「アバター」が大ヒットしてからというもの映画業界に3D旋風が吹き荒れている。猫も杓子も「3D! 3D!」。うるさいったらありゃしない。ブームに乗り遅れるなと、意味もないのに3D化されて公開されている映画もあったりして。

 「アバター」のレビューでも書いたけれど、何度も言うぞ。
 本当の立体映画だったら、そりゃ価値はあるだろう。が、もてはやされている3Dは昔ながらの似非立体画像。左右赤と青ではないにしろ、ちょっと色の入ったメガネをかけるのは変わりない。2時間近く、あるいはそれ以上邪魔くさくてたまらない。
 映画がトーキーになったとき、あるいはカラーになったとき、スクリーンサイズがシネスコになったとき、何か観客に負担をかけることがあっただろうか? 

 だいたい、立体に見えるから何だと言うんだ! 映画の面白さに立体(に見えること)がそれほど重要なのだろうか?

 ひとつ、「アバター」のレビューで書き忘れていたことがあった。
 メガネを通すと、スクリーンが極端に小さく見えるのだ。確かに映像は立体になったものの、スクリーンサイズはちょっと大きめのTVモニターでしかない。「あれっ?」と思ってメガネをはずすとスクリーンは巨大になる。日劇の、あの東京で一番大きな劇場のスクリーンがTVモニターよ。そんなの許せるか?

 似非立体の映像が、もうとんでもない迫力で、めくりめく世界を堪能させてくれるのだったら、まだいい。そこまでの実感なんてない。ちゃんと3D映像を前提として設計された「アバター」でさえそうだったのだ。そうでない映画、営業上3D化された映画なんてまるで意味がない。やはりアトラクションなんである。5分なり10分なり楽しめれば御の字。メガネかけて「おお飛び出る飛び出る」とちょっと騒いでおしまい。しょせん(今現在の映画の3D)なんてその程度のものなのだ。
 そんなアトラクションのために、通常の入場料より300円余計に払い、2時間前後、メガネの圧迫感に耐えなければならない。そんなことより、もっと映画本来の面白さを追求してほしい。

 もしかすると3D化で一時観客は増えるかもしれない。しかし、そんなのは長続きしない。似非立体なんてすぐ飽きてしまうだろう。

 3D上映は一切拒否することにした。「アバター」以降、もし2D上映があるなら2Dを観ることに。無駄な出費はしたくない。
 困ったのは「トイストーリー3」である。地元のシネコンでは3D上映しかしないのだ。トイストーリーの世界を3Dにするってことに少々疑問を感じるのだが、まあいい。
 地元シネコンでは、60ポイント貯めて無料で観られる。では、その招待券に300円上乗せすれば「トイストーリー3」が観られるかというと否なのだ。なんだそれ?! 別に満席になるわけじゃないんだからさ、この制度、ぜったい間違っていると思う。
 誰が3Dの「トイストーリー3」なんか観るものか。
 では、どこで2Dを上映しているか?

 品川プリンスシネマのレイトショーがあった。
 が、いまひとつ気が進まない。
 そのうち、「トイストーリー3」より「ヒックとドラゴン」の方が面白いとの声が聞こえてくるようになった。
 実はこの映画、予告編を初めて目にしたときから引っかかるものあった。

 この項続く




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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