11月、12月の読書録はもう完全に備忘録そのもの。

●11月の読書録

2008/11/03

 「海坂藩大全(上)」(藤沢周平/文藝春秋)


2008/11/05

 「海坂藩大全(下)」(藤沢周平/文藝春秋)


2008/11/07

 「この落語家を聴け!」(広瀬和生/アスペクト)


2008/11/10

 「ゲゲゲの女房」(武良布枝/実業之日本社)


2008/11/11

 「お父ちゃんと私 ―水木しげるとゲゲゲの日常」(水木悦子/やのまん)


2008/11/14

 「横溝正史自選集(2) 獄門島」(横溝正史/出版芸術社)


2008/11/17

 「小津ごのみ」(中野翠/筑摩書房)


2008/11/21

 「越境者 松田優作」(松田美智子/新潮社)

 松田優作自身が昔「娘は恋人、女房は戦友」と語った元妻でノンフィクション作家の松田美智子が書いた評伝。
 「ショーケン」の中でショーケンが「あいつは俺の真似ばかりしていた」と語っていた。確かにその一面はあったかもしれないがなにもそう断定しなくてもと思ったが、本書では若き日のモノマネぶりが活写されている。別にショーケンの真似をしたと書いているわけではないが、そうだったことは容易に想像できる。はからずもショーケンの言説を証明してしまった。
 さまざまな関係者に取材しているが、優作の未亡人(松田美由紀)には直接話を聞いていない。当たり前か。しかし、監督作「ア・ホーマンス」について、途中降板した小池要之助監督をはずしてほしくなかった。TV「探偵物語」でベストスリー(と勝手に考えている)エピソードを演出した若手監督の劇場初作品ということでとても期待していたのだ。にもかかわらずがあっけなく消えてしまった。そこらへんの顛末を当事者に聞き出してもらいたかったのだが。


2008/11/24

 「モリケンのマンガの描き方教室 ―楽しく読んでマンガが描ける」(森田拳次/成美堂出版)


2008/11/26

 「たまには、時事ネタ」(斎藤美奈子/中央公論新社)


●12月の読書録

2008/12/01

 「それってどうなの主義」(斎藤美奈子/白水社)


2008/12/05

 「井上ひさし伝」(桐原良光/白水社)

 前半は井上ひさしの自伝的小説からの引用ばかり。もううんざりして読むのやめようかと思った。我慢してよかった。後半に意味がある。


2008/12/15

 「異色忠臣蔵大傑作集」(池宮彰一郎ほか/講談社文庫)


2008/12/17

 「芸人お好み弁当」(吉川潮 絵・山藤章二/講談社)

 8月に読んでいるのに、ころっと忘れて借りてきた。すぐ読めてしまうので、再読した次第。もの忘れ激しい49歳の冬……


2008/12/18

 「人生八十、寝てみて七日。―ジジィ、ババァに学んで二十五年」(毒蝮三太夫/リヨン社)


2008/12/19

 『「モンスター新聞」が日本を滅ぼす』(高山正之/PHP研究所)

 アンチ自虐史観派ではあるが、ここまでになると逆に眉唾って感じにならないか?


2008/12/23

 「〈後期高齢者〉の生活と意見」(小林信彦/文春文庫)

          * * *

 今年は、7月の「歩いても 歩いても」以降、夕景にレビューをUPするのをやめていた。再開しようとこちらに〈遅れに遅れた映画レビュー、シリーズ……第1弾!〉として「インクレディブル・ハルク」を書いたが、第2弾は叶わなかった。これもきちんと感想を記しておきたいのだが、とりあえず。
 ……少ないなあ。

2008/07/10

 「歩いても 歩いても」(新宿武蔵野館)

 本日夕景にUP。


2008/07/20

 「クライマーズ・ハイ」(MOVIX川口)


2008/07/31

 「細雪」&「幸福」(新文芸坐)


2008/08/23

 「怪奇劇場Ⅳ」(シネマボカン)


2008/08/31

 「デトロイト・メタル・シティ」(新宿ジョイシネマ)

2008/09/09

 「ぐるりのこと。」(新宿武蔵野館)


2008/09/28

 「20世紀少年」(新宿コマ東宝)


2008/10/08

 「窓辺のほんきーとんく」(シネマロサ)


2008/11/10

 「イントゥ・ザ・ワイルド」(新宿武蔵野館)


2008/11/14

「映画日和」上映会(シネマボカン)


2008/12/01

 「その木戸を通って」(丸の内TOEI2)


2008/12/06

 「D-WARS」(スバル座)


2008/12/22

 「さよならの夜明け」(原宿キネアティック)


2008/12/30

 「シャイン・ザ・ライト」(新宿武蔵野館)

 この人たちはいったい何歳なんだ? 腹がでていない、いや贅肉すらついていない。髪はふさふさ。華麗な動き。まあ、顔には皺がきざまれているが、それだって、魅力の一つだもの。
 はっきりいって、ギターテクニックはドンジャン・ロックンロール・バンドの速水さんや石間さんの方がすごいけど(前日「ドンジャンライブ」聴きまくっていた)、まったく年齢を感じさせないヴォーカル、プレイ、ステージングの迫力に圧倒された。何の曲だか覚えていないが、終わってから、ドラムスのワッツが後ろを振り向き、カメラにむかって吐息(?)する姿に大笑い。この人だけだよ、きちんと年齢を重ねているのは。
 ミック・ジャガーが舞台狭しと踊りながらステージを駈けずりまわる姿に涙がでてきた。そういう意味で泣ける映画だった。まったく個人的な嗜好であるが。「Start Me Up」なんて号泣だった。(「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」参照
 マーティン・スコセッシ監督に言いたい。日本にはショーケンの「アンドレ・マルロー・ライブ」があるぜ! しかし、ビデオなんだ。この映画はフィルム撮影。ホント、どうやって編集したのだろうか?
 
          * * * 

 7月からおつきあいいただきありがとうございました。
 来年は、これまでの10年のまとめというか、これからの10年のスタートというか、そんな1年にしようと思っています。
 どうぞよろしくお願いいたします。

 良いお年を!



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 PCの故障で、これまたずいぶんと遅くなってしまったが、読書録をUPする。
 まずは10月……


2008/10/02

 「東宝砧撮影所物語 【三船敏郎の時代】」(高瀬昌弘/東宝株式会社)


2008/10/04

 「旧怪談 耳袋より」(京極夏彦/メディアファクトリー)

 〈旧〉は〈ふるい〉と読ませる。耳袋ってこういう話だったのか。


2008/10/07

 「真夜中のマーチ」(奥田英朗/集英社)

 同世代の作家で新作が上梓されるたびに読んでいるといえば、一人が貴志祐介、もう一人が奥田英朗だ。本の購入までに至らないから(図書館で借りる)ファンといえるかどうか。
 リアリティを無視して展開の面白さを追及したような小説だ。
 イベント会社のチンピラ青年社長と財閥系商社の落ちこぼれ社員が、金の亡者である父に反発した謎の美女が計画する10億円強奪計画に加担する話。前半は、そうなってほしくない方向に話がころがって、興味をそそる。
 映画に向いている素材だなと思ったら、WOWOWで映像化されていた。


2008/10/08

 「メディアの迷走 朝日・NHK論争事件」(保阪正康ほか ラクレ編集部 編/中公新書)


2008/10/10

 「ハリウッドはなぜ強いか」(赤木昭夫/ちくま新書)


2008/10/14

 「横溝正史読本」(小林信彦 編/角川文庫)

 単行本はかつて図書館から借りて読んでいる。さすが、小林さん!と喝采を送りたくなるようなインタビューだった。ちょうど世の中が横溝ブームに沸き立つ寸前、松竹が渥美清を金田一にして映画化している最中。角川書店は、この映画の封切に合わせて、「横溝正史フェア」を開催する予定だった。ところが、映画の完成が遅れたために、角川春樹(当時の角川書店社長)は自身で制作会社(角川春樹事務所)を設立して「犬神家の一族」をプロデュースするのだ。監督が市川崑。映画「犬神家の一族」は大ヒットして、横溝ブームも頂点を極め、〈金田一もの〉は東宝でシリーズ化される。角川映画も何作か手がけている。
 対談中の小林信彦の姿(写真が掲載されている)、まさにあの時代(70年代中期)の容貌をしている。ついこの間のような気もするが。


 「昭和特撮大全 蘇る伝説のヒーローたち」(岩佐陽一/三才ブックス)

 TVの黎明期、「月光仮面」を代表とする宣弘社制作の一連のヒーロー番組に関する記載と写真に意味があるものの、昭和40年代以降(「ウルトラマン」「仮面ライダー」等)は何を今更という気がしてならない。誰を対象に書かれたものなのか。あくまでも子ども時代に特撮ヒーロー番組に夢中になって、やがて卒業していった40代の男性だろうか。
 たとえば、「シルバー仮面」について、内容が大人向けの高尚なものだから子どもたちがついていけず視聴率が伸びなかった、テコ入れのため巨大化(「シルバー仮面ジャイアント」)させたものの、結局2クールで終了してしまったとある。裏番組の円谷プロ制作「ミラーマン」の存在なんてまるで触れられていない。
 何かというと昔の作品はよかった、今の作品は屑だと書くが、本当にそうか?
 書名と表紙に興味をそそられるが、全体的に薄っぺらい印象。〈川内康範と月光仮面〉あるいは〈宣弘社とテレビ映画〉をテーマにして全体を構成した方が面白いのに。


2008/10/16

 「笑いの現場 ひょうきん族前夜からM-1まで」(ラサール石井/角川SSC新書)

 本書の元になった「笑うとは何事だ」は読んでいる。現役芸人による〈お笑い〉の評論が興味深かった。当時、週刊文春に連載していた小林信彦の書評コラムには笑ってしまった。そういう自分はどうなんだ、と書かれていたからだ。
 この新書のために書かれたM-1についての項に唸らされる。


2008/10/19

 「隠し剣 孤影抄」(藤沢周平/文藝春秋)

 映画化された「隠し剣鬼の爪」所収。
 短編の場合、一人称であれ、三人称であれ、登場人物の誰か一人の視点で描かれることが多い。この短編集には途中で視点が変化するものがある。視点の変化だけでなく、展開も大きく変わっていく。主に悲劇に見られる。


2008/10/22

 「常識はウソだらけ」(日垣隆/WAC)

 会社の健康診断で引っかかってもあまり気にしない方がよい。
 

2008/10/27

 「言論統制列島 誰もいわなかった右翼と左翼」(鈴木邦夫・森達也・斉藤貴男/講談社)


2008/10/29

 「と学会年鑑ORANGE」(と学会/楽工社)





 12月の落語会、その2。


2008/12/15

 「談四楼独演会 第161回」(北澤八幡神社 参集殿)

 着いたのは19時。師匠の一席めにどうにか間に合った。


 立川春太「?」
 立川こはる「?」
 立川三四楼「?」
 立川平林「?」
 立川談四楼「天狗裁き」

 〈仲入り〉

 櫻川七好「幇間芸」
 立川談四楼「ねずみ穴」


 春太さん、相変わらず聴けないなあ。
 新二つ目シリーズは平林さんをもっておしまい。総勢9名を1年半かけて紹介してきたわけだが、次回からどうなるのだろう? また前座3人に戻るのか、以前のように開演も15分遅くなるのかな。

 ゲストは幇間の櫻川七好さん。幇間は「ほうかん」と読むが、たいこ(たいこもち)ともいう。落語には「鰻の幇間」というネタがある。お座敷に呼ばれて、いろいろな芸で呑みの席を盛り上げる役。いわゆる男芸者のこと。今、日本には4人しかいないのだそうだ。ほとんど絶滅危惧種の体。
 芸者に縁のない男には、幇間なんてあくまでもTVや映画の中に登場する人でしかない。であるからして、幇間芸を生で観られることに感謝したい。幇間芸というとふすまを利用した一人二役(正式な名称は知らない)を思い浮かべるが、さっそく披露してくれた。大感激。十代と八十代の女性が、お参りに行く(だったっけ?)様子なんて、ああなるほどと感心する。

 師匠は、夢オチの噺を二つ。この時期、二席めは「芝浜」や「文七元結」が定番なのだが、どこででもやっている、はっきりいって飽きた、もっとうまい人がいるのでどうぞそっちで聴いてください、とのことで、短いマクラのあと「ねずみ穴」に入る。ブラック大魔王がゲストのとき に初めて聴いた。このときはは完全に世界に入り込んでしまった。とんでもなく悲惨な話なのである。
 ある店の主人。もらい火で店が焼けた。命より大事な蔵も焼けた。3つの蔵が全部。使用人が去った。女房が病気になった。金が必要だ。兄に借金を申し込んだ。断わられた。娘を吉原に売って50両を手に入れた。家に帰る途中何者かにすられた。
 いったいどんな風に噺が終結するのか、気が気でなかった。夢だとわかったときの安堵といったら、あなた……





 遅ればせながら、12月の落語会について。


2008/12/14

 「しまや寄席 立川流特選会」(館林 三の丸芸術ホール)

 この落語会を知ってから3回目の鑑賞。昨年は一人だったが、今年は地元(太田)の友人を誘った。僕同様、談四楼師匠は高校の先輩になる。入学試験の成績が315人中315番。これを言うと「そういうお前は、高校1年の数学の試験で100点満点の6点だったじゃないか」と反撃される。
 昨年は翌日有休をとり、駅前のホテルに泊まった。今年は友人宅。経費削減ってやつね。友人は生の落語は初めてとのこと。

 立川志の吉「看板のピン」
 立川談四楼「浜野矩随」

 〈仲入り〉

 立川談慶「片棒」
 立川談志「へっつい幽霊」

 志の吉さんは初めて。志の輔師匠の弟子だとか。マクラに大笑いした。館林(及び三の丸芸術ホール)の印象を語ったのだが、曰く、「(館林が東京から)遠いんだか近いんだか」「(駅前の商店街が)営業しているんだかしていないんだか」「(ホールまでが)駅から近いんだか遠いんだか」「(ホールが)大きいんだか小さいんだか」。的を射た感想で、要はどれも中途半端ということなのだ。
 3年前、久しぶりに(というか、ほとんど初めて)駅に降りて、その静けさに愕然とした。とにかく、駅前に喫茶店、カフェの類がないのがつらい。時間がつぶせないのである。いや、一軒だけあるのだがすごく入りづらい。
 隣の友人、「この噺、時そばみたいだね」

 談四楼師匠は十八番の「浜野矩随」。雑誌界のスクリーミング・マッド・ジョージこと広瀬和生氏の著書「この落語家を聴け! いま、観ておきたい噺家51人」(アスペクト)で絶賛されたネタだ。広瀬氏はヘビメタ雑誌「BURRN!」の編集長。落語が大好きで、年間1500席以上の高座を観ている見巧者。スクリーミング・マッド・ジョージはハリウッドでも活躍する特殊メイク・アーティスト。広瀬さん、師匠の独演会で最初に見かけたとき、その風貌から、マジでスクリーミング・マッド・ジョージか!と思ってしまったもので。
 隣の友人、「談四楼さんって人情噺が得意なの?」

 3年前、立川流のつんくだ、なんて個人的に喜んでいた談慶さん、今年、真打になられたんですね。改めて談慶師匠!
 隣の友人、何か言ったと思うが忘れた。

 6月の「親子会」ではまったく声が出ず、それでも小咄特集で高座をつとめた家元だった。あれから半年が経過した。営業的な問題で、出演にはなっているけど、当日、急遽キャンセルなんてことになるのでは? 出演はするものの、あくまでも顔見世、トリは談四楼師匠にまかせてしまうのではないか?
 杞憂だった。いつもの小咄連打の後、しっかりと「へっつい幽霊」。これは貴重だ。
 友人も満足したみたい。これまでの印象がずいぶん変わったと感心していた。「お客さんを大事にする噺家さんだね」




 TVドラマをシナリオライターで観るようになったのは倉本聰が最初だった。特撮、アニメといった子ども番組だけでなく大人向けのドラマにも興味が拡大していった小学生の高学年のころ、面白いと思ったドラマは皆倉本聰の作だった。その後、山田太一を知る。思えば70年代は倉本聰と山田太一の時代だった。夢中になって追いかけた。そこらへんのことは「愚者の旅 わがドラマ放浪」(倉本聰/理論社) のレビューに記しているのでここでは省く。

 数年前、松田彰監督の自主映画「鍋の中」のラストに衝撃を受けた。恐怖と笑いが混在していたのだ。怖さが笑いに転換する、あるいはその逆、というのではない。同時に存在しているところが斬新だと思った。同じようなテイストは水戸ひねき監督「森のボンジュール」でも感じ、もしかして、今後のホラー映画の方向性を暗示しているのではとも考えたことがある。

 恐怖と笑いは紙一重とは昔から言われることだ。では、笑いと涙ではどうだろう? もちろん、大いに笑って最後に涙、という展開は昔からある。日本人が一番好きな展開だ。言いたいのは笑いと涙が同時に存在するテイストのこと。
 談四楼師匠の「一回こっくり」(新潮社)の第一章ラストは、悲しさとおかしさが介在していて、瞠目した。同じような感覚になったのが「風のガーデン」第8話、主人公の貞美(中井貴一)の生前葬のシークエンスだった。

 久しぶりに故郷に帰ってきた貞美の歓迎会を同級生たちは企画する。それが同級生の一人である住職の寺を会場にした生前葬だった。貞美が癌で余命いくばくもないなんてことは知らないからできる冗談イベント。
 喪服で集まった同級生たちは、貞美を前に、弔辞を述べ、昔の悪事(主に性体験)を暴露していく。貞美はその都度言い訳して、司会に「死人はしゃべらない」と止められる。もう青くなったり赤くなったり。しばし爆笑の連鎖反応。

 が、視聴者としては、貞美の病状を知っているわけだから、その後を考えると笑ってばかりもいられない。事実を知った後の同級生たちの後悔と嘆きが聞こえてくる。貞美の気持ちを考えると、手荒い歓迎会を催してくれたことに対して本当に感謝しているだろうし、でも、そんな同級生たちともうすぐ別れなければならない。これが本当の生前葬だよなあ。つらいなあ。とはいえ、生きているうちに友だちの弔辞が聞けるのも悪くない。始終笑いに包まれた、主役が実際に見学できる葬式も素敵ではないか。さまざまな思いが脳裏をよぎり、目頭が熱くなっていく。倉本ドラマをリアルタイムで観てきて(「北の国から」以降は心もとないが)、初めて味わう感覚だった。

 【追記】

 後番組が山田太一、これまた最後の連続ドラマだという。観ないわけにはいかないではないか! 「北の国から」「思い出づくり」の時代も、こうやって1シーズンずらしてくれていたらよかったのに。


 この項続く



 「七瀬ふたたび」

 少年ドラマシリーズで多岐川裕美が演じていたヒロイン七瀬役は蓮佛美沙子。今年公開された大林宣彦監督「転校生 さよならあなた」の主演女優だ。
 セルフリメイクの「転校生 さよならあなた」は劇場で見逃してDVDで鑑賞したのだが、リメイクの意味を感じた。オリジナルに感銘を受けた者には後半ショッキングな展開になるのだが、小林聡美、尾美としのりに負けないフレッシュなコンビ(蓮佛美沙子、森田直幸)に瞠目した。
 さて、「七瀬ふたたび」。七瀬を一員とする超能力者グループの、超能力者をこの世から抹殺しようとする謎の組織との戦いを描くSF小説のドラマ化だ。七瀬三部作と呼ばれるシリーズの第2作。
 ちなみにこの三部作、3作とも全くタッチが違う。第1作「家族八景」は、まるで「家政婦が見た」のような物語なのだ。人の心が読める家政婦七瀬を通してそれぞれの家族の本性をあぶりだす。七瀬がテレパスというSFの設定はあくまでも隠し味。それが「七瀬ふたたび」になると一転完全SFになる。第3作「エディプスの恋人」は話が神の領域までいってしまい、ある種哲学になってしまったような感覚だった。

 ドラマ「七瀬ふたたび」の話だった。
 さまざまな超能力者が登場するのだから、当然ヒロイングループに時間跳躍者がいる。「タイム・トラベラー」(「時をかける少女」)に大きな影響を受けて、中学時代に「明日を知る少年」という8ミリ映画を撮った者としては、なぜ役名が芳山じゃないんだ!と文庫本に突っ込んだものだ。今回のドラマ化ではその役を水野美紀が演じていて歓喜した。それも白衣姿の水野美紀だよ! 詳しくは夕景工房の「天使の囀り」レビューを。

 NHKには「少年ドラマシリーズの夢よふたたび」と願っているスタッフが多いらしい。90年代になってから、その路線を狙ったドラマが何本か制作された。ところが、これが、いまいち話題を呼ばない。
「何がいけないのか?」
 これまでは本当の少年少女を対象に18時台、19時台の30分番組だった。
「あっ、そうか!」
 ハタと気がついたのだろう、昔の少年ドラマ世代こそが真の視聴者だと。で、20時台の45分枠ドラマで復活を果たした、のではないか?

 批判したいことはあるが、きちんとSFドラマを構築したスタッフに敬意を表したい。

 この項続く


          * * *

 修理に出していたPCが帰ってきました。
 PCが故障したときに、すばやくクイック診断して、対応をとっていたら11月中旬には修理が終わっていたんでしょう。しかし、あのときの落ち込みようは尋常ではなかったので、できなかった相談でして。
 それに、PCがない生活もそれはそれで新鮮です。
 復帰よろしくお願いします!




 10月から始まった新番組に、気になるドラマがけっこうあった。

  水曜日 21:00~ テレビ朝日「相棒 Season7」
  木曜日 20:00~ NHK「七瀬ふたたび」
         22:00~ フジテレビ「風のガーデン」
  金曜日 22:00~ TBS「流星の絆」        

 もうずいぶんと、単発以外の、いわゆる連続ドラマと呼ばれる類のものを観なくなった。にもかかわらず、今シーズンは水曜日から金曜日まで連チャンである。20時、21時の番組は朝ビデオ録画するほどだ。こういうことは珍しい。

 「七瀬ふたたび」は、かつての少年ドラマシリーズ(の末期)のリメイク(原作は筒井康隆)。中学、高校時代、少年ドラマシリーズはとんど観ていたファンにとって、内容の出来に関係なく要チェックだろう。
 「風のガーデン」は倉本聰最後の連続ドラマということで興味を持った。緒形拳の遺作になったこともチャンネルを合わせる結果となった。
 「流星の絆」は、東野圭吾原作、宮藤官九郎脚本なので、当然チェックすべきドラマではあった。が、ミステリはまず活字、が僕のポリシーなので大いに迷った。で、初回パスしてしまった。まあ、映画化作品を先に観てしまった「チーム・パチスタの栄光」もいまだ原作読んでいないし、「流星の絆」だって、図書館で借りるには、かなり忍耐が必要な気がするので、ドラマが先でもいいのだが、たまたま金曜22時にTVの前にいなかっただけだ。しかし、確か、土曜日だったと思うが、すぐに再放送(番宣?)があって、シリアスな原作を、コミカルタッチにしたドラマに夢中になってしまった。やはりクドカン、「嫌われ松子の一生」の影響大?

 そんなドラマが「相棒」を除いて今月で終了する。
 先週、「七瀬ふたたび」が最終回を迎えた。昨日は「風のガーデン」、そして今日が「流星の絆」。
 それぞれ感想を書いてみよう。

 この項続く



 PCが故障して一番心配していたのが、ハードディスクの損傷だった。
 実は、来年の完成を目指し、2冊の本を作ろうとしている。本当は昨年、遅くても今年中に完成させる予定だったのだが、まあ、それはともかく。
 その1冊「1978 僕たちの赤い鳥ものがたり」訂正版の版下(WORD)がハードディスクに保存されているのだ。旧版はUSBメモリーにあるのだが、訂正版に取り掛かってから、一々USBメモリーを装着するのが面倒なので、ハードディスクにコピーした次第。
 HP「夕景工房」に掲載している小説・のようなもの「1978 ぼくたちの〈赤い鳥〉物語」に大幅な加筆訂正を施していた。
 ハードディスクがオシャカになると、これまでの苦労が水のアワワになる。メーカーに確認すると、ハードディスクが損傷するとデータは取り出せない、修理に出せば初期化されると。これで一気に脱力。クィック診断する気力もなくしてしまった。ハードディスクへの損傷はなかったので、とりあえず、マイドキュメントのものは、DVDに焼いてもらって手元にもどってきた。

 本を作るといっても、自費出版なんていうほどの大袈裟なものではない。もう一冊は、サブカルポップマガジン「まぐま」に連載したコラム等を集めてPB(プライベートブック)シリーズにする予定だが、「1978 僕たちの赤い鳥ものがたり」は個人本という感じで、限定50部くらいにして、興味ある人だけに読んでもらうつもり。
 HP「夕景工房」掲載版は、大学受験に失敗して東京の予備校に通う主人公の予備校時代の毎日を綴った日記(これが男女5人グループの恋愛騒動になっている)の間に、赤い鳥についての論考「赤い鳥について知っている二三の事柄」を挿入しているが、本にするにあたって、70年代フォーク考や新たな赤い鳥論を追加する予定だ。「赤い鳥について知っている二三の事柄」にも少々加筆している。  
 加筆の一つは、後藤(悦治郎)さんの作詞作曲の「もう一度帰ろう」への言及だ。赤い鳥のラストシングルのB面に収録されているのが興味深い。

  もう一度帰ろうか
  ぼくはぼくの町へ
  もう一度帰ろうか
  きみはきみの町へ

  いつか二人ほほよせあって
  風にゆれた丘に
  今日はやってきたよ

  夕焼け空の下に
  さよならをつげた町が
  なぜか今日はやさしく
  ぼくをよぶ

 〈ぼく〉を僕たち、〈きみ〉を君たちにすると、詞の内容に、別の意味合いが生じてきて、ある種のメッセージ・ソングになる、というのが僕の説。赤い鳥解散後、紙ふうせんとして活動を始める後藤さん(と平山さん)の、ハイ・ファイ・セットの3人への最後の挨拶というか、決別宣言というか。そんな気持ちを、ふたりの男女に託して表現したと思えてくるのだ。
 後藤さんに言わせると「そんなこと考えて作ったわけではない」のだが……。

 この歌のリードヴォーカルは後藤さん。ライブアルバム「ミリオンピープル」の後半で、観客を2声に分けて後藤さんの指導よろしく合唱する。単純な詞、素朴なメロディ。まさにフォークソングといった楽曲で、一度聴くと口ずさみたくなること間違いない。
 とにかく後藤さんと観客のやりとりは必聴。
「興奮した方はステージに上がってきてください、すぐに蹴り落としますから!」 



プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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