2010/11/01

 「萩原健一 トーク&ミニライブⅡ ANGEL or DEVIL」(なかのZERO 大ホール)

 承前

 横浜のとき、ショーケンの隣でギターを弾く長井ちえの貫禄に圧倒された。別にちえさんが太ったとか歳とったとかいうのではない。余裕、だろうか? 全身から自信がみなぎっていて、ギターの構え方、指さばきに思わず「姉御!」と跪きたくなる。年齢は彼女の方が下だろうけれど。 音もよかった。
 ほんとすぐ目の前ですからね。
 髪が伸びたショーケンは注目の的だったけれど、イライラしている姿を何度も目撃するのは辛いですもん。返しのイヤフォンの元が外れて右往左往したり、もっと音量上げろと舞台ソデ(のスタッフ)に伝えるも反応がなくて鬼の形相になったり。
 ブルースハープをジャケットのポケットにしまおうとして、上手い具合に開かなくて何度もやり直したり。これはニヤニヤ。

 今回はそんなシーンは皆無だった(と思う)。正面にはショーケンがいるのだから始終見つめていた。基本は白のシャツに白のパンツ。それに様々なジャケットやマフラー(?)を組み合わせていく。
 大好きなナンバーばかりだ。
 前回は視界の外だった瀬田さんもしっかり確認。銀座のときはテリー伊藤だったけれど、今回はもっとワイルドなちゃぼ、かな。

 ショーケン、「ぐでんぐでん」を歌いながら斜め下ばかりを見つめている。あれ、もしかして? やはりそうだった。カンペを見ていたのだ。カンペに頼るショーケンを初めて見た。少なくともこれまで見たコンサートでは。
 そんな姿にニヤニヤしてしまった。ショーケンが歌い終わってソデに消えたとき、隣の女性が笑いながら僕に言う。「カンペ見ないでよ、ねぇ?」
 すかさず僕が答えた。「でも、あの距離から字が読めるってすごいですよ」
 老眼だったらつらいのではと思ったのだ。字の大きさがどのくらいか、わからないけれど。
 この数年、自分がなったから推測できる。近眼だから裸眼なら何でもない。コンタクトレンズをするととたんに本の字がかすむ。コンタクトして老眼鏡して。何それ!


 テンダーナイト/GOD BLESS YOU(去年の暮れー予感)/Ah! Ha!/ぐでんぐでん


 そういえば、横浜の(前述の)女性から訊かれた。「どうしてそんな冷静でいられるの?」
 十分熱いって。でも、陶酔するまでにはいかない。たとえば「ANDREE MARLRAU LIVE」でも一番前の客はステージにへばりついて、両手を挙げて一心不乱で「ショーケン! ショーケン!」と叫んでいた。
 とてもじゃないけれど僕には真似できない。ショーケン節、パーフォーマンス、バックの演奏。すべてを体感するにはもっと醒めていなければ。
 そういう意味では一番前の席はいい席とはいえないのだ。4列中央付近はいい距離だと思ったが、実際行ってみたらもっといい席があった。2階の一列目だ。ステージのすべてが見渡せる! 立たなくていい! なんて、そんなわけにはいかないけれど。

 今回のステージングについては、半分はコーラスのAHaちゃんにゆだねられている。銀座に比べて驚くほど前面に出ていた。デュエットというか掛け合いの「54日間、待ちぼうけ」なんて衝撃だった。横浜ではあまりの衝撃で落ち着いて聴けなかった。CDでは途中で涙がでてきた。AHaちゃんのヴォーカルはファンの声を代弁している。

 ♪お願い みんなのもとに 返して


 大阪で生まれた女/ラストダンスは私に/54日間、待ちぼうけ/ハロー・マイ・ジェラシー

 どなたかのブログで彼女のヴォーカルを含めてそのアレンジを歌謡曲っぽいと評してた。
 だとしたら叫びたい。「歌謡曲、上等じゃないか!」


 この項続く




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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