2月27日(日)は午後から恵比寿へ。

 篠原哲雄監督が初めて演出する芝居「草原の二重奏」が上演されるのだ。実験劇だという。ピアノとチェロの生演奏つき。これは興味をそそられる。
 会場となるのはMuCuLスタジオ。「草原の二重奏」の音楽とピアノ演奏を担当する佐藤慶子さんのアトリエだ。アトリエということで、客席も限られている(30名ほど?)。おまけに申し込むのが遅くなって、立ち見になってしまった。
 芝居は1時間弱(55分)、映画も短編だろうと考えていたので、立ち見も苦にならないだろう。そう考えたのだが……。

 MuCuLスタジオは普通の一軒家の2階にあった。1階の玄関で靴を脱ぎ、入口でもらったビニール袋に入れて自分の席に持参するシステム。席は丸椅子だが、一番前に座布団が並んでいる。
「立ち見の方はとりあえずそこに座ってください」
 受付でそう言われて、一番前の真ん中あたりの座布団に座った。フローリングの床には客席と平行するように線が引いてあった。線から向こう側が舞台ということだ。
「芝居中はこの線から足や荷物をださないように。役者と交錯しますんで。でも、映画上映中は大丈夫です」
 というような篠原監督の挨拶と注意があって、プログラムはスタートした。  

 まず篠原監督の初期作品「草の上の仕事」「Young&Fine」の上映。上映といっても、客席の前に大型の液晶TVを設置してのDVD(ビデオ)再生だが。

 篠原監督といったら、「深呼吸の必要」や「洗濯機は俺にまかせろ」が話題にのぼる。恥ずかしいことにどちらもまだ観ていない。僕が初めて篠原監督作品に出会ったのは「木曜組曲」だった。続いてJamFilms「けん玉」「昭和歌謡大全集」。「深呼吸の必要」はこのあとだったのか。
 わずか3作しか観ていないが、篠原監督の真骨頂はディティール描写にあると思った。その一つが料理の表現。実に美味そうなのだ。その後、「山桜」公開イベントで初めてお会いして、その旨の質問をしたら、料理はかなりこだわって撮っていると答えていた。ああ、やっぱりと得心したものだ。
 「草の上の仕事」は篠原監督の自主制作で劇場デビュー作だとプログラムにあった。草原で草を刈る男二人の話。劇的な展開はない。プロの草刈職人とアルバイトの男のちょっとした心の交流を描いている。ディティール描写はこの作品でも味わえる。
 アルバイト男を、爆笑問題の太田光が演じていた。素の太田光って感じなのだろう。

 「Young&Fine」はいわゆるVシネマ。原作が山本直樹のコミックなので仕方ないのかもしれないけれど、レンタルビデオ店でこのタイトルを棚で目にしても観たいとは思わない。あくまでも原作ファンだけが注目するだけだ。実にもったいない。高校生のセックスを真正面に捉えた、よく出来た青春映画なのだから。
 それまで、Bまでしかやっていなかった男女の高校生が迎える初体験。その悪戦苦闘であっけなく終るラストがいい。
 風呂場のレズシーン等、篠原監督、官能シーンもいけるのではないか。とすると「昭和歌謡大全集」のオナニーシーンはダメダメじゃないですか。まあ女優サイドの問題なのだろうだけど。

 この項続く 




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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