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 水野美紀を知ったのは金子修介監督「ガメラ2 レギオン襲来」だった。札幌市青少年科学館の学芸員役。冬の札幌といったら相当の寒さだろうに、始終ミニスカート姿というのがおかしいが、ヒロインとしてとても魅力的だったことは確か。たぶんに金子監督の戦略(趣味嗜好!)だと思う。
 この後、TVドラマ「踊る大捜査線」の雪乃役で人気女優の仲間入りするわけだが、個人的にも好きなタイプだったので、ファンを自認するようになる。

 数年後、 「千里眼」(松岡圭祐/小学館)というミステリを読んだ。元自衛隊のエリートパイロットにして、今は心理臨床士(心理カウンセラー)として働くヒロイン・岬美由紀が日本壊滅を狙うカルト教団の陰謀を阻止せんと活躍する物語。読了して「これは映画になる!」と思った。何よりクライマックスのドッグファイトをスクリーンで観たいと。岬美由紀が私服でF-15に乗り込み東京湾上空で敵と戦うのだ。
 しかし、白衣姿が似合って(知的な雰囲気があって)、なおかつアクションができる若い女優が日本にいるだろうか? しばらくして、水野美紀主演で映画化とのニュース。確かに心理カウンセラーは適役だ。でも、肝腎のアクションができるのだろうか? なに、倉田プロモーション出身!? アクションの切れを確認するため、日本資本の台湾アクション映画「現実の続き夢の終わり」を観たりもした。とてつもなく「千里眼」の公開を心待ちにしたものだ。
 ここらへんのことは映画「千里眼」のレビューにこと細かく書いている。まあ、映画の出来には裏切られたものの、水野美紀のアクションに惚れ惚れした次第。これを機会にアクション女優・水野美紀の活躍が見られると喜んだのだが、その後、その手のドラマ、映画は生まれなかった。結局、彼女のアクションに注目したプロデューサーはいなかったということだろう。

 一時、「天使の囀り」(貴志祐介/角川ホラー文庫)の映画化が噂されたことがある。監督には、あの長谷川和彦の名前があがって不安視しながらも期待したのだが、案の定、その後の情報は何も入ってこない。監督の交代は十分予想できたものの、企画自体が流れるとは思っていなかった。残念だった。そこで、自分なりに、どんな映画にすれば面白いか、考察したことがある(「こんな映画が観たい!」 まぐま14号掲載)。このときもヒロインの精神科医に水野美紀をキャスティングして、異形の敵との戦い、アクションを夢想したものである。
 この数年、TVで水野美紀を見かけなくなった。大手事務所を辞め、芝居に力を入れているという。それも悪くはないが、彼女を起用してアクションものをやろうというプロデューサーや監督がいないことに不満を覚えてきた。
 
 久々にアクションに挑戦する「刀狩るもの ~二本松の冒険~」(監督:都築宏明)を知ったときは、ほんとうれしかった。

 この項続く




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「刀狩るもの ~二本松の冒険~」
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まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)

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