2010/11/20

 「紙ふうせんリサイタル2010 なつかしい未来VOL.5」(サンケイホールブリーゼ)

 その1から続く

 東牟婁郡太地町は(ひがしむろぐんたいじちょう)と読む。

 本年度(2009年)アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞したことで「ザ・コーヴ」が日本で話題になった。もちろん悪い意味で。この映画は日本のある地域のイルカ追い込み漁を批判的に描いているからだ。批判するためにかなり恣意的に捏造して撮影したらしい、と。ある地域とは和歌山県太地町。
「あれ? ここって、もしかして?」
 クジラ漁を歌った伝承歌「太地綾踊唄」の町ではないのか。

 僕はシーシェパードにもベジタリアンにも与しない。
 たとえば、アフリカなどで絶滅寸前の生物を守るため密漁を阻止するというのならわかる。そうでないのなら他国の文化に口出ししてはならないと思っているからだ。イルカは知的だから豚や牛みたいに食用にしてはならないなんて勝手な論理だろう。
 そういう意味ではベジタリアンも自分勝手ではないか。植物なら食べてもいいなんて。植物だって生きているんだぞ。彼らの耳元で「手のひらを太陽に」を大合唱してやれ。僕らはみんな生きている!
 確かこの地域ではイルカが大量に発生して漁の邪魔になるので駆除している、と聞いたことがある。

 「ザ・コーヴ」について後藤さんはどう考えているのだろうか。そんなことを思った。もちろん、かつて「太地綾踊唄」を取り上げレコーディングしたことがあるからだ。恒例の秋のリサイタルでも披露したことがある。04年の結成30周年記念と銘打たれたリサイタルだった。本格的に伝承歌を取り上げるようになった最初のステージだ。
 大好きな歌なので、また伝承歌特集で歌ってもらえないかと願っていた。
 しばらくして、その太地に後藤さんとえとうさんが旅したと知った。えとうさんに聞いたのだ。そのときは確認しなかったが、もしかしてと思った。もしかして、リサイタル特集の取材じゃないか?
 10月に確認できた。やったぁ! 心の中で叫んだ。しかし、訊けなかった。「太地綾踊唄」を歌うのでしょうか? 太地町を取材して作った歌を披露するだけもありえたので。
 その後、コーラス&ギターのすぎたさんが自身のブログに書いていた。リサイタル時に上映するビデオを撮影しに行ったと。撮影場所を明かさずに。コメントして訊きたかったがやはりできなかった。「太地綾踊唄」を歌うのでしょうか?

 それがそれが! それもアカペラで。ちょっと違うか。すぎたさんの太鼓だけが刻まれる。何の太鼓だか知らないが、これが良い。

 
  エー明日は吉日エー 砧打つエーヨーイヨイ
  エー明日は吉日エー 砧打つエーヨーイヨイ 
  若い娘たちも出ておいでアーホイ
  砧踊りは面白や エー面白や ホイ

  エー何とさいたるエー 枕やらエーヨーイヨイ
  暗い夜中でも目を覚ますアーホイ
  砧踊りは面白や エー面白やホイ

  アーホイ エーくじらをうちの子がつきおいてエーヨーイヨイ
  春が来りゃまじろや伊勢様へホイ
  砧踊りは面白や エー面白やホイ 面白やホイ
 

 次の「流れ星」は太地町に宿泊したときに夜の海を観ながらイメージした歌なのだろう。これまでも何度か書いているが、新曲はステージだけでなくCDで聴きたい。一回だけだと会場を後にしてからのイメージが喚起されないので。
 太地町の思い出話をもっとしてくれるかと思っていたのに、ビデオだけでそれ以上の説明はなかった。後藤さんらしい。
 まあ、いいや。来年、太地に一人旅しよう。
 肌で感じてくる。
 決めた。


 太地綾踊唄/流れ星

 
 この項続く




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Comment
No title
「流れ星」というのは思い出すのが赤い鳥の最後のLP書簡集にある作品。作曲・作詞がジローさんで、編曲が深町純さんでした。それとはまた違う作品なんだろう、きっと。 あらためてLP書簡集を見ると編曲・アレンジなど深町純さんの名前があるある。昔から赤い鳥を通じて親交があったんだろう・・・ どこで知り合ったのかな?当時の話も聞いてみたいものだ(だった)
その2で2曲。今回もその5あたりまで期待できるのかな? そうそう東京につなげる予定だったと聞いていたので、変更して起承転結のその4あたり・・・かな(笑)
ジンギスカン さん
すいません、このところ通常の業務が忙しくなりまして、ブログにあたる時間がなくて、昨日は更新できませんでした。
ラストアルバム「書簡集」に収録されている「流れ星」は「ほたる」とともに胸にしみる曲ですね。ただ、後藤さんは作詞だけ担当していたような。作詞作曲は少なかったような気がします。
そこらへんについてはその3にて。
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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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