9日(月)にシネリーブル池袋で「宇宙人ポール」鑑賞。
 昨年「恋の罪」を観たとき、この映画のチラシを見つけすっと気になっていた。何の前情報も予備知識もないのだが、これは劇場で押さえなければと。
 面白かった! 
 70年代、80年代のSF映画ネタがいたるところに飛び出してきて、大笑いしたりニヤニヤしたり。ヒッチコックの「北北東に進路をとれ」まででてくるとは!
 主人公の二人組とヒロインが立ち寄る酒場。3人が入ったときに流れている音楽って、「スター・ウォーズ」のあの宇宙人ウヨウヨの酒場と同じだよね? アレンジは全然違うけれど。
 ラスト、なかなか飛び立たないUFOに対して、ポールの一言がサイコー。誰でも経験したことがあるのでは?
 

 前日8日(日)から今年の大河ドラマ「平清盛」が始まった。大河ドラマは江戸時代を舞台にした作品しか観ない主義(ってほどでもない。江戸時代がマイブームなもので)。
 主人公が松山ケンイチなので、とりあえず第一回を観た。この時代が舞台になるのは「新・平家物語」以来か。

 映像のタッチが「龍馬伝」と同じ。フィルム的な陰影のある映像となっている。おまけにリアリティ重視。ドラマも見ごたえがあった。特に白河法皇役の伊東四朗が圧巻。その昔、「天と地と」に出演していた伊東四朗を見て、コメディアンだけでなく役者としても認識したことを思い出した。コント55号に夢中になる前はてんぷくトリオのファンだったもので。
 今回の白河法皇は「天と地と」以上のインパクトだった。存在感が強烈だ。あのスキンヘッドは本当に頭を剃ったのか、それともカツラか。

 主人公の清盛(まだ幼名だが)を演じる子役、どこかで見たことがあるなあ、と思ったら小学生漫才「まえだまえだ」の弟くんだった。お兄ちゃんが、清盛の父親に殺された盗賊(隆大介)の息子として、浮浪児役で登場したことでわかった次第。
 清盛の父親(忠盛)役は中井貴一。ラストの、清盛に向けて放つ台詞に胸が熱くなった。
 「勝海舟」は第一回に感動して1年間視聴したのだった。

 「龍馬伝」は、まずその映像に惹かれ、特に室内に差し込む光が、まるで本物の太陽光みたいで毎回注目していたのだが、フィルム的な映像処理を「暗い画面」と切り捨てる視聴者がいることに驚いた。
 こういう人って、昔の「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」等の時代劇、16ミリフィルムで撮影された作品を見ても「暗い!」と言うのだろうか。というか、フィルム作品をご存じないのか? 映画は観ないのか? TVは鮮明で明るく瑞々しいビデオ画面が当たり前という料簡なのだろう。
 まあ、いい、人それぞれの趣味嗜好というものだ。僕とは合わないだけのこと。

「また画面が暗いとかなんとか言われるんだろうなあ」
 第一回を観ながら心配したのはそこだった。
 案の定、第一回の視聴率が過去ワースト3だったことを受けて、「鮮やかさがなく、薄汚れた画面ではチャンネルを回す気にはならない」と酷評する輩が現れた。
 兵庫県知事だという。
 映像、ドラマにおけるリアリティをどう考えているのか。
 だいたいこの人はドラマを観たのだろうか。薄汚れていると判断してチャンネルを回してしまったので観ていないか。
 地元が舞台になっていることで、知事の立場として観光客誘致のことしか頭になく、〈視聴率が悪い=観光客が来ない〉といった短絡的な発想で、発言してしまったのだろう。

 これはNHK側も悪いと思う。
 いつのときからか大河ドラマは舞台となった自治体(都市)が製作協力するようになった(すべてではないだろうが)。たとえば「太平記」では、足利市や太田市(僕の郷里)が自費で豪華なロケセットを作った。そのセットは撮影のないときは観光名所となる。
 自治体の長がそういう目で大河ドラマを評価するのも仕方ないのかも。

 とはいえ、大河ドラマはドラマなのだ。いいドラマを作るのが本当の目的だろうに。
 それから、TVドラマを視聴率で語るのはやめにしませんか。TV局(の営業)、広告代理店、スポンサーが視聴率を話題にするのは理解できる。しかし、メディアが問題視すべき事柄ではない。もっと中身について語るべきだろうに!
 



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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町のブックカフェ二十世紀で働いています。さまざまなイベントを企画、開催していますので、興味あれば一度覗いてみてください。

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