談四楼師匠のツイッター、毎日お昼に3本UPされるつぶやき(僕は勝手にショートショートショートエッセイと呼んでいる)、本日の1本がこうだった。

     ▽
昔の映画を観ていて、亡くなった出演者を数えることがある。森繁の喜劇・駅前茶釜の時だった。ゲ、生きてる人が誰もいない。いや、たった一人いた。アイドル時代の中尾ミエだ。可愛いベイビィって、昭和37年頃だろう。当の森繁、桂樹、大介、のり平、伴淳、フランキー堺と、今や皆あの世の人なのだ。
     △

 先週の16日(土)から角川シネマ新宿で始まった「市川崑 光と影の仕草」にはできるだけ足を運ぼうと思っている。
 一昨日の「ぼんち」に続いて観た今日の最終上映(19時)作品は「犬神家の一族」。もちろん1976年公開のオリジナル版だ。

 観ながら師匠のツイッターが頭をよぎった。
 この映画だって、出演者のほとんどが亡くなっているのだ。
 三姉妹の長女、次女の二人、高峰三枝子、三条美紀、三条美紀の夫役・金田龍之介、息子役・地井武男、三女の夫役・小林昭二、弁護士の小沢栄太郎、神官・大滝秀治、警察署長・加藤武、宿の主人・三木のり平、お琴の師匠・岸田今日子、犬神佐兵衛・三国連太郎……出演者の中で一番若いであろう坂口良子(ホテルの女中)でさえもういないのだから。涙がでて仕方なかった。
 石坂浩二、草笛光子、辻萬長……生きている人は数えるばかりだ。

 当たり前だが皆若い。
 たぶん、今の僕より年齢は下だと思う。大滝秀治、小沢栄太郎だって。怖いから調べないけれど。
  
 えっ、青沼菊乃って佳那晃子だったのか! 全然知らなかった。

 今さら気づいたことがもう一つある。
 大野雄二の音楽のこと。主題曲「愛のバラード」は有名であるが、それ以外の劇伴といわれる音楽はほとんどメロディーではないのだ。音楽用語に疎いから何て書いたらいいのかわからないが、つまり、通常なら主題曲が「愛のバラード」だとすると、「金田一のテーマ」(これは冒頭の金田一が那須の街を歩いてくるショットに流れる、主題曲以外ではまあメロディアスである)、「犬神家のテーマ」「珠代のテーマ」等、それなりのBGMとして聴ける楽曲があるはずなのだが。

 場内が明るくなってからの隣の若いカップルの会話が聞こえてきた。
「あたし、この映画初めて観たんだけど、今のミステリードラマのすべてがつまってるね」

 映画についてのあれこれはすでに書いているので『新旧「犬神家の一族」のあいだに』をどうぞ。


 【おまけ】
 1976年 秋だった
 1976年 秋だった その2




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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