林真理子が最近のエッセイで、電車の中で鼻毛の処理をしている若い女性を目撃して驚いたことを書いていました。化粧なんて当たり前、もう鼻毛を人前で抜ける時代になったんです。

 今の若い子には他者は存在しないそうですね。たとえばカップルがいるとすれば、ふたりだけがすべて、ふたり以外は舞台裏というか、全く価値のないものだというわけで「他人の目」など考えることもない。自分と接することのない人なんてどうでもいいという考え方なんだろうと。
 私もちょっと前、帰りの電車の中で、けっこう満員だったんですが、楽しそうにキスしあっている高校生のカップルに出会いました。

 林真理子はそういう人は見て見ぬふりをすれば何とかやりすごすことができると、困るのは異人種としか思えない人が仕事の相手になってきていることだと嘆いていました。

 ある女性編集者がインタビューの仕事で林真理子の事務所を訪れました。仕事が終わると「サインをいただきたい」と言います。ときどき編集者やライターの方がもじもじしながら林真理子の本を取り出しサインを乞うのだそうで、その行為自体は何とも思わない。
 ところが、その編集者は本でも色紙でもなく、ファイルノートの切れっぱしをとりだしたそうなんです。で、「仕事で会った人には記念にサインをもらうんです。〇〇(女性編集者の名前)さん頑張って! とか何か一言添えてほしい」とのたまわったそうで、これには林真理子がかちんときた。
 それじゃ田舎のラーメン屋のオヤジじゃないか! 
 ちゃんとした出版社の社員で、その出版社の看板を背負って私に会いに来たのだ、会社を代表しているわけだ。なのに、そんなシロウトさんみたいな真似なんてしなさんな。
 と、注意したいのですが、できないんですね。
 結局サインして後悔するんです。
 で、彼女の上司なりに忠告しておこう、それが親切というものだ、と思ったところ、アシスタントというか、秘書の人に言われてしまいました。
「人に嫌がられてまで親切にすることはない、損をするだけです。バカは一生バカなままでいいんです」

 このあと、林真理子は自分の若いころは恥ずかしいことばかりやっていたが、まわりにはちゃんと注意してくれる大人がいた。自分は今その立場にいるが、とても他人を注意する器ではない、この時代に若いバカを気づかせてくれる大人がいるのだろうかと結んでいます。

 この問題にはいろいろ複雑な要素が含まれています。
 会社員としての立場、仕事上の注意の仕方等々、私自身とても考えさせられます。
 皆さんはどう思われますか?




関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
1分間スピーチ #14 entertainmentの日本語表記
NEW Topics
告知ページ
BC20世紀 賄い料理その2
「花戦さ」&「22年目の告白 ~私が殺人犯です~」
「美しい星」
1分間スピーチ #15 倉木麻衣と宇多田ヒカル
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その4
ちょっとひとやすみ その4
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その3
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その2
「DONT LOOK BACK」
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード

Page Top