一昨日(21日)は、退社後どうするか朝から迷っていた。経堂の「さばの湯 雑把亭/立川談四楼独演会」に行くか、駒込のJ'zCafe「立川流落語会」にするか。夕方近くになって、特撮仲間のSさんから「飲みませんか?」のメール。結局体調不良でまっすぐ帰宅した。朝から下痢だったのだ。

 昨日はお昼に地元シネコンで「一命」鑑賞。
 ほんとはレイトショーで観たかったのだが、その時間は3D上映なのだ。この映画を3Dで観たがる客がいるのか? 
 瑛太扮する浪人の〈狂言切腹〉(小林正樹監督、仲代達矢主演「切腹」にこのような言葉が出てきただろうか?)シーン直後に、年配の女性客が退場した。途中で転んでちょっと場内が騒然となった。竹光による、かなりリアルな切腹は、僕自身直視できなかったので気持ち悪くなる人がいてもおかしくない。
 映画はよく出来ていたと思う。しかし、海老蔵と満島ひかり・瑛太が親子というのがちょっとなあという感じ。海老蔵と満島ひかりが父娘で、瑛太は娘婿の関係。皆演技はすばらしいのだが。
 3D効果があるのは冒頭のタイトルのみ、だけのような。

 映画のあとは中目黒のウッディシアターへ。
 志水季里子さんが出演する「悲しみの時候 ~消せない心の涙」をS氏と観劇。
 超満杯。そのため、予定より開演が20分ほど遅れた。フライヤーの印象からずっと涙と感動のドラマだと思っていた。劇場でもう一度読むと、〈ずっこけ! 痛快コメディドラマ〉とある。ええ! 
 最初から涙と感動で押せばよかったのに。ギャグがはじけないのは観ている方もつらいもんです。
 主演の女優さん(浅田遥)が抜群に良い。季里子さんは後半のしっとり演技が印象的。

 終ってから、S氏と飲む。話題は批評について。

     ◇

 ●黒澤明と〈批評の存在〉 2005/08/02

 昨日会社の同僚から借りた「ホームレス作家」(松井計/幻冬舎)を読了する。今頃になっての読書だが、いろいろ考えさせられた。
 
 続けて「十五人の黒澤明 出演者が語る巨匠の横顔」(ぴあ編/ぴあ)を読んでいる。
 黒澤映画に出演した役者たち、仲代達矢から大寶智子、番外として三船敏郎の長男・史郎の15人のインタビュー集。

 山崎努の思い出話の中で、批評について黒澤監督が嘆いていたことが出てくる。
 曰く「僕は赤を塗っているのに、青じゃないと言われる。でも赤を塗っているんだからそう言われても困るんだ」
 この色に託した批評の功罪は最近私が口にすることだ。
 自分で赤を塗っていて、青じゃないという批評があるなら、そんな批評なんて無視することだ。赤を認識して、その赤の色合いについてアレコレ言うのなら耳を傾ければいいことで…云々。
 世界のクロサワと同じ論理じゃないか、なんてちょっと有頂天になったのだが、よくよく考えてみると、この言葉、昔黒澤本かなにかを読んでインプットされたものなのだろう。
 昭和40年代は黒澤監督にとって不遇の時代だった。小林信彦のコラムでよく語られることだが、黒澤映画が何かと批判された。あの「七人の侍」ですら再軍備を提唱する映画と叩かれたというのだから恐れ入る。
 アメリカ映画に進出しようとして2度の挫折。自殺未遂のニュースを新聞で知った時、まだ黒澤映画なんて観たことがなかったにもかかわらずものすごく悲しかったことを憶えている。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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