昨日は毎月第4木曜日の恒例「シネマDEりんりん」。ゲストは7月に公開が決まった「あぜみちジャンピンッ!」の西川文恵監督。今回もユーストリームで配信した。聴き手のHさんがずいぶんと痩せている。ダイエットのため毎日10キロ走っているのだとか。
 映画は7月23日(土)よりポレポレ東中野で公開される。

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2011/06/20

 「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(MOVIX川口)

 アメコミは大嫌い、その映画化作品にはまったく興味がない!
 なんて広言しながら映画「X-MEN」シリーズにハマった。1作め、2作めとビデオでチェックしていたのだが、3作めは劇場で押さえた。ミュータントたちが力を合わせて敵と戦う構図に「サイボーグ009」の実写化を重ねている。一作めで、ミュータントたちがユニフォームを着用し専用機に乗ってマンハッタンに赴くシーンに、ドルフィン号を駆るサイボーグ戦士をダブらせたものだった。当然プロフェッサーXはギルモア博士だ。

 「X-MEN」の魅力はチームワークにあり。だから、ローガン(ヒュー・ジャックマン)の誕生を描くスピンオフ映画「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」はいまいち興味がわかず、いまだDVDも観ていない。ま、ストーム(ハル・ベリー)の物語だったら鼻の穴膨らませて劇場に駆けつけたんだろうけど。

 実をいうと本作にだってあまり期待してはいなかった。若き日のプロフェッサーX&マグニートーの物語、X-MEN誕生の経緯なんてどうでもいいと思っていた。でも、予告編で観た海上を舞台にX-MENたちが活躍するヴィジュアルがなかなか熱くて(VFXの出来もよくて)、あっというまに心変わり。MOVIXデー(料金1,000円)での鑑賞となった。

 かつて仲間だったプロフェッサーXとマグニートーはなぜ対立したのか? どんな経緯があってX-MENは組織されたのか?
 そういった謎の答えがキューバ危機を背景にとてもわかりやすく描かれていた。
 特にマグニートー誕生の経緯――自分がミュータントだったばかりに最愛の母を失ってしまったエリック少年の成長譚という趣きという意味では、善良な青年が悪の権化・ダースベーダーに変貌していく様を描いた「スター・ウォーズ エピソード1」~「エピソード3」より上手い作りだ。エリック(ミヒャエル・ファスベンダー)に感情移入して、彼が人類を目の仇にする態度をすんなりと受け入れられる。
 冒頭の、ホロコーストのエピソードとクライマックスのキューバ危機をうまく関連づけたことも特筆したい。米軍、ソ連軍に反撃しようとするエリック。止めようとするチャールズ(後のプロフェッサーX、演じるのはジェームズ・マカヴォイ)が発した一言にエリックが即座に反論。その台詞に思わずうなずいてしまった。

 少年時代における二人のチョコレートの想い出の対比(ホットチョコレート=ココア)もその後の人生を象徴している。ミスティーク(このときはまだレイヴン)が最初はチャールズと兄妹のように暮らしていたなんて! 幼いころに出会っているのだ。
 年頃になってからミスティークはチャールズに恋心を抱くが、チャールズはそういう気持ちになれない。これはいつまでも妹だからという意識なのか。獣の足を持つビーストの本心も人間体のミスティークがいいというもの。対してエリックは、あくまでミスティークの素顔(青くてイボイボの肌)が素敵だという。ミスティークが最後にエリック(マグニートー)側になるのもわかるというものだ。この選択についてはラストにちょっとした仕掛けがあって少々驚くが。
 青い肌のミスティークが素敵。これは僕も同意したい。「X-MAN」3部作のもうひとつの魅力はハル・ベリーのストームとミスティークの肢体だと思っているので。下腹部がどんな風になっているのか興味津々なのだが、画面上カットの切り替え等うまく隠して見せてくれない。当たり前か。

 チャールズとエリックの共通の敵は、セバスチャン・ショウ。ナチス時代にエリックの母親を殺したミュータント。今は仲間のミュータントと組んで米ソ戦争を引き起こそうとしている。演じるのはケヴィン・ベーコン。英語のほか、ドイツ語(ロシア語も?)も操って貫禄を見せつけてくれる。そうそう、この映画、英語以外に、ドイツ語、フランス語、ロシア語が入り乱れて国際色豊かな雰囲気を醸し出す。すべての役者に英語をしゃべらせないところがいい。ドイツ人もロシア人も英語しゃべると、もうそれだけで興ざめだもの。

 チャールズに理解を示すCIA側の某研究所所長がオリヴァー・ブラッド。「エグゼクティブ・ディシジョン」で特異な存在感を示してくれて、以後映画にこの俳優が登場するととたんにうれしくなる。ちなみに私はこの俳優をハリウッドの快楽亭ブラックと呼んでいる。
 もうひとり、スクリーンでその顔を見てニヤニヤしてしまった俳優がいた。クライマックスのキューバ危機で、米軍艦隊の艦長(?)で登場するマイケル・アイアンサイドだ。初めて見たのはTVドラマ「V」だったか。以後、偽ジャック・ニコルソンと呼んでいる。
 セバスチャンの仲間、身体をダイヤモンドに変える能力を持つ女ミュータント・エマをジャニュアリー・ジョーンズが演じていた。「アンノウン」で主人公の妻役だった女優。確信した。オレの好きなタイプじゃない。「アンノウン」でもそう感じていたのだ。

 エンディング・ロールで懐かしい名前を見つけた。 ジョン・ダイクストラ。70年代から80年代にかけて、「スター・ウォーズ」全盛時代、SFXを牽引していた。現役で活躍していることが確認できてうれしい。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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