2011/04/18

 「なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか」(荻原真/国書刊行会)

「荻原さんがまた宮崎駿=スタジオジブリアニメ本をだしたんだって?」
「そう、前回同様表紙のデザインを含めて本の装丁がいいんだよね。オレ好みなの」
「タイトルが挑発的だよね?」
「書名見たときは、今度こそ荻原さんが宮崎さんに宣戦布告か? って思ったもん」
「違うの?」
「もちろん! 内容は前作『なぜポニョはハムが好きなのか』の続編的論考といってもいいかもしれない」
「宮崎アニメ、ジブリアニメに描かれる二項対立の隠された論理への言及という意味で?」
「そうそう。だから書名に惹かれて本書を読むと肩透かしくらうかも」
「まあね、けっこう刺激的だから」
「嘘ついてるわけではないんだよ。最後の最後でこの問題を扱っているから。ほんのちょっぴり(笑)」  
「アイキャッチとして優れているというのかな」
「営業サイドの意見が反映された結果かも。
  なぜバズーはハトを飼っているのか、
  なぜムスカは手帳に頼るのか、
  なぜソフィーは帽子屋なのか、
  なぜサリマンは温室のなかにいるのか、
  なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか、
 こう並べてみればインパクトの差は一目瞭然でしょう?」
「なるほど」
「それから文中のイラスト、すべてスタジオジブリの絵コンテなんだよ。もうびっくり」
「使用料、かなりかかったんじゃないの」
「で思ったの、使用を許可したってことは、ジブリが本書(の内容)を認めたということだって」
「ってことは、やっぱり……」
「荻原さん、宮崎アニメのファンだよね、絶対」
「嫌いだっていうのは、ある種の照れ隠しなのかな」


「でも、不思議なんだよなあ」
「何が?」
「オレが本を出す年に、なぜか荻原さんも上梓するんだよな」
「前作『ポニョ』のときは『僕たちの赤い鳥ものがたり』……」
「今年は8月に『夕景工房 小説と映画のあいだに』を刊行する予定だから」
「だから、表紙のデザインとか体裁なんてところに目がいくわけか」
「そうだよ、自分が本つくるときって、参考となる本がないか、あれこれ探し出すから」
「まあ、がんばってください」




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kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

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