2015/09/27

 「ALFA MUSIC LIVE」(渋谷Bunkamuraオーチャードホール)

 その3から続く

●雪村いづみ(プレゼンター:服部克久)

 服部克久が名アレンジャーであることを認識したのは紙ふうせんのファーストアルバム「またふたりになったね」だった。とてもシンプルで素朴な編曲なのだが、逆にそこが琴線に触れる。何度も聴いているとその良さがわかるというもの。
 ハイ・ファイ・セットのファーストアルバムも手がけていたのか。
 70年代はフジテレビ「ミュージック・フェア」をよく観た。演歌も聞けた。編曲担当の服部克久と前田憲男の功績だろう。

 挨拶の冒頭で久しぶりに会って誰だかわからなかった人って後藤さんのことだろうか。まあ、いいや。
 スーパー・ジェネレーションと言うので「ああ、あのライブアルバムか」と思った。東芝EMI所属のアーティストが多数出演して、その中に赤い鳥がいた……違った。あれはラブ・ジェネレーションだった。
 雪村いずみが服部良一の名曲の数々をキャラメル・ママ(松任谷正隆、鈴木茂、細野晴臣、林立夫)の演奏でレコーディングしたアルバム「スーパー・ジェネレイション」。1974年にコロムビアレコードからリリースされている。このアルバムのことは全然知らなかったが、アレンジが服部克久なのだろう。
 これまでキャラメル・ママとティン・パン・アレーの関係がわからず、今回初めてネットで調べてみた。同じなのか。
 今宵はティン・パン・アレーをバックに雪村いずみが熱唱したのだが、年齢を感じさせない歌声の迫力は紙ふうせん、合田道人と共演している「青春の歌声コンサート」でお馴染みだ。
 最後、バックの演奏と合わず、「間違えちゃったよ」と舌をだしたのはかわいかった。

  蘇州夜曲/東京ブギウギ



●荒井由実(プレゼンター:野宮真貴)

 野宮真貴って誰? ピチカート・ファイブのヴォーカル。ピチカート・ファイブの名前、聞いたこと(目にしたこと)はあるけれど、ごめんなさい、よく知りません。

 ティン・パン・アレーを従えて登場したユーミンは黒のパンツスーツ、黒のハット。プレゼンターのときとはまるで印象が違う。ちなみにこのあとも何度か舞台に出てくるのだが、そのたびに衣装が違うのだから、さすがアルファを代表する歌姫!

 中学時代バンドを作って六文銭や岡林信康を盛んにコピーしていた友人(この友人が自宅で赤い鳥の「スタジオライブ」を聴かせてくれた)がよく言っていたのが、「荒井由実はファーストアルバム『ひこうき雲』が一番良かった」
 恥ずかしい話だが、僕はきちんと「ひこうき雲」を聴いたことがなかった。だから宮崎駿監督の「風立ちぬ」の主題歌はとても新鮮だった。その後YouTube でよく聴くようになるのだが、ラストのベース音が赤い鳥だった。「書簡集」にこんな音があったなあ、と。
 大学時代、クラスメートが運転するクルマで夜中にドライブしたことがある。中央高速を走って、本当に左右に競馬場とビール工場が見えて感激した。
 今年になって日刊ゲンダイだったか、声の衰えを指摘した記事を読んだことがある。全然そんなことはなかった。

  ひこうき雲/中央フリーウェイ


●小坂忠(プレゼンター:細野晴臣)

 プレゼンターの細野晴臣の経歴がすごいと思う。70年代ははっぴいえんど、キャラメル・ママ(ティン・パン・アレー)で活躍、ソロ活動のあとイエロー・マジック・オーケストラで世界に進出するのだ。
 ハイ・ファイ・セットの名付け親でもある。

 小坂忠と細野晴臣は、その昔、バンドを組んでいたという。はっぴいえんどの前のことである。バンド解散後、小坂忠はミュージカル「ヘアー」に出演する。アルファと「ヘアー」とは何か関係があるのだろうか。
 その後、ティン・パン・アレーの演奏でアルバムを制作。確かに小坂忠を紹介するのは細野晴臣がふさわしい。

  ほうろう/機関車


 続いて登場したのは桑原茂一。プレゼンターとしてアーティストを紹介するのではなく、スネークマンショーの思い出話をするために。
 そこで初めて気がつく。スネークマンショーってアルファだったのか! TBSラジオの番組はよく聴いていた。出演は小林克也と伊武雅之と名乗っていた伊武雅刀。とんでもなく面白かった、という記憶ある。
 ある種の冗談音楽だったのだろうか。
 で、もしかして「タモリの戦後日本歌謡史」もアルファだったのかと疑問が生じて、調べてみたらやはりそうだった。
 著作権の関係でアルバム発売が中止になって、中止になったことに対して有識者からかなり批判があった。ただ一人(でもないだろうが)、小林信彦が「つまらないものはつまらない!」と「タモリの戦後日本歌謡史」を持ち上げる風潮を批判していた。
 僕自身はラジオで歌のいくつかを聴いて大笑いしていた。
 そうか、アルファレコードだったのか。
 なぜか、ダウンタウンのコント番組に喜々として出演した坂本龍一の顔が思い浮かんだ。


 この項続く




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No title
WOWOWでの放送は今日でしたか?もうそろそろですよね!
ジンギスカン さん
7日です。
準備万端ですよ。
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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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