2011/09/22

 「萩原健一 ―LIVE2011 DEEDS,NOT WORDS―」(赤坂BLITZ)

 承前

 開場(18時30分)5分前。地下街から地上に向かう階段に列ができていた。赤坂BLITZの入口は1階用と2階用の二つが並ぶ。2階は指定席だから時間がくると次々とお客が入っていくが、1階はそうはいかない。整理番号順に入場を許可していくわけだ。その順番待ちのお客が番号に従って列を作っていた。入口近くは1~100番台、地下街に続く階段には200番台以降。知った顔はいなかった。

 受付を済ますと、ロビーでCDを販売していた。あわてて購入。たぶん昨年のCDと内容的には変わらないとは思うのだが、ショーケンでは仕方ない。入場時に受け取った券でドリンクが一杯飲めるが中がどうなっているのか知りたくてとりあえずホールへ。
 1階はスタンディング、とのことだったが、後方には椅子席が用意されていた。客の年齢層を考慮したのだろう、左右、それぞれ100席ほど。きっちり数えたわけではないが。
 スタンディングスペースには中央から左右が長い十字のポール(正式名称がわからない、ひじ掛け、背もたれになるようなゴムで覆われた棒状のもの)が伸びている。まだ人も少ない。ああ、ここでいいやとロビーに出てドリンク券でビールを注文。ドリンクカウンターのそばで立ったままビールを飲む。目の前のベンチに小堺一機が座っていた。思わず挨拶してしまいそうになった。昨年の感想などを訊いてみたかったが我慢、我慢。

 赤坂BLITZはライブハウスなのだった。ホールへのドリンクの持ち込みは大丈夫。なのに、いつもの癖(芝居の劇場は通常飲食物の持ち込みは不可)でロビーでビールを飲み干してから再度中に入る。ポール近辺は人でいっぱいになっていた。どうしようか?
「やっぱり一番後ろにしよう」
 後方を見ると、左右の椅子席後方に同じようなポールが伸びていた。近づいてみるとポールのところから一段高くなっている。ステージからもそんなに遠くない。目の前は椅子席だから眺めもよい。絶好のコーナーではないか!
 この一段高いスペースは、中央のPAブースの左右(それぞれ椅子席の後ろ)に位置する。見上げると、二階席にあたる天井からモニターが吊ってある。ステージの模様がモニターでも確認できるのだ。いやはや最高。

 ライブが終わってから係員に確認したのだが、1階はスタンディングだと1,000人収容できるとのこと。2階席は120人。椅子席があるので実際の人数がどのくらいかわかりかねるが、開演直前にはほぼ満員状態になったのではないか。
 開演前の影ナレを聞いてびっくり。このライブ、主催がニッポン放送なのである。

 19時。開演だ。
 場内に「トッカータとフーガ ニ短調」が鳴り響く。小学6年から中学時代にかけて、家にあったクラシック全集の中でバッハのこの曲を一番よく聴いたと思う。それからショパンの練習曲。ステージでは音楽に連動して7つの光が乱舞する。乱舞が一段落すると、バックミュージシャンが登場。
 センターマイクを真ん中に、上手が長井ちえ(ギター)、下手に瀬田一行(ギター)、ちえさんの後方にベースの渡辺建! 一番下手側がキーボード・斉藤浩哉、二人の後方にドラム・渡辺慎。
 ショーケン本人が次はフルバンドで、と語っていたことから、今回のライブの楽しみはメンバーが誰になるのかということだった。しかし、ツアーが始まるまで、何の情報も伝わってこなかった。
 Sさんの初日レビューでやっと詳細がわかったのだが、もし何も知らなかったとしたら、ショックを受けたかもしれない。なぜキーボードが篠原信彦ではないのか。どうしてコーラスにAHaちゃんがいないのか。次なるフェーズになったということで二人は降板したのだろうか。予定どおりだったのか。ベースの渡辺建さんには拍手喝采なのだが。
 ツインギター+ベース+キーボード+ドラムスのシンプルな編成。
 5人が定位置についてから、青いシャツを着たショーケンが登場した。
 場内がどよめく。
「ショーケン!」
「ハギワラ!」
 青いシャツが似合っていた。何よりシンプルなのがいい。
 昨年は、まるで着せ替え人形みたいに衣装をとっかえひっかえしていて、おまけにどこかお仕着せの感じがした。似合っているとはいえ。
 身軽になったショーケンが軽快に「神様お願い!」を歌いだした。


 この項続く




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プロフィール

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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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