この前、DVDで「劇場版 仮面ライダー響鬼と七人の戦鬼」を観た。初めての鑑賞。時代劇ということで期待していたのだが、残念な出来だった。TVシリーズの世界観は無視。七人の仲間たちはまるで「龍騎」のライダーたちのようだった。
 劇場版はTVとプロデューサーが違う。「アギト」以降ずっと平成仮面ライダーシリーズを牽引していた白倉プロデューサーが担当していた。「響鬼」は「クウガ」以来の高寺プロデューサーの作品なのである。

 「仮面ライダークウガ」……高寺プロデューサー
 「仮面ライダーアギト」……白倉プロデューサー
 「仮面ライダー龍騎」 ……白倉プロデューサー
 「仮面ライダー555(ファイズ)」……白倉プロデューサー
 「仮面ライダー響鬼」 ……高寺プロデューサー

 ということになる。「555」と「響鬼」の間には「剣(ブレイド)」があるのだが、主演のイケメン俳優の演技が耐えられなかったので観ていない。
 その流れで「響鬼」も最初の数話は観ていなかったのだが、一度チャンネルを合わせたら見事にハマった。その世界観、キャラクターに。
 が、途中でプロデューサーが更迭された。おもちゃが売れなかった、制作費がかかりすぎた。原因についてあれこれ噂されたが、本当のところはわかっていない。その後プロデューサーは白倉氏になった。大幅な路線変更とはならなかったが、それでもやはりテイストは違う。この劇場版が好きなファンには受け入れられただろうが。

 高寺氏はその後東映を退社、角川書店に移籍して新たなTVシリーズに始めた。タイトルは「大魔神カノン」。夜中の3時半からの放送で一度も観ることができなかった。録画すればいいのだが、できなかた。うちにはビデオもDVD(ハードディスク)レコーダーもないのだ。
 同時期「MM9」というSFドラマがあった。怪獣出現を自然災害として扱い専門の部署が対処するという物語(原作・山本弘)。こちらも夜中の2時過ぎの放送。仕方ないので、目覚ましをかけて視聴していた。
 ちなみになぜ角川で「大魔神」と疑問をお持ちのあなた。大映は角川映画に吸収されたんですよ。
 『「仮面ライダー響鬼」の事情』を読んで知るのだが、今、何よりおもちゃが優先されるのね。番組の企画で最初にクリアされるのはB社でどんなおもちゃを作るのか、販売するのか、なのだから。

 以下はmixiに書いた文章だが、特撮のカテゴリで扱う。

     ◇

 ●わが心のオリビア・ハッセー 2005/07/09

 先週だっただろうか、早朝ワイドショーの芸能ニュースでオリビア・ハッセーが来日していることを知った。新作映画でマザー・テレサを演じたという。布団の中で音声だけを聞いていたこともあり、本人(会見模様)をこの目で確認することはできなかった。
 現在の容姿がどうなっているのか知らないが、オリビアのマザー・テレサはとても似合っているのではないかと思った。
 その後、(私が知っている限り)どこのメディアも取り上げていないので、残念な思いをしていたのだが、昨日発売の週刊文春、阿川佐和子の対談記事、な、何とオリビア・ハッセーがゲストではないか!
 写真を見る限りでは昔と全然(なわけないけど)変わっていない。ストレートの長い髪もそのまま。うれしかったなあ。

 今、「ロミオとジュリエット」といえば、レオナルド・デカプリオのそれを指すようだが、私にとって、いや、ある世代にとってはオリビア・ハッセー&レナード・ホワイティングが主演した「ロミオとジュリエット」だろう。
 スクリーンに登場したジュリエット(オリビア・ハッセー)を見て劇中のロミオ(レナード・ホワイティング)だけでなく、客席の私もドキドキしてしまったもの。愛くるしい瞳、ちょっとハスキー声。あの心のときめきは30年以上経った今でもはっきり憶えている。
 
 オリビア・ハッセーはその後「失われた地平線」、「サマータイム・キラー」に主演したが、あまりパッとしなかった。代表作は「ロミオとジュリエット」だけ。でも、と私は思った。1作だけで消えていったっていいではないか。その作品の中では永遠に輝いているのだから。そういう女優(男優)がいてもいい。本人にとっては不本意だろうが。

 オリビア・ハッセーが角川映画「復活の日」に出演すると聞いたときはうれしいと同時に、ちょっと残念な気持ちもあった。
 草刈正雄の相手役だったアメリカ人女優がすごいわがままな性格で現場が混乱、すぐに降板させられて、その代役としてオリビア・ハッセーに白羽の矢がたった(のだと思う)。確かに黒い髪、黒い瞳のオリビア・ハッセーにぴったりの役ではあった。

 カネボウ化粧品のCFに抜擢され、テーマ曲「君は薔薇より美しい」を歌った布施明とできてしまって結婚した時の気持ちを何て書けばいいか。
 敗戦が決まって人間宣言した天皇を見る軍国少年の気持ち……違うか。裏切られたショック。そりゃないよってな感じ。
 決して手の届かないと思っていた天上界の天女が、実は同じ世界に住む女性だった。本来なら喜ぶべきことなのに、この場合は逆。オリビア・ハッセーが汚された感じがしたのである。
(布施明さんすいません、私は子ども頃からあなたの歌が好きでした。「積木の部屋」はカラオケでよくうたいます。でもそれとこれとは話が別です)

 離婚のニュースはとくにどうという感情はわかなかった。その後オリビア・ハッセーの話題を耳にすることはなかった。表舞台からあっさり消えた印象がある。女優活動は続けていたのだろうか。
 映画の出来の如何にかかわらず公開されたら真っ先に劇場にかけつけよう。同窓会で中学時代の意中の彼女に会う心境だな、まるで。


 ●響鬼とは何ぞや? 2005/07/14

 オリビア・ハッセーが東京滞在中、ホテルのTVで「仮面ライダー響鬼」を見たらさぞびっくりしただろう。「響鬼」のエンディングテーマは布施明がうたっているのである。

 「クウガ」から始まった平成仮面ライダーシリーズは「響鬼」で6作めになる。
 よく続くものだ。続くだけではなく、作品ごとに新しいことに挑戦している。70年代の東映等身大ヒーロー作品を知る者にとって、ストーリー展開やヴィジュアルは(技術的な問題はともかく)驚異的ですらある。

 悪の軍団がいて、幹部が見得を切り、怪人が悪巧みをする。ライダー登場! 必殺ライダーキック(パンチ)の同ショット3回つなぎ、なんていう稚拙な(中学時代、このカッティングが大嫌いだった)なんて演出はもやは存在しない。カメラワークやカッティングが実にスマート。昔の東映色は、ない。
 円谷プロが訴訟問題やお家騒動、はたまたウルトラマンシリーズの位置付けで右往左往やっているのを傍目にわが道を行く王者の貫禄がある。形勢が逆転した感じ。
 円谷を〈えんたに〉と読み、リアルタイムで「ウルトラQ」から追いかけてきた円谷プロファンとすると、少々いやずいぶんつらいものがあるのだが……

 こちらが旧「仮面ライダー」に思い入れがないということもある。もろ仮面ライダー世代の5歳下の弟はこんなの仮面ライダーじゃないと斬って捨てた。仮面ライダーマニアを自認する某プロレスラーも平成のシリーズを写真週刊誌で批判しているのを目にしたことがある。

 思い入れがないからこそ見えるもの、感じるものがある。
 故石森章太郎氏がテレビ番組の企画を目的に設立した石森プロが平成シリーズにどの程度絡んでいるか知らない。もし本人がご存命ならば「クウガ」「アギト」の出来に喜んだに違いない。こういうドラマをやりたかったんだよ、なんてコメントを発したのではないか。原作のコミックを読めば、TV番組との相違、石森氏がヒーローもので何をやりたかったのか、わかるはずなのだ。そう考えた場合「クウガ」「アギト」で、原作・石森章太郎のクレジットはとても意味がある。「555」も底に流れるテイストは同じ。
 しかし「龍騎」はあきらかに仮面ライダーではなかった。たぶん「剣(ブレイド)」もそうではないかな。
 不思議なことにそういう作品は劇中で仮面ライダーの名称を連発する。(「クウガ」「アギト」「555」では劇中一切仮面ライダーの呼称がない)

 前作の「仮面ライダー剣(ブレイド)」は、2話までつきあってイケメン俳優の演技の未熟さに嫌気がさして観るのやめてしまった。
「響鬼」がスタートする時なんて、「今度こそ仮面ライダーじゃないだろう」と特撮雑誌を立ち読みしながら叫んでしまった。もちろん心の中だけど。
 造形がすでに仮面ライダーを逸脱している。おまけに響鬼は太鼓を打つバチが武器なのである。純和風の戦士! なんじゃ、そりゃ。
 ほんとに、仮面ライダーなんて冠、いらないだろう。


 ●鬼っ子ライダー 響鬼 2005/07/18

 響鬼はまったく仮面ライダーではないけれど、その造形に惹かれるものがった。フォルムそして全身から醸し出す光沢感。機械のイメージが前面に押し出されている。

 第1話は見逃した。チャンネルを合わせたのは3話からだった。
 前作で新人イケメン俳優のデメリットがわかったのか、中堅俳優の細川茂樹を主人公に起用している。この俳優さんがいい。肩の力が抜けていて、でも手を抜いているわけではなく、観ていてホッとする。

 これまでの法則に逆らって、一番仮面ライダーの世界に遠いのに、劇中に仮面ライダーの呼称はない。ドラマの中では日本各地に出没する魔化魍を退治する〈鬼〉と呼ばれるヒーローだ。仲間がいる。トランペットを武器にする威吹鬼、エレキギターを武器にする轟鬼のほか、斬鬼、弾鬼など。音撃戦士と言われる所以である。

 彼らを取りまとめているのが〈おやっさん〉と呼ばれる立花勢地郎。演じるのは下條アトム。下町で団子屋〈たちばな〉を営んでいる。いやはやこれが本当の四代目おいちゃんですな。
 この店の地下が基地となっていて、娘たちも父親に協力、敵の分析やら武器の開発なんかを担当している。
 音撃戦士〈鬼〉は徒弟制度をとっていて、弟子を一人抱え、戦うときはいつも一緒。たとえば、轟鬼の師匠は斬鬼であり、普通弟子は師匠と同じ名を名乗るのだが、なぜか轟鬼となった。
 では響鬼の弟子はというと、今のところいない。弟子っぽい少年がいて、これが高校生の明日夢くん。響鬼と明日夢の交流がもうひとつの見どころだ。

 聞いた話によれば、東映は石森プロに今回の企画にあたって、仮面ライダー(の冠)返上をお伺いにいったそうだ。ところが石森プロの方から「仮面ライダー」を使ってほしいと言われたとのこと。
 本当なら「音撃戦士・響鬼」にでもなるはずだったのかもしれない。

 ヴィジュアル的な面でいうと、漢字をインサートするカッティングが斬新。その場の雰囲気を端的に表現する文字、たとえば「怪」とか「幻」とか、ポンと入ってくる。飯野歩監督が「失われしモノたち」で英文(アルファベット)をそれこそ感覚的にディゾルブさせていたけど、あの感じ。
 敵の魔化魍がすごい。体長、20、30メートルの怪物なのである。巨大生物と等身大ヒーローの戦いにかなり燃える。CGの出来はそれなりではあるのだが。

 そんなわけで、せっかく「仮面ライダー剣」で離れることができた日曜朝8時のビデオ録画のセットをまた行うことになってしまった。
 かみサンと娘の軽蔑の視線に耐えながら……




関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
原点回帰/ウルトラマンマックス ~もうひとつのmixi失格
NEW Topics
告知ページ
「新感染 ファイナル・エクスプレス」
「溺れる魚」「ミート・ザ・ペアレンツ」「ハード・デイズ・ナイト」 「天使がくれた時間」 ~ある日の夕景工房から
1分間スピーチ #22 ソニー・プレステ2の宣伝効果
「クリムゾン・リバー」「愛のコリーダ 2000」「ビッグママスハウス」 ~ある日の夕景工房から
世紀末~新世紀「2001年宇宙の旅」まつり
「ハンニバル」 ~小説を読み、映画化作品をあたる
「ホワット・ライズ・ビニーズ」 「ペイ・フォワード [可能の王国]」 ~ある日の夕景工房から
「カオス」 ~映画を観て、原作をあたる
「砂の女」「源氏物語 あさきゆめみし」 「スペース カウボーイ」 ~ある日の夕景工房から
Comment
Trackback

最短距離でエレキギターを上達させる練習方法とは

あなたは、いつまでギターに苦労するつもりですか?「従来の方法」では、ギターの練習量を増やしてライバルに差をつけるしか方法はありません。今あなたに必要なのは、あっというまにギターが上達する方法ではありませんか?
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード

Page Top