毎日が訃報ばかり……
 少し大仰かもしれないがそんな感じがしてしょうがない。

 先週、テレビ朝日「報道ステーション」で川崎敬三が亡くなっていることを知った。そういえばもうずいぶん長いことTVその他で見かけなくなっていた。江利チエミ主演のTVドラマ「サザエさん」ではマスオさんを演じていて、個人的にはこの印象が強い。アフタヌーンショーの司会を長いこと担当するまでは。
 82歳。父親より1歳上なのか。

 原節子の死去は、「えっ、まだ生きていたのか」と逆に驚いた。リアルタイムを知らない、黒澤映画や小津映画で観るだけ……、僕にとって本当に伝説の女優だったのだ。

 訃報ばかりでいい加減にしてくれと言いたいが、それが時の流れというものだろう。

 何度も書いているが、自分自身がもう56歳になっているのだから、10代のころに活躍した有名人、著名人が亡くなるのは自然の理なのはわかっている。いくら長寿の国とはいえ、80歳を超えればいつお迎えがきてもおかしくはない。

 わかってはいるつもりだったが、水木しげるの訃報には驚いた。93歳。100歳まで元気なような気がしていたからだ。やはり、ビッグコミックの連載が終了したのは体調がすぐれなかったのか。

 最初はTV映画の原作でその名前を覚えたと思う。「悪魔くん」「河童の三平」。モノクロのTVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に夢中になった。けっこう怖かった。「ゲゲゲの鬼太郎」は新シリーズになるにつれ、仲間が増え明るくなっていく。第一シリーズを知っているとそれがどうにも違和感があって仕方なかった。

 実際の水木マンガにハマるのは高校時代だ。短編集がお気に入りだった。サンコミックス「日本奇人伝」は何度も読み返した。
 十代のころ、自分なりに妖怪がたくさん登場する8㎜映画を企画した。妖怪のスケッチを何枚も描いた。
 鬼太郎の世界を、いわゆるヒーローものではなく、幽玄の世界に住む不思議な住人たちの話を映像化できないか夢想したものだ。主人公は人間と妖怪の間に生まれた男〈やどろく〉。すべてを望遠レンズで撮れば、距離感のない世界ができあがるなあ、なんて。

 水木先生、長い間、楽しませていただきありがとうございました。



MIZUKISHIGERHON
今秋、古書店で購入した短編集
「幻想世界への旅」(ちくま文庫)


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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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