先週15日は今年最後の偶数月恒例「立川談四楼独演会」。平日なので会場に到着したのが19時ちょっと過ぎ。大入り満員で入場時に配付されるチケットやプログラムがなくなっていた。家元の死の影響か?
 
          * * *

 ついに始まった「萩原健一映画祭」。ショーケン主演の映画を二本立てで順次上映していく。
 銀座シネパトスなら有楽町駅からも歩いて行ける距離だ。テンプターズ時代からショーケンのファンだと広言しているというのに、未見の映画がいくつかある。いい機会だからすべての映画を観てやろうじゃないか。なんて意気込んでいたのだが、最終回の一本めの上映開始時間が17時台とか18時台。退社後駆けつけるとなるとちょっと間に合いそうにない。
 ということで、最初の「約束」&「ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを」のカップリング、「約束」は諦めた。まあ、一度劇場で鑑賞しているし。最終回ラスト1本だけの鑑賞だと800円に割引になる(通常は1,300円)から、まあいいかと自分にいいきかせて。

 13日(火)、有楽町駅を降りて、まっすぐ伊東屋へ。来年の手帳(Bindexのリフィール)を買ってから、シネパトスに向かった。窓口でチケットを購入。
 窓口の人に確認する。「中に入っていてもいいですか?」
 「約束」が終了するまでロビーで待っていようと思ってのこと。
「どうぞ、別に映画観ても大丈夫ですよ」
 えっ? 1本の鑑賞だから800円に割引されたのではないか。
「前の映画が上映後20分過ぎたら、別にかまわないんですよ」
 そうなんだ。文芸坐はきっちりと区分していると思うけど。
 ラッキーってんで、中に入った。最初は真っ暗でスクリーン以外は何も見えない。目が慣れてくると、どこが空席かがわかり目当てのところに座る。こんなこと久しくやっていなかった。途中入場なんて、いつ以来だろうか? 十代のころを思い出した。高校時代、地元の映画館をこんな形で利用していたのだ。

 「約束」は、ちょうど、帰りの列車のシークェンス。刑務所前の屋台のラーメンはやはりうまそうだった(なので、映画館を出てから、有楽町駅近くの喜多方ラーメン食べました!)。
 今回、気がついたが、ラーメンをしっかり食べるのは南美江(今年亡くなった。合掌)だけで、岸恵子もショーケンも口にすらしない。南美江はオヤジにラーメン代を支払うが、あれは岸恵子と二人分なのか?

 さて、目当ての「ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを」。
 実をいうとGS映画を観たことがない。GS映画というとタイガースやスパイダースが有名だが、別に金だしてまで観たいとは思わなかった。テンプターズも同様。じゃあお前が観たがっている「進め!ジャガーズ 敵前上陸」はどうなんだと言われたら、脚本が小林信彦、監督が前田陽一だからにほかならない。
 1970年代、天地真里、新御三家、花の中三トリオ等々、アイドル映画が量産された。歌謡曲、特にアイドルを嫌悪していた僕は当然その手の映画をバカにしていた。そんなアイドル映画の先駆となったのがGS映画だから興味がなかった。テンプターズ時代からのショーケンファンといっても、アイドル時代のショーケンを観たいとは思わないというわけだ。

 旧い映画プリントなので、退色して全体的に赤味がかった色になってしまっている不満はあるものの、これがなかなかおつなものだった。
 もちろんストーリーは他愛ないものだ。
 高校生のショーケン(!!!)が、クラスとバイト先の仲間たちとバンドを結成するドタバタ騒動に母親(新珠三千代)の再婚話が絡む。クラスメートが高久昇、バイト先の仲間が田中俊夫、大口広司、松崎由治。
 脚本が池田一朗なのでちょっと驚く。後の作家、隆慶一郎だ。

 小学生のとき、トッポが脱退したことでタイガースへの興味を失い、テンプターズファンになった。今から思うと正しくない。テンプターズのショーケンファンになったのだ。なぜなら、ショーケン以外のメンバーの顔と名前が一致しなかったのだから。後年、大口広司はドンジャンバンドの一員だったり、俳優になったりして認識できるようになったが、あとはまったくダメ。
 どうにも解せないのは松崎由治である。タイガースではヴォーカルのジュリーよりギターを弾きながら「花の首飾り」を歌うトッポに夢中になったり、「青い鳥」を作詞作曲した(ギターの)タローを注目したりしていた。
 だったら、ギターを弾き、「神様お願い」の作詞作曲、「おかあさん」の作曲等、テンプターズのオリジナル曲を数多く手がけたメンバーに注目しないわけがないのだ。まあ、当時は松崎由治がメンバーであることも知りはしなかったのだからしかたないか。そのくらいショーケン以外のメンバーには興味がなかった。
 そんなわけで、この映画で高久昇と田中俊夫の区別がついたのである。めでたしめでたし。
 それから演奏シーン(やはりGS映画の魅力はこれだろう)で高久昇のベースの弾き方に注目した。そして松崎由治のギター。とはいっても撮影では実際に音なんてだしていないだろうから、あまり参考にはならないか。

 高久昇と松崎由治は役者としてもなかなかいい味だしていた。特に松崎由治の方は、役者に転向していたら若大将シリーズの江原達怡のような存在になっていたかもしれない。容貌は斉藤洋介っぽいし。
 母親役の新珠三千代のほかに、山岡久乃、横山道代、名古屋章、大泉滉が脇を固める。高久昇の父親で新珠三千代やショーケンたちが働くスーパーマーケットの社長を演じた役者は、TVの時代劇等でよく拝見する役者さん。須賀不二男だった。ヒロインは聖ミカ。まさに60年代後期のアイドルといった感じ。とてもかわゆい!
 神様役で堺正章がゲスト出演している。テンプターズがスパイダースの事務所の後輩だからだろう。

 テンプターズのCDが欲しくなった。




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Comment
No title
シネパトス、
銀座にあるとは思えない、場末の映画館みたいで素敵ですね!
showken-fun  さん
お久しぶりです。
もしかして、18日(日)にシネパトス訪れていませんか?
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プロフィール

kei

Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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