承前

 「インセプション」のラストをどう解釈するかでずいぶん印象も変わるのではないか。あれは夢か現実か。
 独楽をまわす手前で終われば、どちらにも解釈できた。映画では勢いよく廻っていた独楽のスピードが落ちてふらついてきたところで暗転する。ふらつくってことは最終的には止まるってことだろう。ならば考えられるのは一つ。僕はそう思った。映像から受ける印象とは別に。止まっていないのだからと逆を予想する人もいる。そう考える人が大多数だろう。

 「ブレードランナー」は公開時まったく人気がなかった。評判もさんざんでこの映画を観た新入部員の女の子(大学の自主映画制作サークル)が「全然意味がわからない」とか何とか感想を語っていたのを耳にしている。実際に映画を観に行って、他人の感想がいかにアテにならないかわかった。その世界観、特撮、どれも大満足。
 唯一気に入らなかったのがエンディング。デッカード(ハリソン・フォード)がレプリカントのレイチェル(ショーン・ヤング)を連れて、逃亡するシーンは、デッカードのナレーションを含めて、とってつけたような印象だった。後にビデオで観たビデオ(「最終版」「ディレクターズ・カット版」)のエンディングの方が断然いい。

 この映画は観るたびにレイチェルの孤独が胸に迫ってくる。

 ということで、夢の話の続きを。

     ◇

 ●も一つ夢の話 ~ケースケくんセスナ機に乗る?~ 2005/09/05

 高校3年の、年が明けた1月。大学受験が身近に迫ってきた頃に見た夢だ。
 突然、目の前に作曲家の小林亜星氏が現れた。セスナ機の操縦免許を取ったので、乗らないかと誘われた。どうやら私と小林氏は知り合いらしい。
 ちょっと心が動いたが、私、飛行機って苦手なのだ。丁重にお断りした。すると、小林氏、通りがかった見ず知らずの人に声をかけた。その人、うれしそうに乗ってしまうんだ、これが。
 道路を滑走路にしてセスナ機は舞い上がった。大空を急上昇していく。
「すごい! すごい!」
 私の目はずっとセスナ機を追いかけている。
 と、突然急降下! そのまま田んぼに突っ込んだ。大爆発!!

 この時期、よく飛行機が墜落する夢を見たものである。
 家にいて、ヘリコプターの音がうるさいので、外に出てみると、どうも様子がおかしい。案の定あっというまに田んぼに落ちて炎上、あたり一面火の海になってしまい、怖いの怖くないの、なんていうのもあった。

 こうした夢、すべて正夢だった。
 もちろん飛行機は墜落しない。
 受験した大学、すべてに落ちたという意味で。
 嗚呼!


 ●ランド・オブ・ザ・デッド 2005/09/13

 別に映画を観たわけではない。ゾンビに関係していたらタイトルは何でもいいの。
 またまたまた夢の話。

 一軒家。なんと私の自宅である。かみサンとふたり。窓から外を見ると、ゾンビが徘徊している。
 あわてて、家中の鍵をかけまわるが、勝手の扉を閉め忘れた。気がつくと、若い男のゾンビがキッチンにいる!
 包丁をとりだして応戦するものの、ちっとも敵に当たらない。
「あっち行け! あっち」
 そのうち二人、三人とゾンビが侵入してきて……

 恐怖のあまり大声を上げて、目が覚めた。時計を見ると朝の5時。
 いやはや本当に怖い夢だった。


 ●衝撃! 驚愕! 大地震!!  2006/03/17

 住む家に対する忸怩たる気持ちが強いからなのだろうか、ある周期で家の夢をみる。
 見知らぬ家(部屋)にたたずむ自分。しばらくしてそこがわが家だとわかりホッとする。いや~、なかなかいい部屋じゃないか、なんて思いながら家中を歩き回る。
 それは学生時代にさかのぼってアパートの一室だったり、結婚してからのマイホーム(アパート、マンション、一戸建て)だったりと、時代や場所はさまざまなのだが。
 こんな家に住みたい、こんな間取りがいい。常日頃の願望が夢に現れるのか。

 一昨日の夜も続けざまに家に関する夢を見た。
 最初はある大きな古い、でも由緒あるマンションの一室を私が借りていて、一ヶ月ぶりくらいに帰宅したところから始まった。というと私は大学生で夏期休暇か何かで郷里に戻っていたということなのか。
 帰ってくると、通路に面した壁が腐りかけていて、そこから部屋の中に入れるくらいの穴があいている。驚いて中に入ると、別に誰かが侵入した様子はない。
 しばらくするとまったく面識のない男二人が部屋の前まで来て(壁の穴から外がみえるのだ)、何やら話しをしている。人がいるから今日はやめておこう、とか何とか。私はピンときて二人の後を追いかけた。階段の踊場で二人をつかまえた。
「あんたたちいったい何しに家に来たんだ?」「留守の間、あの穴から中に入っていたんだろう?」「部屋で何してたんだ?」
 私は大声で詰問する。すると相手は逆ギレして襲いかかってきた。
「バカヤロウ、留守の間、ずっと部屋の掃除してやっていたんだろうが」

 ここでパッと場面が切り替わる。
 夫婦ふたりで新居となる家を不動産屋といっしょに訪ねている。娘は自宅で一人留守番だ。昼間のこと。急にあたりが揺れだした。
「地震だ!」
 あわてて外に飛び出した。揺れは止まらず、激しくなるばかり。地響きというものを初めて聞いた。道路をはさんだ目の前の家の2階の窓が割れ、破片が下に落ちてくる。いたるところの家の窓がきしむ。壁が崩れ落ちる。
「大地震がついにやってきた……」
 尋常でないあたりの光景に足が震えてきた。娘の安否は! 上からの落下物をよけながら、どうにか進んで、自宅に戻った(自宅はすぐ近所だった)。なぜか一戸建て。
 玄関のドアを開け、娘の名を叫ぶ。返事がない。娘の部屋は2階。そのまま駆け上る。無人。娘は何より虫と地震が大嫌いなのだ。不安でいっぱいになった。まさか!? もう一度叫んだ。
「お父さん!」
 階下から声が。階段を降りようとすると、娘が泣きながら駆け上がってきた。そのまま胸に飛び込んでくる。

 そこで目が覚めた。時計を見たら夜中の2時。しばらく寝られなかった。それは地震の惨劇を目の当たりにしたということより、娘との一件に感動したというか……
 いっしょに家を見ていたかみサンはどうしたんだ?


 ●ジュマンジュの悪夢 2006/03/28

 またしてもとんでもない夢を見てしまった。

 舞台は子ども時代に過ごした長屋みたいな自宅。
 どういうわけかそこがわが家。
 部屋にいると、突然地響きがする。慌てふためき、南側の、道に面した部屋に走り、外を見た。何てことだろうか、前の道を何十頭もの象が駆け抜けていくのだ。その数、そのスピード、その迫力。
 なぜか、家人はのんびりしたものだ。聞くところによると、近所に象の飼育所があり、年に何回か、ストレス解消のため、近所を走らせるということなのだが……。
 象の最後尾にサイもいた。サイが方向転換してこちらに向かってきた。
 やばい、やられる!!

 そこで目が覚めた。時計を見ると夜中の2時過ぎ。トイレへ行き、横になっても目が冴えてしまって眠れない。こうしてPCの電源を入れてちょっと時間をすごしたのだった。




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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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