2011/04/18

 「なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか」(荻原真/国書刊行会)

 荻原さんがまた本を上梓した。
 感想は項を改めて。


2011/04/20

 「手塚治虫の奇妙な資料」(野口文雄/実業之日本社)

 手塚治虫のさまざまな作品の中からピックアップして、連載時と単行本(コミックス)になったときの違いを検証する。以前読んだ「描き換えられた鉄腕アトム」(小野卓司/NTT出版)と同じ趣旨の本だが、本書の方が6年も早く出版されている。ほかにも「手塚治虫 原画の秘密」(手塚プロダクション/新潮社)がある。その手の本の先駆けとなったのが本書ではないか。
 小説その他の活字本の場合、加筆訂正なんて作業自体は簡単にできる。原稿がそのまま活字になるわけではないからだ。マンガの場合は、原稿がそのままページになる。吹き出し等の文字以外は完成されているのである。原稿=ページといってもいい。絵そのものを訂正したり、コマの構成を変えるというのは、かなり厄介な作業だろう。切り貼り等や一部のコマのみ白紙を貼って書き直したり……。
 「描き換えられた鉄腕アトム」のときも思った。ここまでやる漫画家は他にはいない。だからこそずっと第一線で活躍できたのだ、と。この刊行に伴う訂正、修正は星新一も行っていたことを評伝「星新一 一〇〇一話をつくった人」(最相葉月/新潮社)で知った。作品に古さを感じないのはそういう努力の賜物なのかと思い知らされたものだ。
 
 手塚マンガをあくまでも単行本でしか読まないという人なら別にいい。雑誌掲載時から愛読していると、単行本で雑誌時の感動が味わえない場合がでてくる。雑誌掲載時よりよく出来ていたとしても、初出の気持ちに浸りたいということもある。僕自身何度か経験している。
 コアな手塚治虫ファン向けに「鉄腕アトム」雑誌掲載時のままのエピソードをまとめた本が刊行されている。今後はその手の本が次々にでてくるのだろうか。


2011/04/24

 「日本動画興亡史 小説手塚学校Ⅰ ~テレビアニメ誕生~」(皆河有伽/講談社)

2011/04/26

 「日本動画興亡史 小説手塚学校Ⅱ ~ソロバン片手の理想家~」(皆河有伽/講談社)

 書名に〈小説〉とあるから、図書館の小説本の棚にあった。通常なら、上の階の映画・アニメの棚にあるはず。だからこれまで気がつかなかった。書店で見つけたときからいつか読もうと思っていたのに。(だったら買えよ!)
 小説と銘打ってあるが、虫プロダクションの設立と隆盛(そしてたぶん倒産とその後まで)を綴るルポルタージュだ。関係者へのインタビューとこれまで出版されている書籍等目にすることができる資料を基に構成されたノンフィクション・ノベルといった方がいいか。
 第1巻は手塚治虫が東映動画に招かれて初の長編アニメ「西遊記」で悪戦苦闘し、自身のアニメ製作会社虫プロダクションを設立、国産初のTVアニメ「鉄腕アトム」を手がけるまでの話。アニメに関して宮崎駿は手塚治虫を評価していないが、その芽はこのときにもうでているのだ。ディズニーアニメを愛してやまない手塚治虫が、TVアニメを実現させるため徹底してアンチディズニーを目指したというのが不思議な気持ちがする。
 毎週ではなく、隔週、あるいは月一放送ならば、それほど苦労しなかったのでは? 当時はそんな概念はないだろうけれど。
 第2巻は、TVアニメ「鉄腕アトム」製作に絡む主に版権商売と海外進出の話。
 続刊が楽しみだ。
 書名は「小説吉田学校」からきているとのこと。ああ、なるほど。


2011/04/29

 「なぜなぜ分析 実践編」(小倉仁志/日経BP社)

 仕事(業務)のための読書。
 でも、この分析、個人でも大いに利用できますぞ。


2011/04/29

 「円谷英二の言葉 ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言」(右田昌万/文春文庫)

 著者は円谷プロ出身のシナリオライター&俳優。平成ウルトラマンシリーズのファンにはお馴染みだ。「ウルトラマンティガ」ではメインライターだった。昌万は〈まさかず〉と読む。
 円谷プロ出身だとはいえ、本書は特撮ファンのために書かれたわけではない。少年時代に東宝の特撮怪獣映画に親しみ、年齢とともに卒業していった大人の人たち向けと言えようか。卒業したとはいえ円谷英二という名前にはそれなりの思いがある。たぶん円谷を〈えんたに〉と読んでいた世代。
 そんな人たちが仕事に活かせる、発想の転換に役立たせるであろう、円谷英二の名言が読みやすい分量(1ページ)にまとめられている。管理職が職場の朝礼等でスピーチに利用できること間違いない。
 特撮ファン向けではないのは理解しつつも、特撮怪獣映画の原点であり名作「キング・コング」を「キングコング」と表記するのはちょっとがっかり。キャラクターとしてならいいけれど、映画のタイトルですからね。円谷英二がフィルムを取り寄せ一コマずつチェックしたという……。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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