2011/12/10

 「紡ぎあう言葉と音 ~華麗なる朗読と音楽の世界~」(杉並公会堂 小ホール)

 出演者と演目は次のとおり。

 
 ●金田瑠奈  「雪渡り」 宮沢賢治 作
         ギター:岡田泰孝

 ●桑原美由紀 「高瀬舟」 森鴎外 作
         フルート:阪田みづき
         ピアノ :西津啓子

 ●豊田眞梨子 「源氏物語より 藤壺」 紫式部 作
         大正琴:井上知祥

 ●葛村聡子  「ざわざわ」 服部和彦 作
         クラリネット:大森達郎
         マンドリン :武市綾乃
         ギター   :吉田峰男
    
 開演時間に15分ほど遅れて会場に到着すると、ロビーが殺気だっている。
 警官が3名、酔っ払いの中年男を相手に押し問答をしていた。あたりはアルコールの匂いが充満。酔っ払いが酒瓶を落として割ってしまったらしい。公演中は会場に入れないことがわかった。最初の演者が終了するまでロビーで待つことに。その間、ずっと警官と酔っ払いのやりとりを聞いていた。途中で屋外に出ていったが。

 音楽はいわゆる前衛というべきもの。「高瀬舟」のフルート&ピアノ、「藤壺」の大正琴、「ざわざわ」のクラリネット、マンドリン&ギター、みな僕好みで耳を捉われた。音楽だけをとりだして判断すれば「良い」ということになる。が、朗読とのコラボになると「?」となる。音楽の印象が強すぎて、また朗読と音楽がかぶさっているので、朗読に十分浸れないのだ。その世界になかなか入っていけない。音楽が邪魔してしまうのだ。朗読と音楽のコラボが掛算、足算ではなく引算になってしまっている。
 桑原さんの「高瀬舟」は、なぜかマイクがONになってなかった。最初から最後まで肉声のままの朗読。演奏の方はそれなりの音だから、声が音楽にかき消される状態になってしまう。情景を頭に描くのに苦労した。
 続く「藤壺」はマイクがONになっていたから、まだよかったが。

 終了後、会場を後にするお客さんの一人(男性)が連れの女性に「情景が頭に浮かばない」と文句を言っていたが、その理由は音楽(の演出)にあったと僕は思っている。
 朗読がとてもデリケートな芸であることがわかった。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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