夫1970」(河出書房新社)

 1970年は個人的に記憶に残る年だ。

 70年代になったんだという驚き。
 エキスポ′70(万博)の開催。
 三島由紀夫の事件。
 帰宅すると、ニュースでこの事件を伝えていた。
 この事件で三島由紀夫という小説家を知った。
 事件を起こした三島由紀夫を連呼するニュース。
 そんなニュースを見ながら母親が言った言葉。
「マスコミは三島由紀夫を犯罪者としか扱わない」

 70年を境に大人になったのだ。
 そう思っている。





 ヤバイよ、ヤバイよ!
 出川哲朗の声が聞こえる。
 6月のぶらり寄席が終わっているのに、5月のぶらり寄席のレビュー(?)のUPがまだなんだもん。

     ◇

 5月の「午後のぶらり寄席」は14日(土)に開催された。
 ツイートは5本。

     ▽

【ブックカフェ二十世紀 4・5月のイベント】
先週ぶらり寄席にご来場の皆様へ御礼申し上げます。16名。常連さんのほかにチラシを持った方、「予約していないけど」と訪れる一見さんが嬉しいですね。久しぶりの懇親会も話が弾みました。落語界の裏話。あの噺家の噂話等々。来月は14日(土)です!

【ブックカフェ二十世紀 5月のイベント】
今週後半からGWが始まります。私には関係ないですけどね。週2回の定休以外は仕事、仕事の毎日ですから。あっ、6日はオードリーに会いに行くんでした。芸人じゃないですよ、世界の恋人ヘップバーンの映画が公開されます。5月のぶらり寄席は14日(土)!  

【ブックカフェ二十世紀 5月のイベント】
明日から5月です。日本ではJune Bride信仰がありますね。でもこれ、欧州の気候が大いに関係しているのではないですか? 日本の気候を考えればやはり5月ですよ。新緑の香り、爽やかな風。May Bride。語感が悪いか。皐月、風薫るぶらり寄席は14日(土)!

【ブックカフェ二十世紀 5月のイベント】
今年のGWはいかがでしたか? 街や公園、電車の中、いたる所で親子連れを見かけました。GWってこんなに親子が溢れていたっけと思い、膝を打ちました。一昨年も昨年もコロナ禍で行動制限されていたんでした。風薫るぶらり寄席はいよいよ来週14日(土)!

【ブックカフェ二十世紀 5月のイベント】
雨の、13日の金曜日。日比谷で「シン・ウルトラマン」を観てきました。TV「ウルトラマン」(全39話)を1本の映画(約2時間)でやりきったって感じ。期待していただけに複雑な気持ちです。風薫るぶらり寄席は明日14日(土)! いや、もう今日になります。

     △

 寸志さんは、この会のダメ出しをマクラでやる。

 このまま続けます。
2021/02/03

 「日本の戦争映画」(春日太一/文春新書)

 戦後の、日本の戦争映画の変遷についての考察。

  
2021/02/05

 「手塚治虫のマンガの教科書 マンガの描き方とその技法」(手塚治虫/興陽館)

 手塚治虫のマンガ入門書の再編集版。

 「マンガの描き方」
 「まんが専科(マンガ専科)」
 「漫画大学」

 手塚治虫 壁を超える言葉 
 明日を切り拓く手塚治虫の言葉20

 で構成されている。


2021/02/06

 「石ノ森章太郎コレクション 初期少女マンガ傑作選」(石ノ森章太郎/ちくま文庫)

 収録作品は以下のとおり。

 「青い月」 1960年 少女クラブ2月号
 「きのうはもうこない だがあすもまた…」 61年 少女クラブ正月増刊号
 「龍神沼」 1961年 少女クラブ夏休み増刊号
 「夜は千の目をもっている」 62年 少女クラブ正月増刊号
 「きりとばらとほしと」 62年 少女クラブ夏休み増刊号
 「あかんべえ天使」 63年 なかよし正月増刊号
 「MYフレンド」 67年 週刊少女フレンド第1号

 「竜神沼」「夜は千の目をもっている」は、「マンガ家入門」「続・マンガ家入門」のテキストで小学生のときからお馴染み。少女クラブに掲載されたのか。掲載雑誌が増刊号というところに、当時の石森マンガ(少女もの)の立ち位置がわかる。


2021/02/10

 「メディアの闇 「安部官邸」vsNHK 森友取材全真相」(相澤冬樹/文藝春秋)


2021/02/18

 「彼らは世界にはなればなれに立っている」(太田愛/角川書店)

 前作「天上の葦」とは別の観点から、国家によるメディア統制と権力への忖度の危険性を予見的に描いている。
 時代を超越し、まったく架空の、日本ではないどこかの国を舞台に、4つの視点で上記の問題を追及している。

     ▽

 強大な力の独占は災い以外のなにものも生まない。だが人間は富も力も分け合うことを嫌い、可能な限り仲間内で独占しようとする。なかでも最も恐ろしいのは、力を持った悪人ではなく、力を握った愚か者たちだ。彼らはつじつまの合わない未来を夢見る。そうなることがあたかも自然の摂理のように。同時に、自分たちは絶対に誇りを犯さないと信じている。だが、そのような彼らにこそ熱狂的な支持者が現れるのだ。支持者たちもまた夢見ているからだ。根拠のない誇りや、栄光や、繁栄を。誰もが自分自身を美しいと思えないからこそ、美しい者の末裔でありたいと願う。その理念が美しいものであったはずの〈あのころ〉の再来を夢見る。あまりに熱心なために、まるでその時代を体験したかのような懐しさと喪失感をともなって、過ぎ去った〈あのころ〉を目先の未来に取り戻そうとする。倒錯した、あさましい奇跡を夢見る。

     △




 前々項から続く

 主演女優の隣で映画が鑑賞できるなんて大変光栄なことだ。とはいえ、ロマンポルノとなると話は別。当然女優のヌードはでてくる、濡れ場はでてくる。照れますわなあ。男の本能が反応してしまったら恥ずかしい。
 季里子さんは言う。「何言ってるの、うちの旦那なんて私の映画全部観てくれたんだから」
 そりゃ夫婦だもん。当たり前でしょう。

 広瀬昌助さんとは、ロマンポルノデビュー作(になるのだろうか?)「ブルーレイン大阪」で共演したことで結婚したとか。83年公開の作品。高校時代から大学時代にかけて、つまり70年代後半から80年代前半、日活(途中でにっかつに社名変更)ロマンポルノの新作にはいつもアンテナを張っていたが、「ブルーレイン大阪」についてはまったく覚えていない。季里子さんとはロマンポルノ作品でお目にかかったことがない。前述のとおり、「東京幻夢」でその名前を認識したのだから。

 季里子さんはもともと地元名古屋で「中学生日記」に出演していたが、一念発起して上京、特に裸を売りにした映画で活躍しようとは思っていなかった。ある方の紹介でプロデューサーに乞われてロマンポルノへの主演を決意したと。八代亜紀の同名の歌を主題歌にした(原案なのだろうか?)「ブルーレイン大阪」は大作だったのである。ウィキペディアで調べたら「ブルーレイン大阪」と同じ年に「セーラー服百合族2」に出演している。

 思い出した。僕自身ロマンポルノに興味を失ったのが83年前後ではなかったか。代々木忠のアダルトビデオが大評判となって、キネコ化されて劇場で公開され大ヒットした。僕も足を運んで衝撃を受けた。ロマンポルノの終焉を予感したものだ。季里子さんはそんな時代にロマンポルノに登場したのだ。
 「女教師は二度犯される」は84年の作品。ロマンポルノには女教師ものというジャンルがあった。永島暎子と古尾谷雅人(まだこの芸名ではなかった)が共演した「女教師」は予備校時代に観た。ロマンポルノで初めて感銘を受けた映画だった。

 結局、一緒に観ることにした。こんな機会はもうないかもしれないもの。だいたい還暦すぎて照れや羞恥もありゃしない。12月1日の映画の日、久しぶりにシネりんの会があって、季里子さんも参加したので、劇場で待ち合わせる約束をした。シネマヴェーラの招待券が2枚あるから利用しましょ。ずいぶん前にBC二十世紀の常連客Iさんからいただいた。ところがあると思った招待券がない。すでに使ってしまったのか?
 
 約束の時間より早めに到着、チケットを購入して季里子さんを待つ。ロビーで待っていることはLINEで知らせた。時間になっても来ない。携帯が鳴った。季里子さんだった。「どこにいるの? 誰もいないんだけど」
 季里子さん、そこ3階のユーロスペースじゃないですか? シネマヴェーラは4階ですよ!
 以前、出演した2時間ドラマを観てとの連絡をもらった。「視聴率××%取ればシリーズ化されるから」
 観ますよ、観ます。観ますけど、僕が観ても視聴率に影響ないですよ。「多くの人が観れば視聴率って高くなるんじゃないの? だからみんなに連絡しているのに」
 大枠では確かにそのとおりだけど、視聴率って統計学の応用ですからね。というようなわけで、視聴率がどのように算出されるのか説明したことがある。

 「女教師は二度犯される」は監督が西村昭五郎なので期待していたところがある。ロマンポルノ第一弾、「団地妻 昼下がりの情事」の監督として有名だそうだが、個人的には「団鬼六 白衣縄地獄」「団鬼六 女教師縄地獄」で記憶している。どちらも麻吹淳子主演のSMシリーズ。そうか、後者は女教師ものの一つになるのか。同じ時期にロマンポルノで活躍していたのだ。確かおふたりは同い歳だと思う。

 さて、映画の感想。
 季里子さんは化学教師役。リケジョなのだ。冒頭で生徒相手に授業を行っていて、講義を聞きながらニヤニヤしてしまった。季里子さん、たぶん台詞の内容なんて理解していないだろうな。それからヘアスタイルがどうにもあか抜けない。眼鏡はリケジョの象徴だとしても全体の印象は野暮ったいのだ。アパートに妹と一緒に住んでいて、たまに女教師の恋人が訪ねてくる。女教師はすぐにでも結婚したい、しかし恋人にそのつもりがない。
 実は妹と恋人ができていたのである。ああ、だから女教師は野暮ったいのか。
 学校では複雑な家庭を持つ男子生徒とその友人が女教師に果てしない妄想を抱き、実行に移す。まあ、よくあるパターンの展開で可もなく不可もない出来なのだが、ラスト、上半身裸の女教師がパンスト姿で校内を走り校庭に出て、雨の中、テニスコートで男子生徒に犯されるシーンに〈くるもの〉があった。かなり衝撃的ということもあるのだが、それよりも何よりもこういうシーンの撮影でよく学校から許可が得られたものだ、と。




 これも〈2022年1月の読書その2〉にUPした書籍について。
 吉田拓郎つながりになった。意図したことではないが。

     ◇

2021/01/30

 「音楽と契約した男 瀬尾一三」(瀬尾一三/ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)

 瀬尾一三といえば、今では、中島みゆきのプロデューサー、アレンジャーとして知られている。
 70年代、僕は吉田拓郎の楽曲のアレンジャーとしてその名を知った。まだよしだたくろう表記だった時代のアルバム「 LIVE '73」の、特に「春だったね」「マークⅡ」のアレンジが大好きだった。「ひらひら」も。〈作詞:岡本おさみ、作曲:吉田拓郎、編曲:瀬尾一三〉が黄金トリオというイメージが僕にはある。

 不思議だったのはそんな瀬尾一三が上京して一緒に住んだのは赤い鳥のメンバーだったこと。赤い鳥に「旅」という曲があって、その作詞作曲は瀬尾一三だ。赤い鳥と瀬尾一三の関係がわからなかった。

 本書を読んで氷解した。
 村井邦彦が赤い鳥をプロデビューさせようと、リーダーの後藤(悦治郎)さんに会うため尼崎を訪ねたときその場にいたのである。つまりアマチュア時代は仲間だったわけで、もしかしたら赤い鳥の一員になっていたかもと書いている。ええっ! である。結成時のメンバーに松田幸一がいた(脱退後に大川茂が加入)が、瀬尾一三の可能性もあったのか。

 で、村井さんにその才能を認められて、アルファアンドアソシエイツのスタッフとしてスカウトされる。最初からスタッフ志向ではなく、上京してから村井さんの下で仕事をこなしながら編曲の勉強をしていたが、2年でアルファを退職しシンガー・ソングライターでデビューもしているのだ。

 よしだたくろうの「結婚しようよ」のアレンジは加藤和彦、かぐや姫の「神田川」は木田高介。知らなかった! 




2021/12/10

 「女教師は二度犯される」(シネマヴェーラ渋谷)

 女優、志水季里子を認識したのは「東京幻夢」という短編作品だった。ハイビジョンのデモンストレーションのために制作されたもので、監督は実相寺昭雄。クラシック音楽に彩られた実相寺風エロス+都市論(?)に夢中になった。
 かつて、実相寺監督の著書「怪獣な日々 私の円谷英二100年」(ちくま文庫)のレビューで最後にこう書いた。

     ▽
 では実相寺監督にお前は何を期待しているのかと問われれば、やっぱりクラシックとエロティシズム(SM)と東京(都市論)だろう。
 2本のアダルトビデオ『アリエッタ』『ラ・ヴァルス』の衝撃といったらなかった。江戸川乱歩の短編にSM的要素を加味した『D坂の殺人事件』は贋作作りの工程に僕の職人フェチの血が騒いだ。
 昔の想い出話に花咲かせたこの手の本をたまに上梓しながら、そんな映画を撮ってくれないかなあ、なんて夢想しているのだ。
     △
 
 こう考える原点になった作品である。
 堀内正美とともに主演していたのが志水季里子さんだった。

 参加している映画サークル「シネマDEりんりん」の懇親会でメンバーから「きりこさん」という名前が何度もでてきて、ピンときて訊ねた。「きりこさんって、もしかして志水季里子さん?」
 よくシネりんのイベントに参加しているという。驚いたことに志水さんは広瀬昌助の奥さんだった。だった、と書くのは、このとき広瀬さんがすでに亡くなっていたからだ。その後、シネりんの忘年会だか新年会で季里子さんと出会った。

 日活がロマンポルノに移行する直前に公開した青春映画「八月の濡れた砂」は中学時代気になる作品だった。高校3年のとき、秋の学祭のため、生徒会長から映画研究部の復活を依頼された。活動の目玉は学祭時の映画上映。部長になった僕は顧問の先生と話し合って「八月の濡れた砂」を上映することに。男子高校、日活作品でタイトルが「八月の濡れた砂」。ロマンポルノと勘違いした輩で図書館ホールは満杯だった。この映画に主演していたのが広瀬さんだった。
 初めて会ったとき、「東京幻夢」や「八月の濡れた砂」への思いを語った。広瀬さんの最後の出演作「ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒」についても。
 以来、季里子さんが出演する舞台や映画を観に行ったり、こちらで何か季里子さんや広瀬さんに関する情報を仕入れると連絡したり。
 素顔の季里子さんは言動がとても面白い。そんな季里子さんを知る監督が3枚めのキャラクターで起用するとこれがまるで映えないのだ。薄幸な女性、虐げられた女性を演じると様になる。不思議なものだ。

 2011年に川崎市民ミュージアムで「実相寺昭雄展」が開催された。この展示イベントの開催を教えてくれたのが季里子さんだった。ミュージアムの映像ホールで実相寺監督作品が上映され、その一つが「東京幻夢」だったからか、志水さんからチケットをもらって2週続けて通った。確か最初の上映作品が未見の「乱歩地獄」だったのでこちらは自腹で。2回めが「東京幻夢」。スクリーンで大画面で観る「東京幻夢」に感激したものだ。

 昨年1月、「オレンジロード急行」を観たとき、ラスト近くに広瀬さんがカメオ出演していたので、早速季里子さんに電話して話し込んだ。
 11月だったか、渋谷シネマヴェーラで日活ロマンポルノ特集があることを知った。上映スケジュールを確認すると、「ラブホテル」と「女教師は二度犯される」がラインナップされていた。前者は相米慎二監督の傑作、主演は速水典子で、共演が季里子さん。後者は季里子さんが主演の女教師もの。僕は知らなかったがこれは観るしかない。
 とりあえず上映情報を季里子さんにLINEした。季里子さんも観たいという。「一緒に観に行かない?」
 ええっ!

 この項続く




プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)

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