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 志村けんの初主演映画として企画された「キネマの神様」はどうなってしまうのだろう?
 主役の急逝によってポシャってしまうのか?
 ジュリーが代役するとニュースで知って安堵した。そういう手があったか!

 小学4年のときに始まった「8時だよ! 全員集合」は土曜の夜の愉しみだった。いや、当初はフジテレビの「コント55号の世界は笑う」が大いなる愉しみだったのだ。裏のTBSでドリフターズの番組が始まって評判を呼ぶと、「世界は笑う」の視聴率がみるみる落ちていって終了となってしまった。「全員集合」の話はクラスで話題になっていたが、コント55号ファン、萩本欽一の笑いに心酔していた僕はチャンネルは8を選択していた。「世界が笑う」が終了して迷うことなくチャンネルを6に合わせ、見事ハマったという次第。
 午後8時からの「8時だよ! 全員集合」、続く午後9時からの「キイハンター」は当時の子どもたちにとってまさにゴールデンタイムだったのはないだろうか。翌日が日曜日ということもあって、ワクワクものだった。

 志村けんとジュリーのコントを最初に観たのは「8時だよ! 全員集合」だった。後半のコント特集で。
 荒井注が脱退して、付き人だった志村けんが正式メンバーになったころについてはよく憶えている。ジュリーを相手に志村けんがするどいツッコミをする。TVの前に僕は大笑いだったが、なぜか向こう側では笑いがはじけない。客席の子どもたちは無反応。新入りメンバーに冷たかった、というか、様子見だったのか。
 何をやっても受けないという状況が続いた。コントが面白くないのではあれば仕方ないが、実際のコントは爆笑ものだったから、観ている僕にはつらいものがあった。

 やがて志村けんは「東村山音頭」や「カラスの勝手でしょ」で人気者になるが、僕はといえば、フジテレビで始まった「欽ちゃんのドンとやってみよう」に夢中になっていたような。
 もう高校生になっていてドリフでもないだろうという気持ちと、欽ちゃんに「世界が笑う」の雪辱を果たしてもらいたいという希望もあって。

     ◇

2002/12/26

 「志村流」(志村けん/マガジンハウス)  

 副題に〈金・ビジネス・人生の成功哲学〉とある。  
 「変なおじさん」、その続編「変なおじさんリターンズ」の版元は日経BP出版局。著者と出版社の取り合わせがミスマッチだった。
 今度の版元は役者やタレントとの結びつきが深いマガジンハウス、それはいいのだが、ビジネスマンに対して成功哲学を伝授する内容だと知って、なぜこういう傾向になるのかと企画意図を勝手に考えてみた。
 
 「8時だよ 全員集合!!」の志村けんに熱狂していたかつての子どもたちが30代になっている。ビジネスマンとして中堅どころだ。ビジネス本の主要ターゲットだろう。またドリフターズのメンバーが個人活動になってから、コメディアンとして一番活躍しているのが志村けんであり、見習いから出発した芸人がいかに大物になったのかという足跡は、歴史上の人物の出世物語同様、いやそれ以上に若いビジネスマンにとっても興味深いことだ。  
 編集担当者はそこらへんを狙ったのではないか。  

 この不況時代、リストラが日常茶飯事になってつらい毎日をおくるサラリーマンが生き残るには……という趣旨のもと、数々の提言をしてくれる。人生を1日24時間に置き換えて自分が何をするべきか、お金の有効的な使い方、常識がいかに大切なことか、真似の極意等、それなりに読ませてくれるが、読者におもねるようなことをせず、自分自身のドリフターズや個人活動における芸について思う存分語ってほしかった。
 
 今TVで当たり前のようになった素人ビデオのハプニング集が著者のアイディアであることを知った 。 
 「全員集合」の終了後、「加トちゃんけんちゃんごきげんテレビ」が始まり、その中の1コーナーで全国からビデオを募集して、面白いものを放送したらと著者は提言する。最初は反対されるが、やがて番組の中で一番の人気を呼ぶことになる。そうなるとTBSはこの企画をアメリカの局に売る。今、TVで見ることができる海外の素人ビデオの発想の源は「加トちゃんけんちゃんごきげんテレビ」にあったのだ。莫大(かどうか知らないけど)な著作権料はTBSに入ってきて、企画を考えた著者には一銭も入ってこない……




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Author:kei
新井啓介
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まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)

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