12月29日(火)は会社の最終日。お昼で終わるので、その後は有楽町で映画鑑賞と決めている。
 この会社に出向したのは2012年の4月から。

 2012年「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」
 2013年「ゼロ・グラビティ」
 2014年「世襲戦隊カゾクマン」(これは赤坂で芝居だった)

 2015年は丸の内ピカデリー3で「母と暮せば」を観た。
 久しぶりの山田洋次監督作品。

 吉永小百合はいつまで女を演じるのか。そんな文章を書こうと思ってかなり年月が経つ。
 現役(?)の女性を演じるために相手役をつとめる俳優が徐々に若くなっていく。ええ加減にせぇよと思っていたら「母と暮せば」の企画。これは観なければ。

 この映画については、キネマ旬報で志らくさんが感想を書いていた。志らくさんの場合、山田監督と大林監督のつきあいが深いからか、二人の作品について褒めすぎのきらいがある。いや、本人は実際にそう思っているからこそ褒めているのだろうが、第三者からすると少々媚びているように感じてしまうのだ。
 某落語会のマクラで「下町ロケット」の談春に触れ、阿部寛に取り入って云々という話をしたらしい。それを聞いて、まあ、ギャグだと理解しつつ、そう言うあなたは山田監督や大林監督にベッタリじゃないかと思った。

 TBSの日曜劇場「ルーズヴェルト・ゲーム」は毎週楽しみだったが、あの役に立川談春をキャスティングしたスタッフの慧眼に瞠目した。談春の悪人面(特に目)がうまくはまっていたからだ。
 だから「下町ロケット」のまるで正反対の役柄を演じる談春に驚愕した。こんな役もできるのか! 噺家なのだから、日ごろ高座でいろんな役を演じているのだからどんな役だっておてのものだろう、なんて考える人がいるかもしれない。冗談ではない。だったら噺家たちは皆役者になってTVに映画に活躍しているはずではないか。

 閑話休題。
 冒頭の原爆のシーン、志らくさんはとんでもなく怖いと書いていてそのとおりだった。まさにショッキングな描写。
 始終涙が流れる映画だった。といってもあくまでも個人的な要因によるものだ。黒木華が登場するだけで目頭が熱くなってしまう。何かしゃべればそれだけで涙が頬を伝わる。「天皇の料理番」で完全にヤラれてしまった。
 もちろん吉永小百合と二宮和也の会話にもくるものはあった。
 山田監督の原爆投下に対する怒り、反戦の訴えも静かに伝わってきた。

 素朴な疑問。
 吉永小百合の家族は二宮和也のほか、夫や長男がいて皆亡くなっている。どうして次男のように幽霊になって妻に母親に会いに来ないのか? 
 「父と暮せば」の場合、母親の存在はどうなっていたのか、井上ひさしの戯曲、もしくは映画を確認しなければならない。

 ラストが不可解だ。
 二宮とのやりとりもそうなのだが、あの状況で吉永小百合がああなったら、黒木華の立場はどうなる。一生消えない傷が残るのではないか。後悔ばかりの毎日になるのではないか。

 帰宅して、録画しておいた「赤めだか」を観る。

 この項続く




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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