保育園の年長組だったから5歳か6歳のころだ。TVアニメ(テレビマンガ)「ジャングル大帝」に夢中だった。ストーリー以上にオープニングテーマ曲とエンディング曲が大好きだった。音楽が魅力的な番組だったといえる。
 小学生になってから始まった「リボンの騎士」も毎週の放映が待ち遠しくてたまらなかった。
 
 日曜日午後7時のタケダアワーは特撮大好き少年には見逃せい番組だった。
 「ウルトラQ」「ウルトラマン」と続いたウルトラシリーズ第三弾は「キャプテン・ウルトラ」。制作が円谷英二率いる円谷プロから東映に変わったことで、ドラマも特撮もイマイチの感があったが、三機に分離するシュピーゲル号がお気に入り。それ以上にオープニングタイトルの歌に心ときめいた。

 円谷プロが大人向けに社運をかけて制作した1時間番組「マイティジャック」はなぜかリアルタイムでは視聴していなかった。初めて観たのはフジテレビではなくTBSの再放送。全編・後編と2回に分けて30分番組として放送していたのだ。
 怪獣やヒーローが登場しない作劇、万能戦艦マイティ号の描写が大好きだったのだが、途中でタイトルが「戦え!マイティジャック」になり、巨大猿や恐竜が登場して、何やら作りが子ども向けになったが、オープニングタイトルに惹かれてチャンネルを合わせた。雄大なテーマ曲にしびれていた。

 初めてNHKの大河ドラマを自分の意志で観たのが「勝海舟」だった。もう中学生になっていた。
 倉本聰が脚本を担当したというのが一番の理由だが、ショーケンも出演するというのがもうひとつの魅力だった。藤岡弘が竜馬だったし。テーマ曲が雄大、かつ荘厳だった。
 主役の渡哲也は病気で降板するわ、倉本聰はスタッフと衝突して解任されるわ、いろいろ問題があったものの、怒涛の幕末ドラマに魅了されて1年間つきあった。

 中学3年だったか、高校1年だったか、音楽に造詣が深い友人の家であるアルバムを聴いて衝撃を受けた。シンセサイザーという楽器で演奏されたクラシックだった。部屋じゅうが機械でそれがシンセサイザーと知ってぶっ飛んだ。

 虫プロ制作のアニメラマに最初に触れたのはTV。2作目の「クレオパトラ」だったのだが、音楽も楽しかった。六文銭の歌も挿入されていて。

 思えば、子どものころ、TV番組を観ていていい音楽だなあと思ったほとんどが冨田勲なのだった。オーケストレーションの魅力を教わった気がする。

 山田洋次監督初の時代劇「たそがれ清兵衛」の音楽を担当していると知りうれしかった。

 昨年だったか一昨年だったか、NHKで自身が手掛けるコンサートを取材したドキュメンタリーを放送していて興味深く観た。初音ミクを取り入れる姿勢に驚愕した次第。何て懐の深い人なのか!

 もうずいぶん前、もうひと昔にはなるか、CD「新日本紀行・冨田勲の音楽」を購入した。リリースされたのは1996年。冨田勲の代表作が、大友直人指揮、東京交響楽団の演奏で新録されたもので、冨田氏自身シンセサイザーで参加している。
 「ジャングル大帝」「勝海舟」「リボンの騎士」が網羅されているのだから、あわててAmazonに注文したのだった。
 訃報を知ってから、部屋でずっと聴いている。

 84歳。
 素晴らしい音楽の数々、ありがとうございました。

 合掌




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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