6月はBC二十世紀がイベントラッシュで週末がとんでもなく忙しくなった。
 その疲れで家でPCを開けない。いや、開けてはいるのだが、何もしたくない。ブログのUPなんてとんでもない。
 まあ、休みの日にやればいいのだが、今週は2日とも阿佐ヶ谷のラピュタ(とユジク)に通った。両日とも2本鑑賞。
 詳細は別項で!

          * * *


2001/03/19

 「あの頃マンガは思春期だった」(夏目房之介/ちくま文庫)  

 マガジンハウスから出版された「青春マンガ列伝」を改題した文庫版。単行本はすでに読んでいる。  
 今回は表紙がいい。たぶん著者の書斎にある本棚なのだろう。昭和40年代頃の漫画雑誌が無造作に並んでいる。「COM」{ビックコミック」「ガロ」「劇画マガジン」「ボーイズライフ」。池上遼一・平井和正コンビの「スパイダーマン」のコミックスも見える。ううっ、涎が…読んでみたい!  

 マンガをとおしての著者の自分史、青春記である。  
 著者が小学6年12歳の時に石森章太郎「少年同盟」に出会ったところから始まって、漫画家として何とかその道が開ける目安のつく20代前半、鴨川つばめ「マカロニほうれん荘」で終わる。  
 「サイボーグ009」連載時のラストは印象深かった。宇宙空間に飛び出た009と002が敵を倒した後、力つき流星となって地球に落下する。日本のどこかでその流星を見た母娘は願い事をとなえる……というとてもリリカルな心に焼きつくものだった。  
 このエピソード、実はブラッドベリ「刺青の男」のパクリなんだそうだ。著者の友人はこのラストで大泣きして、後にブラッドベリを読みがっかりしたと著者に語っている。著者もそのことを認めつつ、あの時代('60年代)はそういうことがまかりとおっていたとあまり言及していない。「刺青の男」がどういう物語なのだろう。

 ヒーローもマスターベーションすると自身の経験とともに語られる池上遼一の「スパイダーマン」。このマンガは月刊少年マガジン連載第1回をリアルタイムで読んでいる。当初はオリジナルを日本版にしただけの内容だった。しばらくして読んでみると原作に平井和正がクレジットされ、ストーリーが完全に悩めるヒーローになっていてびっくりしたのを覚えている。当時このマスターベーションのくだりを読んでいたらショックを受けていたのではないか? というよりわけわからなかっただろう、たぶん。「スパイダーマン」はちゃんとコミックスを読んでみたいと切に思う。池上遼一作品として、「I・飢男」とともに忘れられないマンガなのだ。  
 それから著者がこだわっている宮谷一彦作品も一度読んでみたい。高校時代、真崎守の青春劇画にはまった者として何かしら得るものがあるだろう。  

 改題の「あの頃マンガは思春期だった」は内容を的確に表わしているとは思う。が、僕としては「青春マンガ列伝」の方がいい。著者側に立った書名か、マンガ側かの違いなのだ。これはあくまでも著者が青春時代に触れたマンガ群だろう。


2001/03/21

 「ホンモノの文章力 自分を売り込む技術」(樋口裕一/集英社新書)  

 かつて文庫本ブームというのがあっった。それまで岩波、新潮、角川、旺文社(今は廃刊)ぐらいしかなかった文庫が今では各社出すのが当たり前のような状況になった。  
 文庫の次は新書とばかりに、昨年あたりから新書ブームが巻き起こっている。文庫の時と同じように各社参入である。文春新書、集英社新書、宝島新書、PHP新書等々。この新書が書店の棚に並んでいると知的心をくすぐる書名をみかけるものだ。  
 文章読本モノだとどうしても手にとってしまう。  
 少しでも文章を書く際の知識になればと、これまでもさまざまな文章読本を読んできた。だからといって、いい文章が書けるわけもないのだが。ま、これも一つの趣味といえるかもしれない。  

 本書を図書館で見かけた時、副題の〈自分を売り込む技術〉とは何かという興味がまずわいた。  
 著者はまったく知らない人だったが、翻訳家で学生たちに小論文の書き方を教えていてかなりその道では有名な講師だとのこと。  
 つまり小論文でいい点数を稼ぎ、大学に合格すること、それが自分を売り込む技術だということだ。  
 内容は小論文の書き方に一番ページ数を割いており、次に作文、エッセイの書き方、手紙・eメールの書き方と続く。  
 学生時代小論文なんて書いたことがなく、だから逆にその書き方に仕事上の通じるものを感じた。小論文にはフォーマットがあって、それに乗っ取って書けば容易であると。それが「Ⅰ問題提起 Ⅱ意見提示 Ⅲ展開 Ⅳ結論」。  
 この結論に達するまで僕自身が一番印象に残ったのは欧米人のディベート方法を解説するところ。  
 ある意見に対して3つの問題点がある、と言いながらその人は2点しか反論しない。つまり「あなたの意見に関して3つの問題点がある」という言い回しは決まりきった文句で、問題点の数に頓着しないらしい。というか、問題点は後から考えるとのこと。こういう論法を覚えておけば僕も〈できる人〉に見えるのかしらん。  

 ちなみに作文・エッセイのフォーマットは「Ⅰ予告ⅡエピソードⅢテーマⅣまとめ」。eメールには左詰、段落は1行空け等の独自の作法があるとのこと。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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