昨日(28日)は恵比寿ガーデンシネマで「ビューティフル・アイランズ」を観る。水曜日は1,000円なので。先月の「シネマDEりんりん」のゲストがこのドキュメンタリーを撮った監督さんだった。元NHKのディレクター。この映画についてはまた項を改めて。

 帰りに新宿駅で降り、歌舞伎町のはずれで営業している某バーへ。「シネマDEりんりん」で知り合ったM氏(映画監督)が水曜日だけバーテンをしている。やっと寄ることができた。店の外も内もゴールデン街のお店みたい。ブルドッグ3杯。いろいろ映画の話を終電近くまで。

          * * *

2010/06/14

 「ゴールデンタイム 続・嫌われ松子の一生」(山田宗樹/幻冬舎)

 「嫌われ松子の一生」の続編なんて成り立つのだろうか? それが本書を見つけたときの第一印象だった。ヒロインの松子は前作で死んでいるのである。いや、冒頭から死んでいて、その半生を甥っ子(&自身)が追いかけるのだから、できないことはないか。いやいや、松子の生き方について前作ですべて語ってしまっただろうに。あれ以上何を書くというのか。

 主人公は、甥っ子の笙と元恋人の明日香。かつてふたりは同じ大学に通っていて、一緒に松子の半生を追いかけていた。その最中、ある天啓を受けた明日香が笙の元から去って行ったのだ。自分の進む道はやはり医学なんだと、もう一度受験をやりなおしたい、と。
 九州の国立大学医学部に通う明日香と、大学卒業後就職せず(できず)にアルバイトをしている笙。
 対照的な日常生活が、交互に並ぶふたりの一人称による語りによって進行していく。
 笙に25、26年前の自分を見て、夢中でページを繰っていた。「何が嫌われ松子の続編なのか?」なんて疑問はどこかに消えていた。下北沢が主な舞台になっているのも親近感がわく。商店街から離れたところにラブホテルがあるとの記述があるがわざとなのだろうか? 商店街に2軒ありますからね。どうでもいいや。
 あるきっかけから笙が小劇団の一員となり、次第に芝居に夢中になってく過程が興味深い。劇団の裏側や芝居のイロハ(発声練習等)が描かれているところが。「ういろう売り」を実際に見てみたいものだ。

 いろいろあってふたりが再会するくだりがクライマックス。
 お互い別々の道を歩いていることは理解している。笙にしてみれば、これから自分の進むべき道がわかったことを伝えたかった。明日香は、芝居の道に進もうとする笙に意見する。笙は怒る。反発する。
 ここで得心するのだ。この小説が 「嫌われ松子の一生」の続編であることを。

 笙の立場から次のように書かれている。

    ◇
 明日香も、ああいう人間の側に立っているのか。俺とはもう、住む世界が違うのか。
「医者になって社会の役に立てたら有意義な人生で、俳優を目指して挫折したら、うすっぺらな人生か? ひらのサラリーマンで終わったら、うすっぺらな人生か? ホームレスになって公園で野垂れ死んだら、うすっぺらな人生か?」
 俺は、息を深く吸った。溢れてくる感情を、抑え込んだ。
「松子伯母さんの人生は……うすっぺらな人生だったのか?」
    ◇

 涙が出てきた。それはまさに常日頃自分が考えていることだから。


2010/06/05

 「日本人が忘れちゃいけないこの落語」(三遊亭圓窓/ベストセラーズ・ベスト新書)

 圓生襲名は結局のところどこに落ちつくのだろうか。
 生前、圓楽(五代目)は、弟子の鳳楽に襲名させるとマスコミに発表した。同時に発表された楽太郎の圓楽襲名は、今年になって無事披露目が行われた。
 圓生襲名の方は円丈が名乗りを上げ、鳳楽と「圓生争奪戦」なる落語会を開催した。ある種のイベント、出来レースだと思っていたら、圓窓も参戦し三つ巴の戦いに。この争奪戦、マジだったのだ。円丈は圓窓の襲名に「消極的賛成」とのこと。要は二人とも、圓楽(五代目)の横暴許すまじ! なのである。
 そんなときに図書館に棚で本書を見つけた。
 有名どころの噺について解説している。

 CD「替わり目」が付録でついているのが新書では新機軸だろう。返却日までに借りてきた本を読むのに手一杯。聴き忘れてしまった。
  

2010/06/19

 「昭和の爆笑王 三遊亭歌笑」(岡本和明/新潮社)

 (後で記入)


2010/06/21

 「THE芸人学 すごい!お笑い」(ラリー遠田/東京書籍)
 
 〈戦国時代をサバイバルする30人の成功法則〉の副題がつく。
 著者の名前は最近ネット記事でよく拝見する。若手からベテランまで今を代表する芸人たちがいかに売れっ子になったのか、どのように人気を持続しているのかを解説しながら、さまざま局面におけるビジネスや人間関係のあり方を伝授する。少々見方を変えた芸人評論といったところ。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

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