一昨日の定休日は、丸の内ピカデリーで「バイオハザード ザ・ファイナル」を鑑賞した。
 映画を観ながら、始終表現のオリジナリティーということについて考えていた。
 「バイオハザード」は、第一作のときに書いたけれど、過去の映画の引用で成り立っているといっていい。しかし、それがけっこう快感だった。アレンジが巧かったというのか。映画によってはうんざりすることが多いのだが。
 第一作ではオマージュ(パクリ)が快感だったのに、この最終作では逆に鼻について仕方なかった。まさか、クライマックスに「ロボコップ」を持ってくるとは! 「ブレードランナー」みたいな展開はどうなのか? ってな感じで。
 ただし、ラストですべてを許してしまった。
 それにしても、シリーズを完結させるのに6作必要だったのか? 3部作でちょうどよい。

     ▽
2002/09/04

 「バイオハザード」(丸の内ピカデリー)  

 今月も定時で仕事が終わり映画サービスデーの恩恵が受けられた。  
 「MIB2」でも観ようと劇場を調べたら何ともう終了していた。ロードショーが始まったばかりの「オースティン・パワーズ ゴールドメンバー」にしようか「バイオハザード」にしようか、大いに悩み上映時間を見ると、マリオンの「バイオハザード」の最終上映が遅い。よし、こっちを観よう!

 ゲームに興味がない。ゲーム会社に勤めているのに、ほとんど、いやまったくゲームをしない。  
 カプコンの人気ゲーム「バイオハザード」も一度もプレイしたことがない。当然どういう内容なのか知らない。細菌によってゾンビ化した集団が襲いかかる中、主人公を操ってある目的地に到達させるアドベンチャーゲームというくらいの知識しかない。  
 男が主人公だったらたぶん観なかっただろう。そう、ゾンビを相手に闘う腕っぷしの強い女が「フィフスエレメント」のミラ・ジョビジョバ……もとい、ミラ・ジョヴォヴィッチだと聞いて、もう彼女だけを観にいったようなもの。  
 期待は裏切られなかった。ミラのスレンダーな肢体を堪能できただけでなく、物語そのものにも引き込まれた。  

 世界的な製薬会社アンブレラ社は地下深く、コンピュータで厳重に警備された研究所で秘密裏にウィルスを開発していた。そのウィルスが何者かに盗まれ、うち1本が故意に施設内にばら撒かれた。コンピュータは直ちに外部と繋がる通路を遮断、研究員たちを施設内に閉じ込めた。施設内に廻ったガスによって研究員が次々と命を失っていく。  
 ある大邸宅(そこは地上と地下の研究室を列車で結ぶ秘密の入口となっている)のシャワー室で全裸で横たわっているミラ(ほら来た!!)。意識をとりもどしたミラは自分が何者なのかわからない。記憶喪失。そこに一人の謎の男が侵入してきた。すぐ後得体の知れない特殊部隊が集団で邸宅を襲い、男を取り押さえた。男は刑事だという。特殊部隊はアンブレラ社からある任務をおびて派遣されてきた。地下の研究所に侵入し、メイン・コンピュータの電源を解除し、制限時間内に脱出すること。
 実はミラもこの特殊部隊の一員なのであった。後に列車の中で発見される男とともに邸宅に住む夫婦を装い、侵入者をチェックする役目を負っていたのだ。邸宅にも流れてきたガスの影響で一時的に記憶喪失になっているらしい。  
 セクシーな衣装にジャンパーを羽織ったミラ(ウフフフ!)と男、刑事を連れ、特殊部隊は研究室に到着する。地獄が待っていることも知らずに。生きて帰れる者は誰?  

 ストーリーは過去のホラー、SFものの焼き直しである。男勝りの姐ちゃん(ミシェル・ロドリゲス、これがいい)のいる特殊部隊は「エイリアン2」の海兵隊、研究所のメインコンピュータは「2001年宇宙の旅」のHAL、特殊部隊から最初に犠牲者がでる八つ裂きレーザーは「CUBE」、ウィルスで蘇った死者との攻防は一連のゾンビ映画そのもの。帰りの列車内におけるミラと女隊員とのやりとりは「遊星からの物体X」だろうか。  
 監督ポール・アンダーソンは確信犯的に御馴染みのショッキングシーン、ショットを挿入しているのではないか。ほとんどはこの手の映画を見慣れた者なら十分予測できる。その予測に期待どおりに応えてくれる痛快さ。  

 過去の映画の引用オンパレードでも面白い映画を作れるのだ、ということをこの映画は教えてくれる。
 一つはミステリの味付け。冒頭でウィルスを盗んだ(ばら撒いた)犯人は誰かという謎、ヒロインを一時的な記憶喪失にして、記憶を徐々に取り戻すごとに判明してくる新事実。単純なホラーだけに終わらせない。  
 もう一つは特殊部隊のリアルな描写。いかにも厳しい訓練に耐えぬいた精鋭隊員たちのプロフェッショナルな活躍が見ていて心地いい。研究所に侵入した女隊員が小型懐中電灯を口にくわえて床下を調査しているところなんてワクワクしてしまう。まあ、職人フェチの個人的な好みかもしれないが。  
 最近は企業の不祥事が立て続けて起きている。アンブレラ社みたいな会社があっても不思議ではないと思わせるところもタイムリーか。  
 全編にわたる緊迫感はなかなかのもの。アクションも切れがある。  

 冒頭のエレベータのシーンが生理的に受付けなくて思わずのけぞった以外、隣の女性客のようなオーバーアクションな反応にはならなかった。  
 しかしラスト、病室の診察台で意識をとりもどしたミラの衣装に驚愕した(アレが衣装と呼べるかどうか)。銃を片手に無人の都市にたたずむ超ヒロイン、ミラ・ジョヴォヴィッチにOh! Jesus!!


2004/09/24

 「バイオハザードⅡ/アポカリプス」(川崎チネチッタ)  

 ミラ・ジョヴォヴィッチのアリスが還ってきた!   
 予想以上の出来で夢中にさせてくれた「バイオハザード」の続編。サブタイトルのアポカリプスとは「地獄の黙示録」の原題「APOCALYPSE NOW」の〈APOCALYPSE〉だ。黙示、啓示を意味する。そんなことはどうでもいいか。ミラが前作同様スレンダーボディーの肌を露出しながらアクションをかましてくれれば、もうそれだけであたしゃ満足です。  

 アリス自身のナレーションにより前作の概要が説明され、本当に前作のラストから始まる。  
 地下の研究施設から漏れ出したウィルスは地上に蔓延、人間がゾンビ化した某都市が閉鎖される。からくも地下から逃げ出したアリスともう一人の男は謎の白衣集団に捕らえられ離ればなれに。アリスは意識をなくし気がつくととある病院のベットに横たわっていた。白衣集団によって身体に何らかの処置が施されたらしい。誰もいない病院を抜け出し、ゾンビが徘徊しているであろう屋外へでるアリス……これが前作のラスト。  
 映画にはもう一人ヒロインが登場する。女刑事のジル(シエンナ・ギロリー)だ。聞くところによればゲーム版の主人公だとか。黒髪の、アリス同様細身で腕っ節が強いおねえちゃん。そのコスチュームにムフフフ、ですな。完全に閉鎖された都市で逃げ場を失ったジルと同僚の黒人刑事、ニュースキャスターの女性(テリ・モラリス)3人が教会に立てこもる。ゾンビの親玉(?)に襲われ絶体絶命! そこへ仮面ライダーよろしく教会の窓ガラスをぶち割って登場する完全武装したアリス。超人的な活躍で難なく敵を倒すのだ。アリスがすでに普通の人間でなくなったことを示す伏線でもある。  
 都市からの脱出を試みる4人に監視カメラを使って接近する男がいた。ウィルスを開発した博士(ジャレッド・ハリス)である。行方不明になった娘(ソフィー・ヴィヴァサー)を見つけ出してくれたら逃げ方を教えると云う。アリスたちはゾンビたちが跋扈する都市の中枢に向かう。娘を救うことはできるのか。そして完全閉鎖された都市空間から脱出することはできるのか。  

 前作がそうだったように今回も過去の映画でお目にかかったおいしい要素が満載だ。基本は「エイリアン2」だろうか。墓場でゾンビが蘇るシーンではいつゾンビたちが「スリラー」のBGMで踊りだすか期待してしまった。敵キャラのメネシスには「ターミネーター」が入っているような。勘繰り過ぎか。  
 ショック効果も何度となく押し寄せてくる。とはいえそれほど恐怖を感じない。安心して最後まで観ていられた。本当はタイムリミット内に脱出できるか手に汗握る展開でなくてはいけないのだろうが、まあ、これはこれでいいのではないか。
 本家「ドーン・オブ・ザ・デッド」のゾンビが今風に俊敏なキャラクターになっているのに、亜流の「バイオハザード」はあくまでも昔ながらのゾンビにこだわっているところが面白い。  
 ホラー映画のパターンとはいえ、それにしても、行方不明の娘を探しに学校にやってきた3人がバラバラになるのがどうしても解せない。ジルと同僚が別行動をとるのはまだわかる。しかしニュースキャスターに慣れない銃を持たせ一人にさせることはないだろう。ゾンビにやられろといっているようなものだ。案の定……  
 クライマックスからラストにかけての、次回「3」に向けての段取りが見え見えなのが興をそぐ。まあ、はなからオハナシなんかに期待してはいないのだけれど。  
 次回「Project Alice」に乞うご期待!

 【追記】  
 ウィルスが蔓延した都市を核爆弾で殲滅という処置にうんざり。アメリカ映画って何かというとすぐ核爆弾を使用したがる。

 「バイオハザード」って海外では「Biohazard」ではないのですね。今回タイトルで気がついた。原題は「Resident Evil: Apocalypse」。前作はどうだったのだろうと調べたら「Resident Evil」でした。
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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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