スリムクラブの向かって左側の男。その背の高さ、しゃべり方、どこかで見たなあと思っていた。「エンタの神様」で何度か見かけたフランケンシュタインに良く似ていた。「うん、いいよ」の声が印象的だった。調べてみたら本人だった。ほんと、若手の芸人でさえ、本当のポッと出なんていないのだなあとちょっと感慨深い。

 その大きさ、その分厚さからいったら自宅で読む本なのだが、早く読了しなければと毎日持ち歩いている本が「映画脚本家笠原和夫 昭和の劇」(太田出版)。カバンが重い。電車の中の読書では腕が疲れて……。
 まったく期待していなかったのに出てきましたよ、ショーケンの名前が。かつて松竹で企画された「西鶴一代男」って、笠原和夫の脚本だったのか。制作はニーディー・グリーディ。「226」も笠原和夫だったのね。知らなかった。未だに観ていないもので。


          * * *

2010/12/13

 「SPACE BATTLESHIP ヤマト」(品川プリンスシネマ)

 前々項から続く

 ヤマトがイスカンダルに向けて旅立つ前のシークエンスで気になることがあった。地球には日本人しかいないのか? 敵宇宙人との戦いに日本の宇宙戦艦、日本人しか登場しない。これはその昔アニメのときでも指摘されていたような気がする。アニメではよくあるパターンでも実写になるとストーリーがストーリーだけにどうにもおかしな世界観になってしまう。地球全体の防衛軍ならば、せめて各艦にさまざま人種がいてほしい。あるいはなぜ日本なのか、なぜ戦艦大和に地球の未来を託すのか、何らかのエクスキューズがほしかった。女性の乗組員が増えたことは喜ばしいが。

 ヤマト乗組員になった人たちにユニフォームが配付され所属が告げられるところ。もしかしたら、僕の期待に応えるてくれるかもしれないと思った。実際それなりに満足させてはくれたのだ。食事風景、休憩時の模様。チーム古代のやりとりとか。
 もっと知りたかった。勤務体制はどうなっているのか? 各人の個室は? 規制はどうなっているのか。やたらとアルコールを飲んでいたような。
 高島礼子の佐渡医師も、オリジナル同様に日本酒の一升瓶を持つというのはどうか。同じ酒好きでも(日本酒が好きだとしても)、もう少しTPOを考えてくれよ。

 全体の印象は「スター・ウォーズ」+「平成ウルトラマン」。チーム古代なんてそのまま「ウルトラマンガイア」のチームライトニング、チームファルコン、チームクロウだ。森雪が優秀な女性パイロットというのは「ウルトラマンティガ」のレナ、あるいは「ウルトラマンダイナ」のリョウのイメージか。
 オリジナルファンはどうか知らないが、波動砲もかなりの迫力だった。あの宇宙の中を一直線で進む光線、どこかで見たなあ。平成ゴジラ、いやミレニアムゴジラ以降の作品で確かあんな画があった。地球上のゴジラが吐く放射能光線が宇宙まで届くという仰天映像だった。
 敵のデスラー、イスカンダルの女王、ともに役者が扮しなかったのは映画の見識だろう。ラストになって登場するCG仕様のデスラー、モデルは西崎義展ではないか。

 地球に帰還する寸前のクライマックスまで、まあこんなものかな、どちらかといえば好評価だった。アニメに思い入れがなければそれなりに楽しめるぞ、と。
 キムタクは主人公のキムタクを演じているのだと思えばいい。山田洋次監督の時代劇「武士の一分」だって、キムタクでしかなかったのだ。若い山崎監督に演技指導などできるわけがない。
 黒木メイサはユニフォーム姿がgood。その身体にフィットしたパンツ(ズボンのことだよ)にクラクラしてた。映画一番の見ものかも。
 ところが、地球を目の前にして絶対絶命になってからのドラマの展開に裏切られた。なんだ、結局アニメのアナクロニズム、安易なお涙頂戴方式を踏襲したわけか。ほんと、がっかりだ。
 せめて敵の攻撃が始まるまであとどれだけなのか、時間経過をきちんと示してほしかった。でないと緊迫感が生まれない。「スター・ウォーズ ジェダイの復讐」のクライマックスはまさにそういう展開だったではないか。


 【追記】

 結局、自分にとってアニメ「宇宙戦艦ヤマト」とは、宮川泰の音楽だった。この映画でも要所要所で、あの主題歌のメロディがスキャットとともに流れてきた。
 エンディングロールで確認すると、ヴォーカルはYucca。「龍馬伝紀行」第4シーズンでお馴染みになったあの声だ。売れっ子ですね。

 


関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
「マタンゴ」
NEW Topics
告知ページ
「花戦さ」&「22年目の告白 ~私が殺人犯です~」
「美しい星」
1分間スピーチ #15 倉木麻衣と宇多田ヒカル
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その4
ちょっとひとやすみ その4
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その3
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その2
「DONT LOOK BACK」
紙ふうせんシークレットライブ 2017 その1
Comment
No title
こんにちは。
笠原和夫さん、「宇宙戦艦ヤマト」も書いてるのですよね。
それだけですが・・・。
9の部屋 さん
書き込みありがとうございます。

調べました。「完結編」を書いているんですね。
ちょうど、戦争映画(「二百三高地」「大日本帝国」「日本海大戦 海ゆかば」)のころ。監督が舛田利雄なので、その縁で声がかかったのでしょうか? 
今まで読んだ「昭和の劇」(全体の4/5)では触れられてません。
完結編の内容までチェックしていませんが、笠原さんのことだから、自己犠牲で感動を呼ぶような展開にはしていないと思うのですが、どうなんでしょう。

Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード

Page Top