今朝の朝日新聞、訃報欄が目に入って声を上げた。
 今野雄二氏の死――

 最近は、表舞台に登場しなくなってしまい、何をしているのだろうと思うこともあった。
 70年代は「11PM」で新作映画の紹介でお馴染みだった。愛川欽也が司会の水曜日。映画評論家のイメージが強いが、音楽評論家でもあった。
 
 近所の駄菓子屋Nには焼きそばを食べるコーナーがあって、雑誌やその昔の貸本の類が閲覧できるよう置いてあった。
 中学2年生。確かセブンティーンだったと思うが、グラビアで映画「フレンズ」の1シーンをバックにエルトン・ジョンの主題歌が訳詞で紹介されていた。僕は店の人に黙ってそのページだけ切りとって持ち帰った。たまにその切抜きを眺めるときがあるが、ずいぶん経って訳詩が今野雄二とクレジットされているのに気がついて驚いた。

 ♪僕たちが齢をとるなんて、それは犯罪

 当時はこの詞の意味がわからなかった。
 30代、40代になって実感できるようになった。

 キネマ旬報のベストテンではいつも洋画しか参加せず、それじゃ映画評論家ではなくて洋画評論家じゃないかと毒ついたことも。キネマ旬報を毎号購入していた高校時代だ。
 キネマ旬報連載の「小林信彦のコラム」で三宅一生と藤竜也に似ていると書かれたことがあったと思う。確か三宅一生と藤竜也は似ていないのだが、真ん中に今野雄二を置くと3人が相似形になると指摘されていたような。

 平凡パンチの編集者出身だと知ったのは最近である。
 うちの父親と同じ名前。

 享年66。
 新聞には死因が書かれていなかった。
 嫌な予感がした。
 やはりそうだった。
 ネットニュースには自殺の文字。
 哀しい。

 合掌




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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