書き忘れていたが、2月28日(火)の午後、新宿ピカデリーで「サバイバルファミリー」を観ている。
 3月になってからは、地元MOVIX川口で次の作品を観ている。
 7日(火) 「彼らが本気で編むときは、」
 12日(日) 「チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」
 14日(火) 「相棒 劇場版Ⅳ」

 で、「彼らが本気で編むときは、」である。
 かつてこのブログに書いた文章を加筆訂正(一部削除)して、「まぐま」の手塚治虫特集に寄稿した。
 タイトルが長い。

     ◇

 トランスセクシャルと手塚マンガ  
 ジェンダー論なんてこむずかしい話ではなく、腐女子に人気なのがBLものなら、その対極には略称〈少年少女文庫〉あるいは〈強制女装〉ものがあり、少年が少女に変身(性転換)する過程に萌えるという文化には、その根っこに手塚マンガが大いに関係しているのだ! と、小学生時代「リボンの騎士」に夢中になった私が主張する経緯と理由


 もう8年前になるのか。
 フジテレビで日曜午後2時から放送されている「ザ・ノンフィクション」で「性同一性障害の恋人たち ~精神科診察室の物語~」を観たことがある。
 心が女性の男性とその逆の女性が、性転換手術を受けるために一緒にクリニックに通う日々を取材したものだ。割れ蓋に綴じ蓋。うまい具合にカップルができたものだと感心した。ネットの、その手のサークルで知り合ったという。
 好きな彼女がレズビアンで、女の子にしか興味がない、そこで、自分が女性になって恋愛を成就しようとする男性のブログがあった。彼女も応援してくれて、徐々に女性へと生まれ変わっていく、そんな日記が綴られていくのだが、フィクションだろうと睨んでいる。彼女がレズだから女になる、そんな男性の精神構造が信じられないからだ。
 このドキュメンタリーでは、男性、女性、性同一性障害の男性、女性、それぞれの脳のある一部のレントゲン写真を見せてくれた。確か人間の性を形づくる部分とか説明があった。驚いたことに、性同一性障害の男性と女性のそれがほとんど同じなのだ。
 性同一性障害の男性の両親は同世代。ここで考えてしまった。もし、自分の息子が「女になりたい」と言い出したらどう反応するだろうかと。うちは娘だから「私は男になりたい」と言われたらどうするか。環境とか育て方とかの問題ではない。脳の写真が証明している。明らかに疾患なのである。

 トランスセクシャル、今は〈TS〉という言葉で括られる事象に興味を持ったのは手塚治虫のマンガがきっかけだった。
 小学2年のとき、アニメ「リボンの騎士」に夢中になった。コミックスも揃えて何度も読み直した。
 サンケイ新聞に連載されていた「青いトリトン」(アニメ化で「海のトリトン」に改題)は、前半がトリトンの兄、和也の冒険譚だった。ある船にしのびこんだ(?)和也が船長の部屋をのぞくと、着替えをしていて、実は女ではないかと思わせるコマがあった。この何気ない絵に興奮した(コミックスにはこのカットがない)。
 隔週刊の少年チャンピオンに連載されていた「ザ・クレーター」では死んだ少女の心が、ある一定期間主人公の男の子にのりうつるというエピソードがあった。
 これら一連の描写にある種の感情が芽生えた。〈萌え〉なんて言葉は当時なかったが。
 同じチャンピオン連載の永井豪「あばしり一家」にも宇宙船から放たれた光線を浴びた吉三(あばしり家の三男)がみるみる女の子に性転換して右往左往するなんて回があった。「リボンの騎士」より直截的に肉体の変化を描いていて、少年の心がうずいた。
 そんな物語に影響されて男から女へ強制的に性転換手術させられるマンガを描いたことがある。小学5年だったか、6年だったか。かなりマセていた、というか、「お前何考えてるの?」と言われても仕方ない。

 それはともかく手塚マンガにはこの手の話が多い。
 「どろろ」の最終回でどろろが女の子であることが判明する。「ブラック・ジャック」にも卵巣を失った女性がブラックジャックの手術で男性に生まれ変わって生きていく話がある。
 驚愕したのは「ミッドナイト」の最終回だ。事故で再起不能となった主人公の脳が直物人間になった恋人に移植されるのだ。つまり主人公は女になって生きていくというわけで。
 性転換ものは今では一つのジャンルになっている。マンガだけでなく小説でも題材になっている。手塚マンガの影響とみていいのだろうか?




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

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