映画「X-MEN」シリーズについて、個人的に「ミュータント・サブ」+「サイボーグ009」だと思っている。実際、原作のアメコミに石森章太郎のコミックの影響があるのかどうか気になるところだ。
 第1作「X-メン」、続編「X-MEN2」はビデオ(DVD)で観た。3作めから劇場で押さえている。
 3部で一応完結して、4作めは前日譚となり、これがむちゃくちゃ面白かった。この路線で新たな3部作を作ればいいのに、5作めでは過去と現在が入り乱れるストーリーになってがっかりした。
 スピンオフ作品「ウルヴァリン」シリーズには興味がない。

     ◇

2006/10/01

 「X-MEN:ファイナルエディション」(日比谷スカラ座)

 アメコミもその実写映画も興味がない。にもかかわらず、このシリーズはビデオになると必ずチェックしていた。特殊能力を持つ者が力を合わせて敵と戦うストーリーが好みという個人的趣味が大いに関係する。
 舞台や設定、キャラクターは全然違うが要は「サイボーグ009」の実写映画みたいなものなのだから。

 遺伝子の突然変異で出現した新人類(ミュータント)が、その超人的パワーゆえ、通常の人間たちから差別と迫害を受ける近未来のアメリカ社会。
 そんな社会状況下、人類を支配してミュータントの世界を築こうとする一派と人類と共存する道を模索する一派(X-MEN)に分かれて戦う物語。
 それぞれマグニートー(イアン・マッケラン)とプロフェッサーX(パトリック・ステュワート)を長とするが、面白いのはこの二人がもともと仲間であり、その関係が現在も緩く続いているということ。完全に敵対していないのだ。
 だから、第1作で人類ミュータント化作戦を実行するマグニートー派に決死の戦いを挑んだX-MENだったが、2作めでは、ミュータント抹殺計画を画策する元陸軍大佐の野望を粉砕するため、手を結んだりする。

 X-MENのメンバーは驚異的な治癒能力を持つローガン(ヒュー・ジャックマン)、目から破壊光線を放つスコット(ジェームズ・マーズデン)、プロフェッサーに次ぐ強力なテレパス能力を持ち助手的立場のジーン(ファムケ・ヤンセン)、天候を自在に操るストーム(ハル・ベリー)、他人の能力を一時的にコピーするローグ(アンナ・パキン)、物を瞬時に氷化するアイスマン(ショーン・アシュモア)。
 敵役のマグニートーは磁力を持ち鉄を自由自在に操れ、部下にどんな人物にも変身可能なミスティークがいる。このミスティーク、普段は全身青色でイボイボがついている醜さなのだが、肢体は女性そのものの全裸。登場するといつもムフフフなんですわ。

 PART2が作られたら、PART3が登場するのは映画の常識。
 ただしこのシリーズ、最新作はかなり強引なストーリーになっている。スコットとジーンのカップルにローガンが加わり、三角関係になって、その関係がどうなるかというのも楽しみの一つであったのだが、前作のラストでジーンが仲間を救うため犠牲になってしまった。
 ところが最新作であっけなく復活するのだ。それも地球を壊滅させるかもしれないとてつもない能力を持つキャラクターとして。そんなこと、1はもちろん2でも説明なんかなかった。ご都合主義の極地。原作にはあるのかもしれないけれど。それはいいとして、ジーンが復活した代わりにスコットがあっけなく退場してしまうのには驚いた。せっかく特殊眼鏡をはずし素顔で活躍してくれると喜んだのに。

 今回はミュータントの能力を奪い普通の人間にしてしまう〈キュア〉という特殊薬が開発されることから巻き起こる騒動を描いている。薬はある少年ミュータントの能力から開発されたもの。ミュータントが人間になるのはもってのほかだ! マグニートーは新たな仲間を加えて少年ミュータントを抹殺するため動き出し、X-MENたちが阻止せんと対峙する。
 悪の権化となったジーンを中心にまさかまさかの展開。意外なラスト。すべてが丸く収まる大団円を予想していたので、少々裏切られた感じだ。でもまあ、疲れていたのにもかかわらず、一度も眠気に襲われなかったってことは、とても面白かったという証拠だろう。CG技術で20年若返ったプロフェッサーXとマグニートーの皺のない顔には驚いた。人間になったミスティークも拝めるし(当然全裸だ!)。それに、なんといってもハル・ベリーがこれまで以上にキュートだったので許してしまおう。

 だいたいこの映画でミュータントの死は絶対ではない。ラストはマグニートーの力の復活を暗示させるものだし、案の定、長い長いエンディングロールの後に、あの方の甦りが付け加えられていた。
 3年の周期で続編が公開されているこのシリーズ、2009年にはまったく同じキャストでPART4が製作されるに決まっている。


2011/06/20

 「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(MOVIX川口)

 こちらを参照


2014/06/01

 「X-MEN:フィーチャー&パスト」(MOVIX川口)

 単純に前作の続編で良かったのに……。


2016/08/18

 「X-MEN:アポカリプス」(新宿ピカデリー) 

 最後の戦いは、神。
 なんていうキャッチコピーで、やっぱりこのシリーズはサイボーグ009のアメリカ版かと思ったのだが、あれのどこが神なのか。
 敵が味方で味方が敵で。
 シリーズを見通すとそういうことだ。
 それにしても辻褄が合わない。旧シリーズ3部作と新シリーズが合わないだけではない。新シリーズでも第1作と合っていないじゃないか。スタッフ、確信犯だ。若かりしストームが見られたのでまあいいけれど。




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新井啓介
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まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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