2011/01/21

 「オヨヨ島の冒険」(小林信彦/角川文庫)

2011/01/23

 「怪人オヨヨ大統領」(小林信彦/角川文庫)

 NHK少年ドラマシリーズ第1弾、「タイム・トラベラー」はとても面白くて、毎週夢中になった。放送終了後には原作の「時をかける少女」を求めて書店を探し歩いたものである。
 第2弾は「怪人オヨヨ」。小林信彦のオヨヨシリーズをドラマ化したものだ。放送終了後「時をかける少女」同様、原作本を求めて……ということはなかった。ドラマがつまらなかったので原作をあたろうなんて気にはならなかったからだ。

 もしドラマが面白かったら、真っ先に原作本を買っただろう。するとどうなったか。とたんにジュヴナイルのオヨヨシリーズのファンになって、そのまま大人向けのオヨヨシリーズに興味が繋がっていく。はっきり断言できるのは中学時代から小林信彦ファンになっていたということ。だとすると、晶文社のバラエティブックと称される一連の著作「東京のロビンソン・クルーソー」「東京のドン・キホーテ」等々を初版の段階で手に入れていたと思う。
 ドラマはつまらなかったけれど、原作の小説はどうなのだろうとなぜ手にとらなかったのか。今となっては残念でならない。なぜなら、中学生になってから同級生の読書好きがさかんにオヨヨシリーズの面白さを吹聴していたのだ。まったく聞く耳をもたなかった。桂三枝との間で生じた「オヨヨ」剽窃問題も関係していたのか。

 とにかく僕が小林信彦を意識しだすのは、高校時代、「キネマ旬報」に連載された「小林信彦のコラム」から。大学生になるとこのコラムが一冊にまとまり(「地獄の観光船」)、買い求めた。まずコラムニスト小林信彦の著作を読み始め、やがて小説に食指を伸ばす。新潮文庫に入っていた小説をほぼ読破してしまうと、どうしてもオヨヨシリーズが気になってくる。とはいえ、このころすでに角川文庫のオヨヨシリーズは絶版になっていた。読みたくても読めない状態。

 そうこうするうちにちくま文庫でオヨヨシリーズが蘇った。さっそく読んでみた。あまりピンとくるものではなかった。もちろんつまらなくはないけれど、新井素子が解説で大絶賛するほどのものかと思った。続く2冊も同様。ただし「大統領の密使」以降はむちゃくちゃ面白かった。「大統領の晩餐」なんて最高傑作ではないか。
 ちくま文庫になる際、ジュヴナイル版はけっこう作者が手を入れている。当時のTV番組やCM、風俗等、今となっては元ネタがわからなくなっているギャグは削除してあるとのこと。

 数年前に角川文庫で「オヨヨ島の冒険」がリバイバルコレクションの一冊として復刊したが、内容はちくま文庫と同じなので印象は変わらなかった。ジュヴナイル版のオヨヨとは相性が悪い。そう判断するしかなかった。
 しかし、待てよ。だからこそ絶版となった昔の文庫版に意味がある。その後、運よく角川文庫版のシリーズを安価で手に入れることができた。読んでみるとこれが面白かった。70年代の流行をネタにしたギャグで笑えるのである。こうしたギャグがスパイスとなって、大沢親娘の冒険譚がさらにいっそう引き立つというわけだ。小学6年、あるいは中学生で読んでいたら、絶対夢中になっていただろう。確信した。

 【追記】

 少年ドラマシリーズ「怪人オヨヨ」は、72年の7月に放送された。つまり「タイム・トラベラー」に続く第二弾ではないことがわかったということ。すいません、私の勘違いでした。(11/11/24)


2011/01/24

 「現代落語の基礎知識」(広瀬和生/集英社)

 雑誌編集界のスクリーミング・マッドジョージと一部で呼ばれているとかいないとかの著者は最近立て続けに落語本を上梓している。落語は演目を聴きに行くのでない。落語家を観に行くのだ。それを教えてくれたのは著者だ。
 本書は1月の北沢ホールの20周年記念で開催された「談四楼独演会」で知った。配付されたチラシの一枚が本書のものだった。そのあと図書館に行ったら棚にあったのですぐに手にとった。


2011/01/28

 「兇弾」(逢坂剛/文藝春秋)

 禿鷹シリーズ第5弾。前作「禿鷹狩り 禿鷹Ⅳ」で主人公の禿鷹は死んだのになぜに続編が? 
 禿鷹は死んだが最後に拘った事件は解決してはいなかった。署内の裏帳簿をめぐって善悪の刑事、やくざが入り乱れて争奪戦を繰り広げる。前作で初登場した女禿鷹刑事の極悪非道ぶりに怒り心頭であれば、クライマックスで溜飲を下げられる。リアリティはない。マンガを読むつもりで読めばけっこう楽しめる。


2011/01/28

 「ぼくの漫画ぜんぶ」(石森章太郎/廣済堂出版)

 西川口西口にある古書店で見つけた。石森章太郎の、マンガ以外の本はけっこう集めたつもりだったが、本書の存在はまったく知らなかった。マンガと文章による石森章太郎入門書といった体裁でファンにはたまらない。




関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
わが青春の映画たち ♯11 ~「青春の殺人者」
NEW Topics
告知ページ
「シュリ」「海の上のピアニスト」「新選組」「ストーリー・オブ・ラブ」 ~ある日の夕景工房から
「天国と地獄」「どん底」 ~ある日の夕景工房から
「赤ひげ」「御法度」 ~ある日の夕景工房から
「ワイルド・ワイルド・ウエスト」「リトル・ヴォイス」「黒い家」 ~ある日の夕景工房から
1分間スピーチ #19 マスコミの悪意について
「双生児 ~GEMINI~」「秘密」「皆月」 ~ある日の夕景工房から
NHK「ファミリーヒストリー」は8月18日(金)に放送されます!
「シャロウ・グロウブ」「砂の器」「オースティン・パワーズ:デラックス」「マトリックス」 「バウンド」 ~ある日の夕景工房から
また、やっちまっただ! ~「パワーレンジャー」
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード

Page Top