7日(土)、8日(日)の両日、第7回船堀映画祭が開催された。盛況だった。
 
 過去2回、お客さんとして好きな映画を観賞して打ち上げにも参加させてもらったが、スタッフになると映画祭で上映される作品の見方が変わってくる。単なる客なら映画が観られればそれでよかった。スタッフになるとまず集客を考えてしまう。お客さんは気持ちよく映画を観てくれただろうか、喜んでくれただろうか、なんて考えてしまう。何より映画が観られない。当たり前だけど。
 とにかく疲れた。ただその疲れが心地よく、打ち上げでは旨いビールが飲めた。

 6日(金)、会場のセッティングを19時から手伝う。仕事を終えてから駆けつけると19時になると伝えると、もうほとんど終わっているということだった。だったら、第1回神楽坂本のり寄席に足を運べばよかったかと少し後悔。「いつも心に立川談志」(写真・橘蓮二、文・立川談四楼)の出版を記念して、出版クラブ会館にてスライド上映+朗読+落語会が開催されたのである。
 しかし、実際にタワーホール船堀に伺うと、かなりの仕事が待っていた。午前様の帰宅。

 7日(初日)は8時30分集合。
 僕の担当はゲスト対応サブというもので、地下のシネパル1映画上映時のトークショーの音響まわりのもろもろを請負った。

 「あん」(河瀬直美監督)初日のゲストは、原作者のドリアン助川氏。上映後にトークを行ったのだが、とても饒舌な方だった。それで「あん」は単なる餡作りの物語でないことを知った。主人公(樹木希林)は元ハンセン病患者なのである。

 「おかしな奴」(沢島忠監督)のゲストは、三遊亭歌笑師匠と沢島忠監督。上映前に、二人が続けて登壇し、先代(映画の主人公)の思い出、映画制作時のエピソードを語った。
 歌笑師匠、先代に似ていると思ったら、甥っ子なのであった。
 沢島監督は今年89歳。そんな高齢であるが、びっしり書き込んだ200字詰め原稿用紙を演台に置いて直立不動で読み上げた。監督、忠臣蔵の新作を撮りたいとのこと。
 ずいぶん前から観たかった映画なので、トーク終了後、後方の客席に座って観賞。主演の渥美清が「アラビアのロレンスみたいな歌笑だろう?」と小林信彦に確認したという作品。確かに映画だけの印象だと歌笑が立派すぎるかもしれない。そこはほら、「昭和の爆笑王 三遊亭歌笑」(岡本和明)を読んでいるからきちんと補完している。劇場で観賞できたことを感謝したい。

 夜は近くの庄やにて打ち上げ。スタッフ以外の方たち(お客さん)も多数参加して、遅れていったら座敷の方は満杯だった。別会場(5F小ホール)で上映された新作「サクラ花 ー桜花最期の特攻ー』」(松村克弥監督)関係者、ゲストの大和田健介氏(主演)、保護者として(?)大和田伸也氏も参加されていて大いに盛り上がっていた。
 僕ら4人はカウンターにて乾杯。

 Iさんとはるばる九州は佐賀県から来たI氏(古湯映画祭)と3人で「健康ランド まねきの湯」で一泊。

 8日(2日目)も8時30分に集合。「あん」の当日券を求めるお客さんの列ができていた。
 ゲストは樹木希林さんで、1回目の上映後、及び2回目の上映前に植草さん(元キネマ旬報編集長)とトークショーを行った。前売券は発売後数時間で売り切れたとか。

 その最初のトークショーで事件が起きた。途中でマイクが入らなくなったのだ。
 担当とはいえ、機械に関してはめっぽう弱い。音響の業者から一式を借りて搬入、セッティング時に電源の入切、マイクの音量調整は教わったが、そのほかについてわかるはずがない。何度か電源を切り、入れるを繰り返し、最終的にはコンセントを抜いて入れてとやったら、何とか音がでるようになった。
 この騒動で一気に疲れがやってきた。
 
 「あん」もすべて観た。公開時に劇場に足を運ばなかったことが悔やまれる。観ようと思っていたのに。
 静かな映画である。涙があふれ、鼻の奥がつんとくる映画でもある。とはいえ、ことさら涙を誘うような内容ではない。リアリズムに基づく演技、カメラワークは好感がもてる。
 樹木希林の演技が圧巻。「歩いても歩いても」に続いてやられた。もちろん、永瀬正敏、内田伽羅にも。
 原作本を購入。だったら、昨日、ドリアンさんがいるときに買えばよかった。サインがもらえたのに。

 「吹けば飛ぶよな男だが」も観たかったのだが、時間が合わなかった。
 「マダム・イン・ニューヨーク」「グランド・ブタペスト・ホテル」はDVDで押えるつもり。

 打ち上げは同じ建物の2階にて立食パーティー。小ホールで上映された「ゆずり葉の頃」(中みね子監督)ゲストの中監督(岡本喜八夫人)、お孫さん、シネりん枠で上映されたドキュメンタリー「かみさまとのやくそく」(荻久保則男監督)ゲストの荻久保監督がフィーチャーされた。
 若い頃の藤真奈美に似た女性がいて少し話をした。彼女、子どもがまさに胎内記憶を持っていて、そのエピソードを披露してくれたのだが、驚愕事実に目がテンになった。

 21時30分で終了すると、アルコール組とノンアルコール組に分かれてそれぞれ2次会へ。僕はノンアルコール組へ合流。近くのガストで1時間ほど。
 シネりん代表代行のS女史の旦那さんはアメリカ人なのだが、今日はお兄さんのIさんが若いフィルムメーカー志望のアメリカ人(男性)を連れてきたから、英語、スペイン語、中国語が飛び交うにぎやかな2次会になった。

 船堀映画祭は来年から船堀国際映画祭だ!


FFF




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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