一昨日20日(金)は、MOVIXデー。地元シネコンで「ブラックスワン」を鑑賞する。手持ちでヒロインを追いかけるカメラ(ワーク)が怖い。ズルいともいえるのだが。ナタリー・ポートマンのマスク、華奢な肢体に往年のオードリー・ヘップバーンがダブった。
 それはそうと、20世紀フォックスっていつ社名を変えたのか。21世紀フォックスではない、フォックス・サーチライト・ピクチャーズ。今、調べたら子会社だって。

 昨日21日(土)は、両国のシアターX(カイ)にて「ギィ・フォワシィのブラックな3作」と銘打たれた芝居を観劇。「関節炎」「動機」「誘拐」の3作。1作めより2作め、2作めより3作めというように徐々に舞台に夢中になれた。が、集中する意識が途切れるのは客席後方が聞こえてくるシャッター音。5秒に一回の割でシャッターが切られるのだからたまったもんじゃない。別に計ったわけでではないけれど。

 帰り、自転車が置いてある川口で降りてさくら水産で一人飲む。金がなくてカードで。給料日まで2,000円!

 帰宅して、「情報7daysニュースキャスター」を見ていると、長門裕之が急死したことを伝えていた。具合を悪くしていたことは知っていたが、こんなに早く亡くなるなんて。昭和9年会のメンバーが亡くなるともうそれだけでつらい。同じ77歳でも児玉清は昭和8年、母と同じ生まれ。長門裕之は昭和9年生まれ。父と同い歳。合掌。

          * * *

 承前

2011/05/19

 「これでいいのだ! 映画★赤塚不二夫」(品川プリンスシネマ)

 回想録「赤塚不二夫のことを書いたのだ!」が映画化されると知ったときはちょっと複雑だった。題材としてはとても面白い。あの世界をスクリーンで観たいと思う。が、赤塚不二夫役が浅野忠信というのはイメージがちょっと……。個人的には立川志らくこそ若き日の赤塚不二夫を演じられると考えているので。
 だいたい、もう一人の主人公である編集者(著者の武居さん)を女性にするなんて。演じるのが堀北真希なので狙っているのだろうか。TVドラマ化された「野ブタ。をプロデュース」のいじめられっ子、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の鈴木オートで働く若者、ともに原作では男だった。ドラマ化、映画化で女に変更されたのである。どちらも堀北真希の出世作だ。もしかしたら、映画「チーム・バチスタの栄光」の田口役も、竹内結子の前にオファーされていたりして。

 「ALWAYS 三丁目の夕日」の六朗から六子への変更。プロデュースする側としてその意図はよくわかる。だが、時代を考えるとそんなことはありえないことも承知している。理由はレビューで書いているのでここでは省く。
 「これでいいのだ! 映画★赤塚不二夫」の場合、1960年(昭和40年)代ならば、女編集者の存在もありえるから、おかしくはない。のだが、別の意味でストーリーが成り立たなくなるという心配がでてくる。
 赤塚不二夫の性格を考えたら、掘北真希みたいな編集者と日夜一緒にいるとなると、どうしたってあちらの方の関係を結びたくなるのではないか。余計なお世話か。まあ、いいや。

 品川プリンスシネマのレイトショーはプレミアム館の上映だった。プレミアムシートを通常料金にしているのだ。この劇場のレイトショーではよくあることだが、思わず聞いてしまった。プレミアム館の上映で、料金がプレミアム仕様と通常とあるが、その違いはどこで決まるのか? 「アンノウン」だって通常料金だったら、何もさいたま新都心まで行くことはなかったのだから。
 チケット売り場の若い女性、「ただ今聞いてまいります」と奥の部屋に消えた。戻ってきて言った。「作品によってケース・バイ・ケースだそうです」

 この日、客は僕を含めて3人。レイトショーということもあるのだろうが、映画を観たら、それも仕方ないかと理解できる。プレミアム料金なんてしたら暴動が起きるぞ。
 思うに、この映画、もっともっとハジけなければいけないのではないか。「下妻物語」「嫌われ松子の一生」のような、カラフルハイテンション映像で、大声だして笑える展開でなければ。
 オープニングのモノクロTV画面、赤塚不二夫のインタビュー、「おそ松くん」のアニメあたりはかなり期待に応えてくれるかも思えたのだが。しかし、その後はダメ。まったくハジけない。シナリオも演出も演技も。クスリともさせてくれないだもの。なんなんだ、あの少年サンデー編集部の描き方は!
 「レッツラゴン」でやりたいことやっている赤塚不二夫と女編集者と、連合赤軍のあさま山荘事件を錯綜させるスラプスティックスのクライマックスなんて、狙いはわかるけれど、演出が稚拙だからもう白けるだけ。

 唯一、よかったのは浅野忠信。楽しんで赤塚不二夫を演じていて、また、それが様になっているのである。
 掘北真希は最初の生真面目なところは〈らしい〉けど、結局バカになりきれなかったのが残念だ。綾瀬はるかだったら「タリラリラーン」のお呪いで変身できたかもしれない。仲里依紗なら大バカになれただろう。ちょっと若すぎるか。
 それから美術が見もの。三ツ矢サイダーの旧ボトルなんて涙ものだ。小学生のとき、我が家ではあれをケースで購入していた。当時の少年サンデーや少年マガジンにも胸がうずく。赤塚不二夫直筆のサインにも。
 あるいは当時の新宿西口の光景。すでに新宿京王プラザが建っていて、その隣に建築が始まったばかりの住友三角ビル……。始まったばかりの「太陽にほえろ!」のOPタイトルのバックはこのころか。

 フジオプロのスタッフは、実名ではなかったが、容姿で誰が誰だかわかってニヤけてしまった。長谷邦夫と古谷光敏。とするともう一人が高井研一郎か。高井先生は、もう何年も前、池袋の居酒屋で開催された「談四楼独演会」にお客さんで来ていて本物を拝見したことがある。けれど、若いころの姿は知らない。 
 本物の武居記者は、バーのシーンのお客の一人だったような。エンディングロールには名前はなかったけれど、たぶんそうだ。内藤陳のハードボイルドだどには感激。森田芳光監督はどこに出演していたのか?
 赤塚不二夫の母親役、いしだあゆみの激ヤセ姿に声を失う。

 本年度のきいちご大賞候補と断定するのは簡単だ。が、個人的にはいろいろあって、一刀両断できない映画でもあるのだ。
 



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前説のつもりだったが長すぎた。
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No title
長門裕之さんは紙ふうせんの二人の仲人で、結婚式後に長門夫婦と4人で撮られた写真を今でも大事にされていました。泰代さんからタバコをやめないと南田洋子さんに相談すれば、やめれないのであればもっと軽い銘柄にすればとハイライトに変えられた話を思い出します。
若い時の長門裕之さんはサザンの桑田さんに似ている、時代劇の主人公より脇役が持ち味が出せる役者さんという方でした。残念です。
ジンギスカン さん
最初に長門裕之という役者を意識したのはいつだったのか、考えました。「特ダネ登場」という番組の回答者ではなかったでしょうか。いつも8ミリカメラを持っていて撮影していました。その次が「ミュージック・フェア」の司会者ですか。
すぐに思いだす脇役は「池中玄太80キロ」のデスクですね、私は。
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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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