今日は言葉に関する話です。
 私は高校時代から日本語そのものに興味をもち、言葉の間違った使い方や耳障りな言葉等々に興味がわいて、その類の本だとか、エッセイやコラムを読んでいます。
 当然、言葉に関する師匠みたいな存在の作家もいまして、古くは外山滋比古、今は永六輔、井上ひさし、小林信彦、中野翠らの提言に影響を受けております。
 最近では週刊文春に言葉に関するエッセイを連載している高島俊男という、中国文学の権威の、大学の先生なんですが、この方には眼から鱗が落ちる思いで、言葉についてのうんちくを学んでいます。
 で、この高島さんが昨年暮れにエッセイに書いていたキライな言葉に対して読者からの反響があって、キライな言葉ベスト5、というかワースト5を発表しています。

1. させていただきます
2. じゃないですか
3. あげる
4. いやす、いやし
5. な

 もうひとつ話題にしていたのが、「と思います」という言い回し。これは私がこの数年ずっと気になっていたことです。
 たとえばTVのレポーターが「インタビューしたいと思います」とか言いますが、これはもうインタビューするのは当然なんですから、「インタビューします」でいいんですね。
「食べてみたいと思います」
「やってみたいと思います」
 思います、思いますの洪水でうんざりしてきます。当然それに影響をる受けて私たちのまわりでも同じく「思います」が常套句になっている感がします。私自身使わないよう心がけているにもかかわらずポッとでてしまって、心の中で舌打ちしてしまいます。
 若いころ、「~するつもりです」という言葉をよく使っていました。やることを前提に、だけどまだ行動におこしていないので、「つもり」という風に言っていたのですが、当時の上司に「つもりじゃダメなんだ、やるんだよ!」とよく怒られました。
 今、TVで使わなくていい状況で「思います」と言うアナウンサーやタレントがいると、TVの前で毒づいております。

 言葉は時代とともに変わるものだという意見に異議を唱えるつもりはありませんが、ファッションと同じように流行しているから安易に乗るのではなく、もっと自分の中で吟味して、使ってほしいと思う次第です。


 【参考】

2001/09/08

 「お言葉ですが…5 キライなことば勢揃い」(高島俊男/文藝春秋)  

 「お言葉ですが…」シリーズももう5冊め。週刊文春連載のエッセイの連載がすでに5年続いているということなのだ。月日の経つのは何て早いことか。  
 同じ級数で書名を書くと「お言葉ですが…5 キライなことば勢揃い」となるが、実際は「きらいなことば勢揃い」がメインであり、頭に小さく「お言葉ですが…5」がくっついている。「お言葉ですが…」が先か、サブタイトルが先か、これまど毎年そのルールが変わる本も珍しい。版元の本を売る論理、読者のファン心理、それに挟まれて右往左往する著者の気持ちはあとがきに詳しい。  

 「キライなことば勢揃い」は連載の時もかなりの面白さで、嫌いな言葉、耳障りな言葉に敏感(なつもりの)僕はさっそくその内容を「1分間スピーチ」(僕のいる部署では毎朝交替でやらされていたのです)に活用させてもらった。  
 読者のアンケートの結果、キライなことばのワースト5は次のとおり。

 ・させていただきます
 ・じゃないですか
 ・あげる
 ・いやすもしくはいやし
 ・な  

 〈させていただきます〉は会社にいると、いくらでも聞くことができるし、自分でも使っている。〈じゃないですか〉は以前テレビ朝日の早朝ニュースショー「やじうまワイド」の吉沢アナウンサーがよく口にしていて覚えた。〈あげる〉〈やる〉の誤用は昔からよく指摘されている。〈いやし〉は小林信彦の恥語言葉でおなじみ。〈な〉は「…だな、と思いました」の〈な〉。
 まったくそのとおりと膝を打ったのは同じ文章の中で糾弾していた「……と思います」の乱用についてだ。いつの頃からか、リポーターも司会者も何かというと語尾に「思います」をつけるようになって、耳障りでたまらない。
「インタビューしたいと思います」「インタビュ-するのは当然のこと、インタビューいたします、となぜ言わない!」
「それでは表彰式にうつりたいと思います」「お前が思わなくても、次は表彰式なの!」
「思います」のオンパレードに心の中で毒づく。
 にもかかわらず。  
 いざ人前で話をすると、大嫌いな「と思います」とつい使ってしまうのだ。口では「と思います」といいながら、心で「そうじゃない、そうじゃない」とつぶやく情けなさ。
 
 その他、「よし」「だめ」の怨念(戦争時代の野球ではストライク、アウト等敵性語をすべて日本語に置き換えたという間違った認識に対する検証)、白兵戦の語源、忸怩たる思いの正しい使用法など、今回も興味深いことが盛りだくさんだ。




関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
高島俊男「お言葉ですが…」を読む
NEW Topics
告知ページ
無題 ~「白いカラス」
1分間スピーチ #16 サマータイム導入問題
BC20世紀 賄い料理その2
「花戦さ」&「22年目の告白 ~私が殺人犯です~」
「美しい星」
1分間スピーチ #15 倉木麻衣と宇多田ヒカル
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その4
ちょっとひとやすみ その4
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その3
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード

Page Top