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 今年になってから映画は水曜日にまとめて観る機会が多い。
 ラピュタの特集に観たい映画があって、阿佐ヶ谷に行き旧作を、そのついでに新宿で新作を鑑賞するからそういうことになる。
 今週は、ラピュタで「影の車」と「100発100中」を、新宿ピカデリーで「パシフィック・リム アップライジング」を観た。
 
 3月から気になる映画が次々と公開されているのだが、観に行けない。
 水曜日が旧作鑑賞なら、ほかの日にレイトショーに行けばいいのだが、そんな気力がないのである。

          * * *

2001/02/16

 「不滅のヒーロー 仮面ライダー伝説」(岡謙二/ソニー・マガジンズ)  

 円谷プロのウルトラマンシリーズと違って東映の仮面ライダーシリーズにはそれほどの思い入れはない。放映が開始された当初は「悪魔くん」「河童の三平」系統のホラー色濃厚な等身大のヒーローものということで注目した。
 が、藤岡弘の事故で主役が佐々木剛に変更になってからドラマそのものが妙に明るくなり、「へんしーん!」ブームがやってくるともうどうでもよくなった。5歳下の弟が完全にハマってしまい、チャンネルの主導権が移ってしまった。
 この頃の仮面ライダー人気に火がついてまたたくまにブームがおとずれた様子は、メディアをとおさなくても弟とその友だちの遊びを見ているだけで実感できた。
 弟が真剣に番組に熱中している横で兄貴はわりと冷めた目で「V3」あたりまではつきあっていた。

 たぶんに年齢的な(もう中学生になっていたか)問題もあるだろうが、仮面ライダー他の東映ヒーローものに共通するドラマ作りをバカにしていたところがあった。
 登場する怪人のいかにもな造型とネーミング。耳障りな敵の首領たちが叫ぶ「×××なのだ」の〈のだ〉の連発。何よりアクションのクライマックスで、たとえば必殺武器「ライダーキック!」が飛び出すとき、同ポジのカットを3回繰り返す演出が稚拙に感じたものだった。

 というわけで仮面ライダーにそれほど思い入れがなかった僕は昨年復活したシリーズの新番組「仮面ライダークウガ」に何の期待もしていなかった。
 ハイビジョン撮影といってもしょせんはビデオ、また特撮のメイキングビデオみたいな薄っぺらな映像を見せられるのかと冷ややかに放映開始を待った。
 映像的には当初そういった違和感があることはあったが、ドラマは本格そのものだった。
 たぶんに「踊る大捜査線」の影響もあるのだろうが、警察機構をしっかりと描き、その中で主人公と仲間たちの活躍に焦点をあてた。
 リアルな演出に好感を持った。ヒーローも敵の怪人も最後まで第○号と登場人物たちに呼ばれ(クウガは最後まで子どもたちにさえ第4号と呼ばれていた)、エピソードによっては人間主体のほとんどクウガや怪人が登場しないこともあって、歓喜した。
 人間体の怪人たちが登場するシーンではファンの間で話題沸騰になった怪人言葉(グロンギ語)の解読より、その映像そのものに酔った。
 ラス前の敵とクウガの戦いでは心象風景として互いが人間に戻り、泣きながら殴る主人公と笑いながら殴る敵を描くことによって、暴力とは何かを静かに訴えていた。  
 最終話はまるまるクウガと敵による最終決戦の後日談にあてられ、主人公すらラストにちょっと顔をだす程度。これまでのヒーローもののドラマツルギ-から逸脱した最終話に快哉を叫んだものだ。  

 で、そうなると仮面ライダーシリーズがどんなものであったか知りたくなるのが人情。ちょうどうまい具合に図書館に本書があったので借りてきた。
 最近この手の、かつて特撮ヒーロー番組の主演者による回想録が盛んに刊行されている。当初ウルトラ関係者だったものが、Pプロ、東映関係に飛び火した感じ。仮面ライダーもメインの1号、2号を演じた藤岡弘、佐々木剛の単独の著書は上梓されている。シリーズを包括、総括しているところが本書のミソだろうか。

 歴代の主人公を演じた役者たちが登場する。  
 藤岡弘、佐々木剛、宮内洋(V3)、速水亮(X)、荒木しげる(ストロンガー)、高杉俊 价(スーパー1)、菅田俊(ZX)の面々。  
 どの役者たちのインタビューからも制作現場の激しさ、つらさが伝わってくる。  
 シリーズの中で異色な存在となっている「アマゾン」(僕自身、けっこう好きでわりとチャンネルを合わせた)の主役・岡崎徹が行方不明でインタビューを受けられなかったのは残念。現在売れっ子になっている村上弘明(スカイライダー)のプロフィールにはデビュー作「仮面ライダー」が掲載されていないという。哀しい。  
 宮内洋の章では最近日活映画に関する本を読んでいることもあって、渡り鳥シリーズの影響大である「怪傑ズバット」が観たくてたまらなくなった。  

「異形の者でなければヒーローになれない、ヒーローは不気味な面白さが必要」が原作者・石森章太郎の信念だったことを本書で知った。オリジナルビデオでリリースされた「真仮面ライダー」はぜひともチェックしたい作品ではないか。




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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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