2011/10/15

 「談四楼独演会 第178回」(北澤八幡神社 参集殿)

  立川寸志 「子ほめ」
  立川笑二 「狸の札」
  立川吉笑 「てれすこ・序」
  立川談四楼「目黒のさんま」

   〈仲入り〉

  原一平   声帯模写
  立川談四楼「抜け雀」


 前々項から続く

 続く笑二さんは初めて見るのかもしれない。談笑師匠のお弟子さん。独特の口調だ。愛嬌のある顔で、太らせると「三瓶です」になるかも。今回、斜め下から見上げると何度か玉袋筋太郎に思えたのだけど。

 前座アンカーは笑二さんの兄弟子になる吉笑さん。前座生活1年未満で二つ目昇進の内定をもらった。若かりしころの奥村公延はこんなんだったかなあという感じの風貌。「ウルトラQ/地底超特急西へ」で超特急の運転手を演じていた俳優さん。映画「お葬式」ではアボガドの実をスプーンですくっておいしそうに食べていた。
 吉笑さんは、寸志さんの初高座に刺激を受け、予定していた演目を取りやめて勝負にでた(?)。これが奏功した。初めて聴く「てれすこ・序」に大爆笑! 
 見ている最中は、創作なのか古典なのかわからなかった。舞台は確かに江戸時代なのだが、発想は新しい。主人公が話相手に「見たことも聞いたこともない」「見たことはあるが聞いたことはない」ものを延々と説明するくだり。会話に中でベストと言ってしまって後で訂正するところ、会話でなければ英語が入ってもよいとする料簡。
 最後で「てれすこ・序」と言ったので、ああ、これが「てれすこ」なのかと思った。数年前に公開された映画(未見)で「てれすこ」という名称を知ったのだが、実際の落語を聞いたことがなかった。内容もまったく知らなかった。
 打ち上げで確認したら創作だという。ちょっと調べた。「てれすこ」の前日譚になるわけだ。「明日に向かって撃て」に対する「新・明日に向かって撃て」みたいな関係。主人公のブッチとサンダンスは映画のラストで死んでしまうのだから、後日譚は描けない。そこで若かりしころのエピソードをもってきた。そういう手があったかとそのハリウッドの商魂を見た思いがしたが、落語にも通じるということか。
 この(笑いの)センスが師匠に認められたのか。もしかして、師匠の「改」に対抗して「序」で押し進めるとか?

 ゲストは、声帯模写の原一平さん。寅さんの物真似で渥美清本人から公認された芸人さんだ。
 寅さんファッションで登場した原さん、まずは帽子、お守り、腹巻、トランクの4点セットを紹介した。実際に撮影に使用されたもの。「開運!なんでも鑑定団」に出演したとき50万円の値がつけられたんだそうだ。帽子が10万円、お守り、腹巻が5万円、トランクが30万円。目の前のトランク(ほんと、手が届きそう)は味があった。他はどうでもいいけれど。
 ボランティアで柴又案内なんていうのもやっていたらしい。一昨年、初めて柴又を訪れた。映画で見馴れた駅から続く参道を歩き、帝釈天で参拝。
 当然「寅さん記念館」も見物した。この記念館では有料で寅さんなりきりグッズを貸してくれる。おいおい、実際に着る奴いるのかよと思ったら、一人いました。
 漫談の中に、声帯模写や歌を挿入していく構成。漫談部分はよくあるパターンだけど、ディック・ミネ(歌マネ)、伴淳三郎(モノマネ)がよく似ていた。でも原さん、渥美清が人気者になってマスコミのバッシングを浴びていたとき、伴淳もいじめていたことをご存じなのだろうか。 「おかしな男 渥美清」(小林信彦/新潮社→新潮文庫)で知ったのだが。
 個人的には「泣いてたまるか」の主題歌が生で聴けて感激した。「泣いてたまるか」は物心がついて最初に見た大人のドラマで、この主題歌が大好きだった。

 談四楼師匠は「目黒のさんま」と「抜け雀」の2席。
 8月の「さばの湯 雑把亭」独演会では前座のこはるさんが「目黒のさんま」をかけた。客席で見ていた師匠は懇親会のときにこはるさんにアドバイスしていた。さんまと再会(?)したお殿様がAKB48の「会いたかった、会いたかった」と歌えば効果的じゃないかと。自分で取り入れていたのには大笑いだ。
 「抜け雀」は、絵師が墨をすったり絵を描いたりするしぐさにうっとり。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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