2017/01/05

 「モスラ」(ラピュタ阿佐ヶ谷)

 昨年の11月から、ラピュタ阿佐ヶ谷ではモーニングショー(10時~)でザ・ピーナッツ特集をしている。
 昭和の銀幕に輝くヒロイン〔第83弾〕、「伝説のデュオ、魅惑の歌声」。

 ラインアップに「モスラ」「モスラ対ゴジラ」「三大怪獣 地球最大の決戦」があり、こりゃ「行かなくちゃ」。「モスラ対ゴジラ」は昨年、神保町シアターで観たから、「モスラと「地球最大の決戦」をチェックしなくては。特に「モスラ」、一度もスクリーンで観ていないので。

 5日(火)、早めに阿佐ヶ谷に到着。駅前のバーガーキングでお茶してからラピュタへ。
 これまで、TVで、ビデオで、DVDで、何度か「モスラ」を観ているが、スクリーンでの鑑賞は格別のものがある。
 映画全盛時代、東宝特撮の黄金時代の作品であることを改めて感じた。もう1カットも目が離せない。
 ミニチュアがきちんと画面に存在し、演技しているのだからたまらない。かなり大胆なカットも散見される。ミニチュアでやるか! てなもん。合成もすごい。
 フランキー堺の口跡に聞きほれ、軽妙なしぐさに堪能。

 とにかくシナリオがうまいと思う。
 21世紀になってすぐ、原作とシナリオを読み比べる機会があった。「発光妖精とモスラ」という本を図書館で見つけて読んだのだ。
 この本には、原作のほか、関沢新一のシナリオも掲載されており、その面白さに唸ったものだった。

     ▽ 
2001/06/30

「発光妖精とモスラ」(中村真一郎・福永武彦・堀田善衞/筑摩書房)  

 小林信彦「小説世界のロビンソン」(新潮文庫)で純文学作家・福永武彦が加太伶太郎名義で推理小説も書いていたことを知り、だから「モスラ」の原作を共同執筆しているのかと目から鱗が落ちた状態でいるところに、図書館の書棚で本書を見つけた。  
 中村真一郎・福永武彦・堀田善衞による原作「発光妖精とモスラ」、関沢新一の映画「モスラ」の第一稿および決定稿が収録されている。  

 ロシリカ共和国の水爆実験場となったインファント島に住む小美人を悪役ネルソンがさらって東京で見世物興行を行う。小美人の歌声によって島の守り神であるモスラが卵から誕生すると小美人を追い日本に上陸する。体長100mのモスラには小美人救出の本能しかなく、そのため東京は大混乱に陥るのだった。  

 「発光妖精とモスラ」は小説というより、シナリオの梗概という印象を受けた。主人公、映画ではフランキー堺が軽妙に演じていた新聞記者の福田善一郎とは作者3人の名前を合成したもであることを今さらながら知った。
 シナリオ(映画)には取り入れられなかったモスラに関する伝説が面白い。

 小説とシナリオ(映画)の違いはいくつかある。まず小説の小美人は4人で、身長も映画(30cm)の倍ある。またロシリカ共和国は決定稿ではロリシカ共和国となっている。もろロシア+アメリカだからだろう。
 驚いたのはモスラが繭を作る場所が国会議事堂というところとラスト小美人をインファント島に返した後宇宙に飛び出し半世界へ突入するくだり。平成のゴジラシリーズ「ゴジラVSモスラ」はしっかりかつての原作を踏襲しているのですな。  

 関沢新一によるシナリオは原作の魅力を大きく膨らませて傑作である。映画を知らなくても映像を頭に浮かべることができる。人物像がしっかり書き込まれて、人間側のドラマとモスラの都市破壊スペクタクルが見事にシンクロしているのだ。怪獣映画黄金時代のよき時代を感じさせる。
 第一稿と決定稿の大きな違いはそのラスト。一稿はロリシカ共和国の首都をモスラが襲う映画同様のもだが、決定稿では九州に逃げたネルソンをモスラが急襲するエピソードに変更されている。このラストは実際に撮影されたらしいが、結局オクラ入りになって元のラストが採用されたとのこと。
     △




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プロフィール

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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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