昨日は下北沢へ。北沢タウンホールの20周年記念イベント、成人式ということで「立川談四楼独演会」があった。無料。夜の部の演目は「柳田格之進」と「らくだ」。熱演。
 今日はFさんの招待で三鷹市公会堂の「春風亭小朝独演会」。仲入りを挟んで「試し酒」「池田屋」「愛宕山」。「うん」の声に志ん朝の口跡を聞いて感激した。終了後、Fさん、Mさんと荻窪の昭和居酒屋で飲む。

          * * *

2010/11/18

 「IN」(桐野夏生/集英社)

 「OUT」は江戸川乱歩賞受賞作家・桐野夏生の評価をより高めた作品である。アメリカのエドガー賞の最終候補作の一つになったことが大いに話題になった。まだミステリというジャンルに入っていた作品でもある。
 そんな作品と対をなすようなタイトル「IN」。なぜ今「OUT」/「IN」なのか? 「IN」というタイトルでいったい何を書いたのか? まさか、初心にもどって犯罪小説(ミステリ)を手がけたわけではないだろう。
 読み始めて、膝を打った。「そういうことか!」
 主人公の女流作家(死語?)が求める真相。某文芸作家の私小説「無垢人」で記した不倫の内情とは何だったのか。関係者に取材し書き上げようとしてる小説のタイトルが「淫」。
 作家と小説のモデルが島尾敏雄「死の棘」であることは読みながらわかった。大学生のときに文庫を買った。とてつもないリアリティ(だったか?)というキャッチコピーに惹かれて。内容は忘れてしまった。途中でうんざりしたことだけ覚えている。
 それはともかく、女流作家と担当編集者の関係に瞠目したのだ。これって「OUT」執筆時の桐野夏生と編集者じゃないか。「噂の真相」のゴシップ記事で読んだ覚えがある。
 ついに自分自身の経験をネタにしたのか! 
 とはいえ、その関係が「グロテスク」のように胸に迫ったか、ヒリヒリしたかといえば、それほどでもなかった。夫や子どもたちとの関係、心情がまったく描かれていないんだもの。それが狙いだとしても。


2010/11/23

 「吉田拓郎 終わりなき日々」(田家秀樹/角川書店)

 「豊かなる日々 吉田拓郎 奇跡の復活」(角川文庫)の続編にあたる。
  むしょうに「LIVE'73」が聴きたくなった。


2010/11/26

 「映画が目にしみる 増補完全版」(小林信彦/文春文庫)

 「映画が目にしみる」が文庫になった。単行本が出版されて3年が経ったのだから当然のなりゆきである。驚いたのは「コラムの逆襲」(新潮社)に所収されていた映画に関するコラムが追加されて〈増補完全版〉となっていたことだ。つまり「コラムの逆襲」は新潮文庫に入らなかった。この事実をどう受け取ればいいのだろうか。
 これまで新潮社から出版された小林信彦の単行本は一定期間(3年)後、文庫になっていた。中日新聞の連載が続く限りコラムシリーズは出版されていく。文春の「本音を申せば」シリーズとともに新刊が書店に並ぶのを楽しみにしていたのに。版元が文藝春秋になったのはともかく、装丁ががらりと変わったのにはがっかりしたものだ。
 3段組みの文章は最初読みづらくて仕方なかった。すぐに慣れたけれど。まあ本書も文庫には珍しい2段組みではあるが読み始めるとこれがまるで違和感がなかった。
 単行本は真剣に読んだのだけど、内容についてはすっかり忘れていた。版元や構成の変更ばかり気になっていたということだ。
 小林信彦ファンだけだと部数は決まっている。ファン以外の映画ファンに向けて編まれたのだろう。で、期待どおりに売れたのだろうか?
 改めて読んでみると、クリント・イーストウッド監督作品とニコール・キッドマン主演映画の大絶賛といった感じだ。確かにこの10年のクリント・イーストウッド映画にハズレはない。それは事実ではあるけれど。


2010/11/29

 「話のおもしろい人、ヘタな人」(立川談四楼/PHP研究所)

 ですます調の談四楼節で語る落語界ビハインドはすっと頭に入ってくる。 落語初心者、談四楼本初心者にはもってこいの内容ではないか。


2010/11/30

 「俺の後ろに立つな さいとうたかを劇画一代」(さいとうたかを/新潮社)

 自伝の第1章「原風景」、劇画執筆に触れた第2章「劇画」が興味深かった。第4章「持論」はあくまでも個人の考えなのだから許せるとして、第3章のエッセイは疑問だらけだ。
 石森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫らと同じ世代(「まんが道」に登場する激河大介はさいとうたかをがモデルだと思う)だから、アメリカ映画に影響を受け、〈アメリカ映画=映画〉人間なのは十分すぎるほどわかる。とはいえ、今も昔同様にアメリカ万歳はどうか。
 映画に対する思考が80年代あたりで止まっているような気がしてならない。「インディー・ジョーンズ」シリーズの最新作(第4作)を、過去3作同様に褒められても。また邦画の場合、黒澤明監督作品以外評価していないのも首をかしげたくなる。邦画のつまらなさをホラーを例にあげて説くのだが、ジャパニーズホラーのブームがあったことを知らないのだろうか。「リング」や「女優霊」を観ていないのか?




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プロフィール

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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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