6日(日)で円谷劇場「ファイヤーマン」が終了した。
 30回で終了とは実に中途半端だ。2クールでは終わらせず、3クールめで何とか視聴率の向上を狙ったものの、その効果が現れず、早々の撤退となった、というところだろうか。
 
「でもそれも仕方ないか」
 昨年7月の放送開始以来、できるだけつきあった(2、3回見逃している)結果、そう思っている。
 確かに、怪獣のデザイン、造形がユルいのは承知していた。それを補って余りあるのが、渋いキャスト(岸田森、睦五郎、平泉征)による重厚なドラマ……のはずだった。
 実際、第一話、第二話ではその予感がみなぎっていた。しかし、回が進むにつれて、期待がしぼんでいく。

 武器は科学だ! と設立されたSAFだというのに、その科学の応用で事件が解決するストーリーなんて皆無。隊員がすべて科学者という設定がまるで活かされていないストーリーばかりだった。いかにもな農村地帯が舞台になる話が多かった。この農村風景は心を和ませてくれたのだが。
 岸田森の白衣姿、実験模様、そこで事件のキーポイント、怪獣や宇宙人の弱点を発見して、ファイヤーマンと敵(怪獣、宇宙人)とのバトル、なんて展開を期待していたのに。

 問題はシナリオにあったのだろう。毎週「ファイヤーマン」のレビューを読みに訪れていたブログで指摘されていたことだが、「ファイヤーマン」にはドラマがないのだ。「帰ってきたウルトラマン」と比較すれば、その差は歴然。「ウルトラマンA」でさえ、ドラマはあったのに。
 肝心要のところはすべてナレーションで処理してしまう。怪獣の出現理由、弱点……。わざととしか思えない。
 一番期待していた「地球はロボットの墓」(岸田森の脚本)も、それほどのものではなかった。衝撃だったのはラストではなく、ゲスト出演の、まだ少女だった芦川よしみのヌードではなかったか。

 次週からは「ジャンボーグA」が始まる。円谷プロが東映テイストで制作した特撮巨大ヒーローものとの印象がある。本放送時あまりの子ども向けストーリーに怒り心頭になった覚えがある。円谷プロがなぜこんな番組を作るのかと。70年代初めの第二期特撮黄金時代に夢中になった世代(仮面ライダー世代)には人気があったらしい。彼らとの壁を感じるのはこういうときだ。


 【追記】

 TOKYO MXは他のTV局に先駆けてマルチチャンネルを開始した。
 リモコンだとわからないが、TV本体のチャンネルを動かすたびに不思議に思っていたことがある。なぜそれぞれの局に複数のチャンネルがあるのか?
 たとえばNHKの総合。011と012。日本テレビは041と042。TBSなら061、062。フジテレビは081、082。リモコンだと、011、041、061、081しか表示しない。たまに本体でチャンネルを替えるときがあって、それぞれの二つのチャンネルが同じ番組を放送している。どんな意味があるのだろうとずっと思っていた。あるときTOKYO MXの二つのチャンネル(091と092)が別の番組を放送していることに驚いた。あわてて局のサイトを調べて、マルチチャンネルを知った次第。
 「ファイヤーマン」も先月の第3週から092に移ったのだ。うちは地デジだから何の違和感もなかったが、アナログだったら、もう視聴できないってことではないか。放送はあと3回なのだ。どうして全話放送してから移行しないのか! アナログ放送で「ファイヤーマン」を視聴していたファンだっているだろう。091は確か通販番組か何かになった。大した番組ではない。これってTV局の横暴ではないか!

 ちなみに、最近は同じ番組の場合、××2の方は放送していないようだけれど。




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同感です!
全てにおいてチープな作品でしたね。(笑)
ただ、平泉氏のコミカルな演技は一見の価値ありですね。若い頃のこの人のイメージは、ワル役しかなかったので‥‥。
睦サンの善人役も、結構はまってましたね。
とにかく、せっかくのキャストを生かしきれなかった脚本には本当に残念でしたね。
取手呉兵衛 さん
>平泉氏のコミカルな演技

私は、「なんたって18歳」のバス運転手が出会いだったので、違和感なかったんです。デビュー当時は強面だったんですか?

てこ入ればかりの番組でしたね。
オープニングの前にクライマックスのバトルシーンを挿入したり、
オープニングのバックを炎のイメージからメカの発進シーン等の実写(特撮)に変えたり、
でも、それって、小手先のてこ入れでしょう?

30話の中で及第点が数話だけ。
人気がなかった理由がよーくわかりました。
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プロフィール

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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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