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 宣伝です。

 ブックカフェ二十世紀では、明日から3日間連続で落語会を開催します。
 題して「本の街・神保町で3日連続落語会 ほんの寸志です。 【元編集者・立川寸志らくごライブ】」。

 立川流の二つ目、寸志さんは元編集者、出身はあのベネッセです。「たまごクラブ」「ひよこクラブ」のネーミングを考えた方なんです。その後、いくつかの出版社を渡り歩いて、某版元のときに担当したのが〈落語もできる小説家〉立川談四楼師匠なんですね。
 44歳で弟子入りです。

 寄席やホール落語会は敷居が高いと思われている〈なんとなく落語に興味を持っている〉人たちに来てもらいたいんですね。寸志さんの落語、面白いですから、ぜひ神保町散策のついでにお立ち寄りください。
 寸志さん、二席やります。もちろん、3日間、違うネタですから。
 また、最終日は終演後、打ち上げ(懇親会)を別途1,500円で実施します。ドリンクと軽食がでます。

     ◇

 ●日 時:5月1日(日)・2日(月)・3日(火)  14:00~15:00(受付:13:00~)
 ●木戸銭:1,500円(1ドリンク付き)

201605010203

 【おまけ】

2002/05/28

 「苦悩する落語家」(春風亭小朝/カッパブックス)  

 「苦悩する落語家」とは何とも意味深な書名である。副題に「二十一世紀へ向けての戦略」とあって何やら堅苦しい感じがしないでもない。でも書き手は春風亭小朝である。そのまま素直に受け取ることはできない。
 和田誠のイラスト(小朝の似顔絵)と題字によるほんわかした表紙、一センテンス一段落の読みやすい文章から、書名とは裏腹に落語界周辺を題材にした軽めのエッセイ集だと思った。  
 第一章〈新人の頃〉は著者自身の新人時代の思い出を語っていてほのぼの気分に浸れる。ところが第二章の〈落語界改造計画〉からまさに題名に偽りなしといった感じで、落語家、協会に対する苦言が次々に出てくるのだ。  
 著者自身は先輩36人抜きして真打に抜擢されてから、本業の落語以外にもマルチタレントとして人気沸騰、向うところ敵無しといったところで、自分のことだけ考えていれば安泰に違いない。しかしまわりを見渡してみると業界という大海原で溺れかけている仲間がたくさんいる。先輩たちには現状に不満を持っているいる人もいるにはいるが、自ら動こうともしない。噺家はみな一匹狼だからいたしかたない。団体も一致団結して何かしようなんてことはしない。  
 落語および落語家をとりまく現状に危機感を募らせた落語界の人気者が、このままだと落語は過去のものになってしまうとばかりに、本当に21世紀に向けてのさまざまな提言を述べた書なのである。
 寄席に出ている落語協会所属の落語家と出ていない立川流とどちらが活躍しているか、と胸を張る談四楼講師の声がよみがえった。

 読んでいて辛くなってくる。未来の落語協会会長・古今亭志ん朝はもういない。一緒に独自の寄席をプロデュースした三木助は自ら命を絶ってしまった。年齢から考えれば大往生じゃないかと思えるものの、人間国宝・小さんも今はもうこの世の人ではない。本書が平成12年に書かれていることを思うと、運命とはいえあんまりではないか。  

 落語協会、落語芸術協会の幹部で、あるいはこれからの落語をリードしていかなければならない真打で本書の提言に耳を傾けた人が何人いるだろうか。

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新井啓介
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まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)

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