2012/01/22

 「きりふ寄席2012 立川流一門会」(桐生市市民文化会館小ホール)

 毎年1月になると群馬県桐生市で落語会が開催される。郷里である太田市の隣町だ。上毛カルタでいえば「桐生は日本の機どころ」。高校時代にラグビーの試合で何度も訪れた。ちなみに太田は上毛カルタで「太田金山子育て呑龍」とうたわれている。
 さて、肝心の落語会は、談四楼師匠プロデュースの「きりふ寄席」。今年で5回めになる。初回から行きたいと思いつつ、なかなかスケジュールの都合がつかなかった。1月は何かと忙しいのだ。前回は、1月ではなく、前年の12月に開催された。出演者の一人がミッキー亭カーチスなので心ときめいたが、結局ダメだった。

 今年は談笑師匠が出演する。前座は弟子の吉笑さんだし、これは絶対行くぞ。
 館林の落語会に何度か誘っている友人がいる。太田韮川で整骨院をしているYだ。中学、高校の同級生で高校時代は同じラグビー部だった。笑いは好きだから落語に興味がある。自営だから土曜日もめいっぱい働いている関係で日曜日開催でければ参加できない。一度だけ館林の立川流落語会に一緒に行った。帰りに寄った台湾料理店をいたく気に入り、その後も家族でたまに行っているらしい。
 Yの代りというのもヘンだが、この数年、誘っているのが高崎在住のAである。小学校時代からのつきあいだ。例年夏に開催される談四楼師匠+αの二人会は初回から通っている。

 きりふ寄席は日曜日だ。Yに声をかけてみた。行きたい、というのでチケットも手配した。前日の夜はY宅に宿泊して当日Yのクルマで会場に向かえばいい。漠然とそう考えていた。大晦日になって、Yが「行けなくなった」と言ってきた。ラグビー関係の用事があるとのこと。Yは地元で小学生たちにラグビーを教えている。また東京三洋ラグビー部とのつきあいもあって、試合があると駆り出される。あわてて、Aを誘った。
 一週間前になって、Yから電話がかかってきた。もしまだチケットがあるのだったら行きたいんだけど。おいおい、もうAを誘っているって。
「だったらもう1枚チケット購入しようか?」
「いやいや、そこまでする必要はないんだ」
 もし、購入することになっても無理だった。チケットはすでに完売していたのだから。

 最近〈市民会館〉を聞かなくなったような気がする。地方の場合、昔は何かイベントがあると必ず会場は市民会館ではなかったか。
 今は違う。たとえば僕が住んでいる川口だと市民会館はあることはあるが、イベントやコンサートの類はリリアで開催される。館林の落語会はいつも三の丸芸術ホールだ。桐生市市民文化会館は、昔の市民会館なのだろうか。かなり新しい超近代的な建物で外観はまるでUFOのよう。大ホールと小ホールがあって、レストランや喫茶店が完備している。市民会館がもっと多機能になったのか。そういえば、年末に行ってわかったことだが、太田も市民会館が建て替え中だ。
 桐生市文化会館小ホールはキャパは300人弱。ゆったりとした空間は居心地が良い。左右の入口を結ぶ通路を境に後方は段々の席となっている。その一番前の席を確保した。


  立川吉笑「狸の恩返しすぎ」
  立川談奈「尻餅」
  マグナム小林 ヴァイオリン漫談
  立川談笑「時そば」

   〈仲入り〉

  宮田章司 江戸の売り声
  立川談四楼「芝浜」


 開場を待っているあいだに、初めての経験をした。一番太鼓を聴いたのだ。近くに大太鼓が設置されていたのはわかっていた。飾りだと思っていたら、吉笑さんがでてきて威勢よく太鼓を叩きだした。その迫力といったら! 
 まずは吉笑さん。思ったとおり「狸の恩返しすぎ」だった。勉強会のときとサゲが変わっていたような。
 談奈さんは初めて、のつもりでいたのだが、志ん朝に似ている口調で思い出した。談四楼独演会の二つ目シリーズに出演していたのだ。
 マグナムさんはこれで3回め。ネタはまったく同じだけれど、楽器自体を使ってのギャグは何度聴いても飽きがこない?
 談笑師匠は地方ということで鉄板ネタの「イラサリマケー」を予想していたのだが、「時そば」だった。確かに「時そば」の方がオーソドックスか。ときどき自分を客観視するクスグリがたまらなくおかしい。そばの概念を覆すという、中野駅北口ロータリーの立食い蕎麦屋「K」、行きたくなりました。

 休憩時にコミックス「ファイティング寿限無」第二巻を購入。

 江戸の売り声、宮田さんは二回め。昨年の8月、下北沢の「談四楼独演会」のゲストだった。どんな感想を書いたのか、昨年の8月のブログをあったらない。何たることか、備忘録すら書き忘れていた!
 あのときはお客さんからリクエストをもらって、さまざまな売り声をやっていた。今回も同じ。が、冒頭でマイクを使うのをやめて、客席に降りて実践してくれた。生の声がいい。北澤八幡の参集殿でも生声だったが、会場の大きさが全然違う。気持ちいい。

 師匠は談志の思い出をマクラに、談志が得意としていた「芝浜」を。




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Author:kei
新井啓介
ライターの・ようなもの
まぐまPB「夕景工房 小説と映画のあいだに」(studio zero/蒼天社)
「僕たちの赤い鳥ものがたり 1978-79」(文芸社)
神保町で働いています。

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