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 前回、ノスタラダムスの予言の不確実性についてお話ししましたが、今日は占いについて、ある占い師のインチキさについてお話しします。

 昔、浅草に有名な占い師が店をかまえていまして、井上ひさしがアルバイトをしていたそうです。
 井上ひさしの仕事は待合室でお客さんの話を聞いて、それを仕事部屋の占い師に暗号で伝えるというものでした。部屋に入った客は、自分の悩みを知っている占い師にびっくりして、すっかり占い師を信じてしまうということです。

 また、そういう情報を事前に知らなくてもうまく客に対応する方法もあります。
 まず客の8割は男なら仕事上の悩み、女なら愛情問題だそうです。これで最初のつかみはOKということになるのだそうですが、はずれた場合、女には「あなたはよく人の面倒をみるがその割合には報われない」、男には「あなた、お酒はいける口でしょう? もちろんあなたは今はお飲みにならない。だけど酒の味を覚えたらすごい。かならずいける口になる」。こう語りかけるとすんなりいくのだそうです。

 こんなやりかたもあります。
「あなたのお子さんの数はこうですな」と右手の親指と人差指を折って客の目の前へ差し出します。当時は子どもの数は二人から三人が相場でしたから客はすっかりだまされてしまうという段取りです(二人の場合は折った指を、三人の場合は立てている指で示しています)。じゃあ、一人の場合はどうするかというと、「水子がいる」と言うのです。

 まあ、世の中、この手の悪賢い占い師ばかりではないと思いますが、この占い師はよく井上ひさしに言ったそうです。
「たかだか1,000円や2,000円で人の運命なんてわかってたまるか」

 ということで、占いに凝るのもほどほどにという話でした。




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kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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