一昨日、京浜東北線で転落事故があったことは知っていた。
 昨日、朝刊(朝日新聞)に記事がでていた。
 見出しにこうあった。「盲導犬の男性転落 死亡」「埼玉・JR蕨駅 ホームドアなし」
 盲導犬の男性という文字にピンときた。

     ▽
14日午前7時10分ごろ、埼玉県蕨市中央1丁目のJR京浜東北線蕨駅で、盲導犬を連れた男性がホームから転落し、進入してきた大船行き普通列車と接触、頭や上半身を強く打ち重傷を負った事故で、男性は同日午後0時20分ごろ、搬送先の病院で死亡した。
(略)亡くなったのは同県川口市のマッサージ師の男性(63)で、目が不自由だった。
     △

 まさか! あの人ではないのか?

 サラリーマン時代、毎朝のようにホームで盲導犬を連れた男性とすれ違った。いつも4両め、4つめのドアのところで電車を待っているのだが、電車が到着しドアが開くと、白(本当はイエローというらしい)のラブラドールの盲導犬に先導された男性が降りてくる。 背が高く、すらっとしている。年齢は60歳を超えていたと思う。
 今の仕事になってから、通勤時間が遅くなったので会わなくなってしまったが、時間は7時10分から20分の間。

 事故が起きた時間、川口のマッサージ師ということで、思い当たったというわけだ。ざわざわしてきた。
 西川口駅で改札を通る際に、駅員に訊いてみた。
「蕨駅で起きた転落事故ですが、川口のマッサージ師って、いつも西川口駅を利用されている方ですか?」
 若い駅員は一拍おいて答えた。「詳しいことは言えないんですが、そうだと思います」
 男性と盲導犬の姿が頭をよぎる。
 涙がこぼれそうになった。

 ご冥福をお祈りいたします。




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Comment
ホームドア
やはり、あの方なんだ と自分も思っていたところです。
犬を守ろうとなさってハーネスを離したのかとか、考えるだけで涙がでます。11日にお見かけしたのが最後でした。
一刻も早くホームドアをつけて、安心して利用できる駅にして欲しいです。
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西川口駅利用者 さま
書き込みありがとうございます。

つらいですよね。
あの盲導犬、事実を把握しているのか、主人を亡くしてどうなるのか、そんなことを考えています。

本当は駅員にマッサージのお店の名前も訊きたかったのですが、やめました。個人情報になると教えてくれないでしょうから。
東口から通りに向かうのは知っていました。
忍んでまた力に変えてください
事故が事故だけに 知った方が被害にあわれると本当に悲しい事柄ですよね。新井さんの筆の力を是非活かしてくださいませ
satou さん
書き込みありがとうございます。
今朝の新聞に事故の続報がでていたました。蕨駅で日本盲人会連合の会員が現場を視察したと。
そんなに線路に隅を歩ていたら、誰か注意することができなかったのか。と思い、否定する自分がいます。盲導犬と一緒ということで、人は安心したのかなと。あの盲導犬はどうなるのだろう? 名前は何ていうのだろう? いろいろ考えることはありますが、ご冥福を祈るばかりです。
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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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