9月最後の日(30日)はライブに行ってきた。といっても、横浜BRITZのショーケンではなく、錦糸町PAPPY'Sの水木ノア&フレンズ。あっ、&フレンズは正式名称ではありません。勝手に命名しただけなのでお間違いなく。
 開店5周年イベントの第一夜(3夜連続)の出演者として、ノアさんがいつものメンバーを従えて(ドラムスが初顔だった)トリを飾った。新曲(?)「さよなら」が僕の琴線にグッときた。ベースを弾いている常盤さん、あの髪、あの眼鏡ぜったいみうらじゅんですよ。タイからの留学生チョーさんのギターは相変わらずいい音色! 
 ノアさんには29日のイベントのラストでミニミニミニライブをやってもらう予定です。

 ひとつ前に登場したクラシック・ロックのバンド、フライングブイのギター演奏がメチャクチャかっこよかった。ギタリストの容貌(漫才師おぼんこぼんのおぼんを長髪にしたような)との落差が魅力。ちなみにクラシック・ロックって、60年代、70年代のロックという意味。クラシック音楽とロックの融合?なんて構えていたら「ホテル・カルフォリニア」を演奏してくれて「そういうことか!」。

 1日(土)は映画サービスデー。地元シネコンで「モテキ」にしようか「セカンドバージン」にしようか、はたまた「コクリコ坂から」にしょうか、19時台に上映される映画の中から選択しようと思っていた。「モテキ」「セカンドバージン」はレイトショーがあるから「コクリコ坂から」かな。

 先週発売の週刊文春、小林信彦「本音を申せば」。「日本橋バビロン」に続き「真逆」がでてきた。やはり「真逆」については違和感等々ないんだな。
 映画「モテキ」の紹介で、ミュージカルシーンを褒めていた。日本映画のミュージカルシーンで出来のいいのはマレだといい、ぱっと想い出せるのは小林旭の「東京の暴れん坊」のタイトルバックぐらいだと。「嫌われ松子の一生」のミュージカルシーンを寒くならないと絶賛していたのに、まったく触れずじまい。なぜ?

          * * * 

 承前

 続けざまに起こる映画制作の頓挫(Sさん情報によると「朝日のあたる家」の映画自体は撮影されて編集までは終わっている由)が、業界にまだ残っているショーケンタブーでなければよいのだが。CMにだって復帰しているのだから、ありえないとは思っている。

「もしかして役者が嫌がるんじゃない? ショーケンとの共演」
 冗談っぽく言う友人もいる。
 思い出した。謹慎前、ちょうどインディーズ映画の上映会に足しげく通っていたころのことだ。打ち上げには役者さんも参加する。ショーケンが話題になった。若手の女優さんが言った。「ショーケンと共演した知り合いの役者が言ってました。現場がしっちゃかめっちゃかになったって」
 ある役者さんにインタビューしたときのこと。「瀬降り物語」に出演したというので、ショーケンの印象を尋ねたらまず最初に「怖かったよ」。もちろん、その方、もろ世代だから、ショーケンを否定しているわけではない。
「怖いですか? やっぱり」
 笑うしかなかった。

 「トーク&ミニライブ ANGEL or DEVIL」で自信を持ったのか、半年後には「トーク&ミニライブ ANGEL or DEVILⅡ」を開催した。バックがフルバンドではなかったものの、もうミニライブではなかった。とはいえ、喉の状態を考えたら、音楽活動には限界がある。週刊誌で特集されたときに、「来年(2011年)はフルバンドでライブをやりたい」と語っていたが、あくまでも役者稼業があってこその活動だと思った。
 かつてのライバル(?)ジュリーは今や活動を音楽だけにシフトしている。ビジュアル的にはかなり恰幅がよくなってしまって、トップスター時代の美青年ぶりを知る者にとって、ちょっと残念ではあるのだが、声量はまったくというほど変わっていない。歌手はこうでなくては。

 僕はある時期からショーケンを役者とか歌手を超越した存在だと認識するようになった。真の意味でアーティストなのではないかと。
 ただし、喉の状態が悪くなって(いわゆる声の裏返りが頻繁に見られるようになって)からは、歌うことによる表現(パフォーマンス)は期待しなくなった。もしかすると演技だってあの声だとどうなるかわからない。最悪の事態も頭をよぎったが、謹慎が奏功して極端な裏返りはなくなった。もちろん、毎日の手入れは今も欠かさないだろう。だからこそライブによって喉を酷使してもらいたくない。今の喉の調子を演技の方で有効活用してもらいたい。そう願っているのだ。
 ちなみに声の裏返りは昔からのショーケン節のひとつ。その裏返りが頻繁になって、元に戻らないのが問題だった。

 しかし、年が明けても、映画の話に進展がない。サントリー関連のCMでしか姿が見られないのはさびしかった。
 映画がダメならTVドラマはどうなのか。ゲスト出演とか。いわゆるショー的な番組には出演しているのに、ドラマに登場しないのはやはり何か理由があるのだろうか。
 2011年上期に映画が公開されて、下期にフルバンドによるライブ開催。なんてことを想像していたのだが、叶わなかった。
 9月のライブツアーの情報を入手したときは、そんなわけで、これまでのような感激はなかった。
 いや、ライブが観られるのはうれしい。うれしいけれど……とても複雑な気分で。


 この項続く




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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