高校1年になってすぐに観た映画「青春狂詩曲」&「ひまわり」。異色のカップリングだ。
 教育的要素の高い独立プロ(?)作品の「青春狂詩曲」を近隣の中高校生に鑑賞してもらいたいのだが、それだけでは集客がおぼつかないので、すでに名作の誉れ高かった「ひまわり」を撒餌としたのだろう。
 もちろん僕らの目当ては、ヴィットリオ・デ・シーカ監督、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ共演の「ひまわり」。ところが、文部省(当時)推薦の映画なんてとハナから期待していなかった「青春狂詩曲」が意外と面白かった。主人公が同年代だから身につまされるし何かと考えさせられたのだ。
 主役の一人にモヒカン刈りにする高校生がいて、とても印象深かった。

 9年ほど前になる。某インディーズ映画制作集団の定期的な上映会に足しげく通っていたころの話だ。
 その日、上映会後の打ち上げにある俳優が参加した。「仮面ライダークウガ」で警視庁のベテラン刑事・河野を好演した田口主将さんだった。特撮ヒーロー番組にはあまりお目にかかれない役柄だったので放送中ずっと注目していた。本人が目の前にいるのだから驚くと同時に好奇心でいっぱい。打ち上げの席で質問攻めにした。8ミリ映画で自主映画を撮ったこともあると聞いて、取材させてもらうことに。ちょうどサブカル・ポップマガジン「まぐま」でインディーズ映画特集号に取り組む寸前だった。
 田口さんのご自宅で、自作映画を観ながらのインタビュー。その中で実質的な俳優デビューが「青春狂詩曲」であることを知った。
「何の役だったんですか?」
「モヒカンになる高校生……」
「ええ!」

 「ひまわり」の音楽はヘンリー・マッシーニ。テーマ音楽を聴くだけで涙がでてくる。


     ◇ 
 1975年6月14日

 Kちゃんと二人でPM6:00から映画を見てくる。
 「青春狂詩曲」と「ひまわり」。2作ともよかったが、よかったの意味が違う。

 「ひまわり」の方はさすがデ・シーカだけあって見事な映画だった。ソフィア・ローレンが泣くところなんて、女の悲しさがものすごく心にきた。わかる気がした。はるばるソ連へ来て、行方不明になった夫をやっと見つけたと思ったら夫は別の女と結婚して子どもまでいた。男からするとそれはあまりに当然だったと思う。自分を死から救ってくれた。その行為はこの世では絶対のものだ。本当に悲しい映画。

 「青春狂詩曲」はものすごく身近に感じた。
 彼の考え方、衣服、くつ、etc が僕のまわりの奴とそう変わりない。そこがよかった。そんなドラマティックにもしなかったのに、おもしろくないわけでもない。
 Kちゃんと映画についていろいろ話ができてよかった。




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新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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