先週はイベントが続いた。
 毎月第4木曜日の恒例「シネマDEりんりん」。翌日は経堂で「さばの湯 談四楼独演会」。この落語会、昨年から始まったのだが、開催がいつも給料日前、しかもシネりんの翌日なので参加を断念していた。20時開演ののんびりまったりした雰囲気、おまけに日本酒が旨い、安い。
 1日おいて27日(日)は恵比寿で開催された、篠原哲雄監督による実験劇「草原の二重奏」&映画上映。映画は初期作品「草の上の仕事」と「Young&Fine」。

 それぞれ懇親会では酒を飲むわけで、その疲れが昨日一気にやってきた。
 本日は映画サービスデー。有楽町で「アンチクライスト」鑑賞。激しいセックスシーン見たさに。残虐描写はいただけない。なんども目をそむけた。観るんじゃなかった。

          * * * 

 24日(木)の「シネマDEりんりん」のゲストは、特撮ファンにはたまらなかった。飯島敏宏さんと小中和哉さん! 昭和の第一期ウルトラと平成ウルトラ、両シリーズの監督が揃ったのだ。二人のトークは聞き逃せないぜ!
 なんてね。
 
 3月に「ホームカミング」というタイトルの喜劇映画が公開される。高田純次が映画初主演ということが話題になっているが、この映画の監督が飯島敏宏さんなのである。原作ものばかりが幅をきかす邦画界にあって、なんとオリジナル脚本だ。書いたのは千束北男。ウルトラファンならお馴染み、飯島さんのペンネームだ。
 当初の案内では、ゲストは飯島さん一人だった。ところが、映画では監督補という肩書きで小中さんが飯島監督をアシストしていた。急遽小中さんもプレイベントに参加することが決まった。

 もともとは飯島監督、小中特技監督で怪獣映画の企画が進められていたという。脚本は2稿まで書かれたらしいが予算の関係でこの企画は頓挫。まあ、よくあるパターンだ。「ホームカミング」はその代替企画なのだ。飯島監督がプロデュースしたNHKドラマ「理想の生活」(脚本・相良敦子/主演・堺正章)から発想されている。

 飯島監督自身がトークで語っていた。ウルトラシリーズの特撮怪獣路線、「金曜日の妻たちへ」を代表とするドラマ路線。この二つのほか、自分にはもう一つ得意としているジャンルがあると。それが「泣いてたまるか」にはじまる喜劇路線。なるほど、円谷プロの創立10周年記念映画「怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス」は確かに喜劇だった。飯島監督が初めて手がけた劇映画だ。僕はいまだに観ていないのだけれど。
 「泣いてたまるか」は面白かった。幼少時に初めて接した大人向けドラマではなかったか。主演の渥美清が歌う主題歌も大好きだった。木下恵介アワーもよく観ていた。木下プロ制作「人間の歌シリーズ」も「それぞれの秋」(脚本・山田太一)に夢中になった。
 ちなみに「ホームカミング」のメインスタッフは「ダイゴロウ対ゴリアス」と同じだとか。トークで小中監督が語っていた。撮影中、そんなスタッフの想い出話に感激したと。気持ち、わかります。

 思えば、飯島監督が「ウルトラQ」で手がけた「2020年の挑戦」にしても「地底超特急西へ」にしても〈笑い〉が欠かせない。「地底超特急西へ」なんてコメディといってもいいくらいだ。喜劇は飯島監督作品を語る上でキーワードになる。
 「金曜日の妻たちへ」が高視聴率をとって田園都市線やその沿線、いわゆるニュータウンが脚光を浴びた。あれから幾年月……。木下プロの名前も目にしなくなったなあと思っていたら、ドリマックスに名称変更していたのだった。

 ある雑誌がブームの仕掛人として飯島さんともう一人を名指しして非難したらしい。ニュータウンの住人が高齢化して寂れてしまった現状についての記事で。
「冗談じゃない! ニュータウンは確かに高齢化したかもしれないが、決して寂れてなんかいない」
 雑誌記事への対抗意識が「ホームカミング」を企画した要因。そんなことも語っていた。 

 懇談会になってから、飯島監督に訊いてみた。「ウルトラQ 地底超特急西へ」のクライマックス、M1号が超特急の、客車を切り離された先頭車の屋根の部分にまたがり終着駅に向かって突進していくショットがある。80年代に公開された「暴走機関車」でも、ラスト近くで似たショットを目することができる。主演のジョン・ボイドが機関車(当然貨物車両は切り離されている)の屋根にまたがり雪原を突進していくのだ!
 偶然なのか、何か理由があるのか。まさか「暴走機関車」の監督がウルトラQを観ているとか。  
 映画ご覧になりましか? と訊ねたら、監督は笑ってその理由を説明してくれた。
「あれには元ネタがあるんだ」
 大昔の西部劇映画を真似したらしい。もしかして「暴走機関車」もそうなのだろうか。映画のタイトルも教えてもらったのだが忘れてしまった。

 幻となった怪獣映画、いったいどんなストーリーだったのか。小中さんに確認した。
 おじいさんと孫が太平洋戦争の時代にタイムスリップして、そこに怪獣が出現して……

homecoming1
懇親会が始まる前に集合写真
はい、チーズ。

homecoming2
飯島監督が帰られる直前に
手にしているには「怪獣文化とウルトラマン」




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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