2010/11/20

 「紙ふうせんリサイタル2010 なつかしい未来VOL.5」(サンケイホールブリーゼ)

 承前

 平山さんの衣装(ジャケット?)には見覚えがあった。10月の番組改変期、テレビ東京の恒例歌謡番組に出演したときにも着ていて説明していた。南田洋子さんの遺品だと。長門・南田夫妻はふたりの媒酌人だった。1974年5月某日。赤い鳥がよく出演していた「ミュージック・フェア」が縁なのだろう。後藤さんはTSU-BA-SA時代の衣装にベストを組み合わせていた。リサイクル利用ですね。

 バックミュージシャンは、下手から今出哲也さん(ピアノ)、すぎたさん(ギター&コーラス)、浦野直さん(ベース)、そして金関環&ラ・ストラーダ(ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ)。レギュラーの3人の衣装は自由きままなもの。どちかというと地味め。対してラ・ストラーダは派手だった。金関さんは赤、第2ヴァイオリンの女性はピンク、ヴィオラは青、チェロはオレンジ。まるで「秘密戦隊ストラーダー」である。いやこれがほんとの「電撃!ストラダ4」か。
 ちなみにチェロはこれまでのテツandトモのトモに似ている方(安本さん?)ではなく、「中学生日記」の何代目かの担任教師、湯浅実をもっとやせさせ二枚目にしたような方。70年代NHKのドラマでよく見たタイプというか、「続タイム・トラベラー」の未来人を演じた3人のうちの一人のような。新劇畑の中堅で下北沢あたりの喫茶店や飲み屋で演劇論をぶっているタイプ。あっ、これ褒めていますから!

 今回、強力な助っ人がいた。おもちゃのグランドピアノ。といっても見た目はかなり本格派だ。そこらへんの街のおもちゃ屋で売っているようなものではない。色は黒だし形も本物っぽい。「流れ星」の前奏では平山さんが弾いていた。赤い鳥時代、「ちっちゃな子守唄」を歌うときってこんな感じで赤いグランドピアノを弾いていたのだろうか?
 赤い鳥ラストアルバム「書簡集」にも「流れ星」というタイトルの曲が収録されている。確か作詞が後藤さんで作曲が渡辺としゆき氏ではなかったか。そう思って調べてみたら、後藤さんの作詞作曲だった。後藤さんとのコンビで渡辺氏が作曲しているのは「ほたる」だった。「流れ星」と「ほたる」。どちらも後藤さんヴォーカルの心にしみる曲である。
 ところで「書簡集」の中で後藤さんの作詞作曲は珍しい。「夕陽おちる国のうた」「ほたる」は渡辺氏、「君を探して」は平山さんが作曲している。紙ふうせんのファーストアルバム「またふたりになったね」に傾注して、作曲まで手がまわらなかったのではないのかと勝手に推測している。
 ちなみに、「書簡集」は赤い鳥のアルバムの中でも一番フォークっぽい。

 第1部のもうひとつの特集が童謡組曲だ。

 「みかんの花咲く丘」でピンときた。通信教育で知られているユーキャンに「映像で綴る美しき日本の歌こころの風景」というビデオ・DVDセット(全8巻)がある。さまざまな歌手が歌う童謡、唱歌、流行歌が収録されている。
 この作品集の中で紙ふうせんが「みかんの花咲く丘」を歌ったいるのだ(ほかに「島原地方の子守唄」「時計台の鐘」「芭蕉布」)。ファンとしては歌声を聴きたいものだが、何しろ単巻売りはない。セット価格38,000円は手が出ない。
 次に童謡組曲があるとしたら、「赤い花白い花」「雨」「ちっちゃな子守唄」「夜店のうた」なんてどうでしょう。「雨」や「ちっちゃな子守唄」は紙ふうせんになってから歌っているのかどうか。おもちゃのピアノが登場すれば、赤い鳥ファンなら誰だって「ちっちゃな子守唄」を聴きたいと思うだろう。平山さんがおもちゃのピアノを弾く前奏でミスタッチをしてくれればよりベター! なんてね。
  

  童謡組曲 ~夕焼け小焼け/赤とんぼ/みかんの花咲く丘/蛙の笛


 「まつり」は夕焼けをイメージしたオレンジ色のホリゾントに感激。
 この曲が誕生したいきさつとともに、赤い鳥時代に芝居の音楽も担当していたことを話してくれた。野沢那智氏の劇団「薔薇座」の芝居。ああ、もう薔薇座だったんだ。

 「竹田の子守唄」は通常の歌詞に一番追加した「サンジュアム」バージョン。


  来いよ来いよと 小間物売りに
  来たら見もするし買いもする


 後藤さんが歌詞の意味を説明していた。以前も書いたことだが、『唄い継ぐこころ ~私の中の「竹田の子守唄」』を読めば、より深い「竹田の子守唄」世界を体験できる。


  まつり/竹田の子守唄
 
 
 この項続く




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Comment
No title
昨日、BSでXマスの曲に関係した番組を見ました。
Xマス、イヴの日・・・ このテーマでは紙ふうせんは無いんです、曲が。 「日曜日」「誕生日」の曲はあるんだけど、赤い鳥にもない。 季節感を取り入れている作品が多いのに12月を感じさせる曲は「冬が来る前に」
かな この曲は 色あせた肌 と 落ち葉が出てくるから11月頃の曲かな~と思ったりして・・。
偶然なのかな・・・ 今度聞いてみよ(笑)
ジンギスカン さん
実は、TSU-BA-SA時代の最初のアルバム「Angel on the Roof」の5曲目に収録されている「あなたどこかで」がクリスマスの別れを歌っています。後藤さんの作詞作曲です。私はこの曲でポインセチアという花の名前を知りました。

次のビル・ヒューズ作曲の「星の海」が個人的なお気に入りです。
追伸
ポインセチアって花なんですかね。売りは赤い葉っぱですから……

昨日は、その4を書いていたのですが、途中で断念しました。本日、UPします。
ちょっと「まつり」のところで書き忘れたことがあったので、追記しておきました。確か、ここでしゃべっていたと思うんですけど(笑)
No title
赤い鳥のコンサートで「ちっちゃな子守唄」は「もう一度帰ろう」などの会場のお客さんと歌ったあとに新居さん(向かって右)と泰代さん(向かって左)が正面にライトアップされて、泰代さんのおもちゃのピアノの演奏で始まります。間違えないように緊張した表情でうまく音が出てくれるかな と願うようにひき始めるんです。
そしてもう一曲「赤い花白い花」を二人で幸さおり姉妹のように歌うんですよ 女性陣の力の見せ所でした。
赤い鳥の最初に買ったEPは「赤い屋根の家」でLPは「竹田の子守唄」でした。最初は新居さんの声と泰代さんの声がわからなく、しばらくしてわかったという状況でした。(当時あまりTVに出てないもんね)
雑談でした・・・・
ジンギスカン さん
ビートルズでも、聴きはじめのころはジョンとポールの声の違いがわからなかったんですよ、私。

赤い鳥の歌で、今でもどちらが歌っているのかわからないものがあります。ユニゾンで歌っているんでしょうね。
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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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