本日、品川プリンスシネマのレイトショーにて「これでいいのだ! 映画★赤塚不二夫」を観る。
 偶然にも、本日発売の週刊文春、小林信彦「本音を申せば」がこの映画に触れている。そこらへんのことは明日にでも。

 月別の読書録、昨年の終わりごろからUPが遅延している。通常なら前月分を掲載するのに、まだ2月だって。
 何とか元のペースに戻さなければ。

     ◇

2011/02/03

 「壬生義士伝(上)」(浅田次郎/文春文庫)

2011/02/08

 「壬生義士伝(下)」(浅田次郎/文春文庫)

 この小説の連載が週刊文春で始まったときのことはよく覚えている。(江戸)時代小説は必ず読むことにしているのだが、幕末もの、それも新撰組ものにはあまり興味がなかった。結局読まなかったのだが、あとで後悔することになる。途中で絶賛の声を耳にするようになったからだ。もう後の祭り。単行本になっても読もうとしなかった。意地もあるのだが、巷の〈泣ける〉 という評価にカチンときたのだった。
 テレビ東京の正月恒例の長時間ドラマは観られなかった。映画は押さえた。ラスト近くの中井貴一の一人芝居のシーンにがっくりきた。このときも原作をあたろうとしなかった。

 週刊文春に「一刀斎夢録」の連載が始まったときは、後で後悔したくないので、真っ先に読み進めた。小説の構成に瞠目した。明治時代を生きる斎藤一に、某大日本帝国軍人が取材する。その取材過程の様子と斎藤一の新撰組時代の思い出話が交錯しながら物語が進行していくのだ。
 もしかして、「壬生義士伝」も同じ構成なのか。以来、図書館で探していたのだがあったためしがない。
 「一刀斎夢録」が完結して、一冊(上下巻)になった。当然読みたいが、その前に「壬生義士伝」あたらなければなるまい。願いが通じたのが、図書館の棚で上巻を見つけた。借りると同時に下巻を予約した。

 冒頭こそ幕末だったが、すぐに時代は明治時代に飛ぶ。新聞記者(ルポルタージュ作家?)が、新撰組関係者を訪ね歩き吉村貫一郎について収集した生の声(?)が全編を彩る。各人が自分の立場から見た貫一郎を語る。そこから浮かび上がる貫一郎の素顔。その間に挿入される、切腹間際の貫一郎のひとりごと。
 泣けた。しかし、危惧していたような涙の質ではなかった。斎藤一の語り、そのラストの叫びは圧巻。貫一郎の息子たちについてもきちんとフォローしていて、小説のラストで喜びの涙にあふれた。
 連載時に話題になるはずだ。

 次は「輪違屋糸里」を読む。


2011/02/14

 「今夜は最高な日々」(高平哲郎/新潮社)

 大学時代、夢中で高平哲郎の本を読んだ。「スプラスティック・ブルース」は名著だった。面白グループの活動に憧れた。TBSラジオで毎日帯の番組があったんだよな。
 編集、インタビュー、TVの構成、本の執筆、舞台の企画・構成。
 思えば、TV以外、高平哲郎は、僕がやりたいことばかりを手がけてきた。ある意味憧れ、理想とすべき人なのだ。
 表紙は和田誠が描く後姿。
 顔を想像すると、なぜかアリスの矢沢透が浮かんできてしまう。


2011/02/17

 「高峰秀子の流儀」(斎藤明美/新潮社)

 出版されたとき話題になった本人が著した「渡世日記」を読みたかったのだが、図書館の棚に本書があったので代わりに借りてきた。
 驚いたのは、高峰秀子と養母の関係だ。養母にとって、高峰秀子は単に金を稼ぐ機械でしかなく、まるで親らしいことをしていない。別に本書は養母のことが細かく書かれているわけではない。本書の中でさまざまことが書かれている中で、高峰秀子の養母に対する距離感がとても印象的なのだ。
 鬼畜なような親の下で、きちんと人間的な女性に育ったことがすごい。子役から大女優になった経歴を考えれば、ドラマや映画でよく描かれるわがままし放題の性格になってもおかしくない。
 夫(映画監督、脚本家の松山善三)への信頼も生半可のものでないことがわかる。 


2011/02/21

 『創られた「日本の心」神話』(輪島裕介/光文社新書)

 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史との副題あり。


2011/02/22

 「オヨヨ城の秘密」(小林信彦/角川文庫)

 オヨヨシリーズはまずジュヴナイルとして書かれた三作「オヨヨ島の冒険」「怪人オヨヨ大統領」「オヨヨ城の秘密」があり子どもたちの間で大人気になったのだと思っていた。その成功を実績にして同じキャラクターを使って大人向けの四作「大統領の密使」「大統領の晩餐」「合い言葉はオヨヨ」「秘密指令オヨヨ」が書かれたのだと。
 違うことを本書のあとがきで知った。
 「オヨヨ城の秘密」はシリーズでいうと7作目になる。このあと番外編となる短編集「オヨヨ大統領の悪夢」となるわけだ。角川文庫に入る際に、「大統領の密使」の冒頭につながるように、「オヨヨ城の秘密」は最終章のラストを書き換えた。なるほど、そういうことだったのか。


2011/02/24

 「この噺家に訊け!」(広瀬和生/アスペクト)

 「この落語家を聴け!」続く第2弾。自分が読みたい本を作る。その気持ちは十分すぎるくらいよくわかる。


2011/02/25

 「ごきげんタコ手帖」(中野翠/毎日新聞社)

 この連載、サンデー毎日が休刊するまで続くのだろうか? もう終わってもいい潮時ではないか。こちらの方で卒業すべきなのかも。




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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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