2011/03/30

 「ホームカミング」(チネチッタ川崎)

 2月のシネりんでプレイベントが実施された飯島敏宏監督の「ホームカミング」。「ばかもの」同様、ロードショーされても上映館が極端に少なくまず都内(23区)での鑑賞はNG。上映する劇場がないのだ。それはプレイベント時にわかっていた。最初は近郊のニュータウンにある劇場から始めて徐々に広げていきたいと飯島監督が語っていた。まず神奈川と千葉でロードショー。狙いはチネチッタ川崎だった。レイトショーもあったので、駆けつけようと思っていたところに東日本大震災があった。
 しばらく映画を観る気分になれなかった。実際問題として、上映が終了すると夜中の12時近く、帰宅できるかどうか。電車が間引き運行されていただろうから。

 先週、さあ、そろそろ観なければ公開が終わってしまうと、改めて時間を確認したらチネチッタの上映がない。じゃあ、どこで上映しているんだと映画情報サイトで検索したらまったくヒットしない。もうロードショーは終わってしまったというわけか。すっかり諦めていた。
 ところが昨日のこと。有楽町で「冷たい熱帯魚」を観るつもりだった。この劇場、水曜日は1,000円なのだ。が、上映時間を調べると、18時30分から。間に合わない! いやいや本編上映前には予告編上映がある。15分ほどあれば何とかなるか。劇場に電話して訊いた。電話にでた女性はそっけない。「予告編は短いですね、3分です」
 ダメじゃん……。

 一度は映画鑑賞を諦めた。まっすぐ帰宅しようと思っていたら、偶然にもチネチッタ川崎のサイトを閲覧する機会ができた。な、なんと「ホームカミング」が上映されているのだ。それもレイトショーで。20時40分から1回だけ。
 てなわけで、まっすぐ帰宅からまたまた映画鑑賞に切り替えた。

 ウルトラシリーズと金曜ドラマ(木下プロ制作ドラマ)の役者陣で彩られたコメディだった。黒部進、桜井浩子、森次晃嗣、竜雷太、秋野大作、林隆三、堀内正美、木野花、高橋ひとみ。高橋ひとみ以外皆老人役というのが感慨深い。そうだようなあ、彼らがバリバリの現役時代、こちらは花の10代、20代。それがもう50代なのだから。
 主演は高田純次で妻役は高橋惠子、ふたりの一人息子役が青山草太、ウルトラマンマックスではないか。高田純次が定年退職した会社の社長役は佐原健二、子ども神輿にハッパをかける老人(!)で西條康彦がゲスト出演している。だったらなぜひし美ゆり子が出演していないか? 舞台となる老齢化激しいニュータウンの住人の一人でカメオ出演してもよかったのに。
 上品なおばあちゃんを演じた島かおりが印象深い。それから出番は少しだが、踊りのお師匠さん役の原知佐子、実相寺昭雄監督の奥さん。

 前半はけっこう笑える。
 定年退職後の夢がどんどん崩れていくことに悩む夫が、あれこれなぐさめてくれる妻に言う。
「B型の女性がうらやましい」
 妻は夫に言う。
「A型の男性ってかわいそう」
 ということは、息子はAB型か。

 紙ふうせんの後藤さんがA型、平山さんがB型なのだ。息子さんはAB型で。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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